米国株、ダウ続伸し554ドル高 消費懸念の後退で S&P500種は急落前の水準を回復

米国株、ダウ続伸し554ドル高 消費懸念の後退で S&P500種は急落前の水準を回復

米国・欧州株概況

2024年8月16日 5:49

【NQNニューヨーク=川上純平】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比554ドル67セント(1.38%)高の4万0563ドル06セントと7月31日以来の高値で終えた。同日発表の7月の米小売売上高が市場予想を上回ったほか、小売り大手の決算発表をきっかけに大幅高となった。米経済の大半を占める個人消費が減速するとの懸念が後退し、景気敏感株を中心に買いが入った。

7月の米小売売上高は前月比1.0%増と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(0.3%増)を上回った。自動車・同部品を除くと0.4%増となり、これも市場予想(0.1%増)以上だった。市場では「米経済がソフトランディング(軟着陸)するとの予想に沿った内容だった」(バンク・オブ・アメリカのアディティア・バーベ氏)との指摘があった。

小売り大手のウォルマートが大幅高となったのもダウ平均を押し上げた。15日発表の2024年5〜7月期決算は売上高が市場予想を上回った。非必需品の売れ行きが上向きつつあるといい、小売売上高とあわせて個人消費が底堅いとの見方につながった。アマゾン・ドット・コムにも買いが入った。

米株相場は景気の悪化懸念で売りが膨らんだ8月上旬の急落局面から回復しつつある。多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数は前日比88.01ポイント(1.61%)高の5543.22で終え、急落前にあたる7月末の水準を上回った。

そのほかの個別では、シスコシステムズが急伸。四半期決算が好感された。著名投資家ビル・アックマン氏が率いるファンドによる新規取得が判明したナイキも上昇した。ボーイングキャタピラーなど景気敏感株も買われた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下げた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸した。前日比401.895ポイント(2.33%)高の1万7594.496と7月31日以来の高値で終えた。エヌビディアやテスラが上昇した。

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