米国株、ダウ512ドル高で最高値 来年の利下げ期待強まる ナスダック続伸

米国株、ダウ512ドル高で最高値 来年の利下げ期待強まる ナスダック続伸

米国・欧州株概況

2023年12月14日 6:34



【NQNニューヨーク=川上純平】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比512ドル30セント(1.40%)高の3万7090ドル24セントで終えた。2022年1月に付けた過去最高値を更新し、3万7000ドル台に乗せた。米連邦準備理事会(FRB)は13日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を5.25~5.5%に据え置いた。2024年に利下げに転じるとの予想を示し、米経済の先行き不安が和らいだことから買いが膨らんだ。

FRBがFOMC後に公表した参加者の政策金利見通しは24年末が中央値で4.6%だった。現在の水準からみて0.25%の利下げ3回分に相当する。25年末には3.6%とさらに引き下げる見通しだ。FRBの利上げ局面が終了し、今後の利下げが米経済を支えるとの見方が米株の買いを誘った。

FRBのパウエル議長の記者会見が始まると、ダウ平均は上げ幅を拡大した。パウエル議長は「インフレは失業率の大幅な上昇を伴うことなく緩和してきた」との認識を示した。「我々は政策金利が今回の引き締め局面のピークか、それに近い水準にあると考えている」とも述べた。市場では「24年はインフレを抑えつつ経済成長を加速させることができるとの期待が高まった」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声があった。

24年内の利下げ観測を背景に米長期金利は急速に低下。一時は4.00%と8月以来の低水準を付けた。金利の低下で株式の相対的な割高感が薄れたのも買いを促した。

ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスやホームセンターのホーム・デポ、化学のダウの上昇が目立った。半面、通信のベライゾン・コミュニケーションズやIT(情報技術)のIBMは下げた。

ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸した。前日比200.567ポイント(1.38%)高の1万4733.964と22年1月以来の高値で終えた。半導体のエヌビディアや動画配信のネットフリックスが上昇した。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は5日続伸。前日比63.39ポイント(1.36%)高い4707.09で終え、22年1月以来の高値となった。

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