米国株、ダウ349ドル高で最高値 予想以下のCPIで ナスダックも高値
米国株、ダウ349ドル高で最高値 予想以下のCPIで ナスダックも高値
2024年5月16日 5:37
【NQNニューヨーク=川上純平】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比349ドル89セント(0.88%)高の3万9908ドル00セントで終えた。3月28日以来、約1カ月半ぶりに最高値を更新した。15日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る伸びにとどまった。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを先送りするとの懸念が後退し、主力株に買いが入った。
CPIは前月比の上昇率が0.3%と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(0.4%)を下回った。食品とエネルギーを除くコア指数は前月比で0.3%上昇と3月の0.4%上昇から減速した。物価上昇の勢いが鈍化しているとの受け止めが広がり、FRBが年後半に利下げに動くとの観測が広がった。
市場では「利下げの時期を見極めるには今後の経済指標を考慮する必要があるものの、ひとまずCPIの上振れが避けられたことから投資家心理が上向いた」(シーミス・トレーディングのジョセフ・サルッジ氏)との声が聞かれた。15日発表の4月の米小売売上高が低調な結果となり、需要の伸び悩みが物価上昇率の低下につながるとの見方もあった。
米債券市場では、長期金利が4.3%台半ばと前日終値(4.44%)を下回っている。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に相対的な割高感が薄れたとみた買いが入ったのも相場を押し上げた。ダウ平均の構成銘柄では、セールスフォースやマイクロソフト、アップルが上昇した。
そのほか、ホーム・デポやアムジェン、メルクも上昇した。半面、ウォルト・ディズニーやナイキは下落。ボーイングにも売りが出た。米司法省が同社製航空機の墜落事故を巡る和解事項に違反しているとの判断を示し、嫌気された。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比231.210ポイント(1.40%)高の1万6742.390と連日で最高値を更新した。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の上昇が目立った。
多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数は前日比61.47ポイント(1.17%)高の5308.15で終えた。3月28日以来の最高値更新で、初めて5300台に乗せた。
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