米国株、ダウ続伸し60ドル高 インフレ鈍化が支え ナスダックは反落

米国株、ダウ続伸し60ドル高 インフレ鈍化が支え ナスダックは反落

米国・欧州株概況

2024年1月27日 6:57

【NQNニューヨーク=稲場三奈】26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸した。前日比60ドル30セント(0.15%)高の3万8109ドル43セントと連日で過去最高値を更新した。朝発表の米経済指標がインフレ鈍化の継続を示し、買いを促した。一方、前日に2023年10〜12月期決算を発表した半導体のインテルが大幅安となった。ハイテク株の売りを誘い、相場の重荷となった。

朝発表の23年12月の米個人消費支出(PCE)では物価指数が前年同月比2.6%上昇した。食品とエネルギーを除くコア指数は2.9%上昇と11月から伸び率が縮小し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(3.0%上昇)も下回った。インフレが減速し、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動くとの見方が投資家心理の支えとなった。ダウ平均の上げ幅は一時160㌦を超えた。

前日発表の23年10〜12月期の米国内総生産(GDP)速報値が市場予想を上回る伸びとなり、米経済の軟着陸(ソフトランディング)期待が高まっているのも買いにつながった。

もっとも、ダウ平均の上値は重かった。最高値圏にあり、主力株の一部に利益確定売りや週末を控えた持ち高調整の売りが出た。米債券市場では長期金利が前日終値(4.12%)より高い4.1%台半ばで推移し、株式の相対的な割高感も意識されやすかった。市場では「来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)や大型ハイテク企業の決算発表を控え、一部の投資家は慎重になっている」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との見方があった。

インテルは11.9%安で終えた。前日夕に23年10〜12月期決算と併せて示した24年1〜3月期の売上高見通しが市場予想を下回り、嫌気した売りが膨らんだ。他の半導体株にも売りが波及した。

個別では、航空機のボーイングやホームセンターのホーム・デポ、製薬のメルクなどが買われた。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスも高かった。朝発表の四半期決算と併せて示した1株利益見通しが市場予想以上だった。半面、スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトといったハイテク株の一角が下げた。建機のキャタピラーや金融のゴールドマン・サックスも売られた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は7営業日ぶりに反落し、前日比55.132ポイント(0.35%)安の1万5455.364で終えた。画像処理半導体(GPU)のエヌビディアの下げが目立った。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は7営業日ぶりに反落し、前日比3.19ポイント(0.06%)安の4890.97で終えた。

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