米国株、ダウ続伸し78ドル高 利下げ観測の高まりが支え ナスダックは反落

米国株、ダウ続伸し78ドル高 利下げ観測の高まりが支え ナスダックは反落

米国・欧州株概況

2024年6月7日 5:49

【NQNニューヨーク=稲場三奈】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比78ドル84セント(0.20%)高の3万8886ドル17セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が根強く、投資家心理の支えとなった。半面、前日にハイテクや半導体関連株を中心に上昇した後で、利益確定の売りは重荷となった。

朝発表の週間の新規失業保険申請件数は22万9000件と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(22万件)を上回った。労働市場の過熱感が薄れていることを示す雇用指標の発表が相次いでおり、FRBが9月に利下げ転換するとの観測が広がっている。市場では、「(あす発表の)5月の米雇用統計発表への期待が高まった」(インディペンデント・アドバイザー・アライアンスのクリス・ザッカレリ氏)との声が聞かれた。

欧州中央銀行(ECB)は6日の理事会で4年9カ月ぶりとなる利下げを決めた。5日にはカナダ中銀が利下げに踏み切り、FRBも主要中銀の流れに沿う形で政策金利を引き下げやすくなるとの見方もある。

ダウ平均は小幅に下落する場面があった。前日にハイテク比率の高いナスダック総合株価指数と多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が過去最高値を更新した。ダウ平均の構成銘柄ではないが、前日に過去最高値を付けたエヌビディアには目先の利益を確定する売りが出た。ダウ平均の構成銘柄ではアップルが下落した。

その他の個別では、ナイキやシェブロンが上げた。メルクやトラベラーズといったディフェンシブ株の一角にも買いが入った。アクティビスト(物言う株主)が株式を追加取得したことが明らかになったセールスフォースも高かった。半面、ゴールドマン・サックスキャタピラーは売られた。

ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日比14.784ポイント(0.08%)安の1万7173.121で終えた。メタプラットフォームズなどが下げた。

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