寂しさにぶっ刺さった曲たち

 私は結構な寂しがり屋だと自負している。環境の変化があると寂しくてたまらなくなるし、ほとんど毎日何かを寂しがっている。そんな日々を送っていると、寂しさに寄り添ってくれる作品が欲しくなる。精神的な自傷行為のように思えるかもしれないが、そうではない。そのような作品に触れることで、私は大切な関係性や出来事が確かにあったことを思い出せる。それらの記憶がまだ残っていると確認できる。このことが寂しさを紛らわすために大事なんだと思う。
 ということで今回は、私の寂しさに刺さった曲たちをいくつか紹介してみます。
 



113号室 /PEOPLE 1

 この曲を聴いたのは卒業シーズンで、その時の私は1つ上の先輩方がいなくなってしまうことが寂しくて心許なくてたまらなかった。でもこの曲は別れの寂しさというよりはむしろ、夢を追う人の抱える孤独感や、やるせなさを描いているものだと思っていて、私の状況との共通点は少なかった。けれど、この曲の感情や感覚は私の心の柔らかい部分にザラッと入り込んでしまったので、1週間くらい毎日聴いては泣いていた。泣くために聴いていたのかもしれない。
「僕はただずっと君とゲームをして勝ったり負けたりしていたいだけなんだけどな」


harmonized finale /UNISON SQUARE GARDEN

 ピアノで始まるイントロがとても優しい曲。私にとっては、たまらなく人恋しくなると頭の中で流れることでおなじみでもあり、この曲を聴くとちょっとだけ気持ちが前向きになる。大切な人と離れてしまうことは避けられないけれど、いつかまた胸を張って会えるように私は私で生きていくね、と思える。自分で自分を鼓舞してるフシがあるらしい。
「ずっと続けばいいな けど終わりが近づいてるのもわかるよ」
「君を追いかけるよ その未来まで」
 UNISON SQUARE GARDENの歌詞は、自立した自分であろうとする私の背中を押してくれるのでいつも励まされています。UNISON SQUARE GARDENよ、永遠なれ。


もう君に会えない /UNISON SQUARE GARDEN

 大切な人を失ってしまったことをダイレクトに描いた曲。身近な人を亡くしたあとに聴いたら、思い出や公開や感謝やその他諸々がぶわっと溢れ出してきた。それ以降はパブロフの犬のように、この曲を聴くたびに泣くようになってしまった。私にとって大きな存在だった人がいなくなったことも、その人の記憶が風化していくことを実感するのも寂しい。これから先、誰も失いたくないなあ、忘れたくないなあ。
「つなぎとめてくれないか この気持ちが残り続けるんだって信じたい」


Lemon /米津玄師

 ものすごく流行った歌だなーとしか思っていなかった。あるときふとライブ映像を見てみたら歌詞がじゅわーと染み込んできて、冒頭から涙が出てきた。大切な人はもうここにいないけれど、残してくれた記憶はかけがえのないものだったな、と思った。
「戻らない幸せがあることを最後にあなたが教えてくれた」


オン・マイ・オウン /レ・ミゼラブルより

 レ・ミゼラブルの劇中歌。劇場版では雨が降りしきる夜にエポニーヌが歌うシーンが印象的だった。マリウスはコゼットに想いを寄せていて、決して自分を愛することは無いのだと悟ったエポニーヌの切なさや寂しさが、私の感情にも重なるように感じられる。私はこの歌を聴いてエポニーヌの虜になった。サマンサ・バークスはウエストが細すぎてびっくりする。


おわり。

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