小林 一毅さん個展「Play Time」の感想文


小林 一毅さんが金沢広坂で個展を開催するということをInstagramで知り、TORIさんに訪れた。

01. 「Play Time」


展覧会の名前は「Play Time」


https://paperc.info/event/19155

グラフィックデザイナー・小林一毅の個展
「Play Time」が、8月6日(土)よりATAKAに巡回|PaperC


名前の通りとても遊び心のある展示だった。


TORIさんに入ると、小林さんが親切に展示内容や展示に至るまでの経緯などを説明してくれた。
話をする姿をみて、あぁ、温かみのある人だなぁと思いながら説明を聞いた。


どの作品も手に取って遊べるということで、早速「熊の積木」という作品で遊んでみた。

「熊の積木」は一見簡単に組むことができそうな積木だったが、いざ組み立てを行うと中々上手くいかず難しかった。

自分で手を動かすということがいかに難しいのか。

何にでも言えそうな気がする。側から見ると、「簡単にできそうじゃん。」と思えるようなことは、いざやってみると案外難しい。

そこでどうやって挫けずに向き合い続けることができるのか…

積木で遊びながらそのようなことを考えてしまった。

純粋に楽しもうとする気持ちとかけ離れてしまったことが少し悔やまれる。

無垢な気持ちで遊べる余裕が欲しかったな。


積木を組むのに苦しんでいる中、小林さんをはじめ皆さんが温かい声を掛けてくださり安心した。

結局、ヒントという名の答えを頂き、無事に組み立てることができた。


その他の作品も遊び心のある玩具であった。

小林さんの作図が紙から飛び出てきたような玩具は丁寧な造形をしていた。職人さんと長い時間を掛けて作り上げた作品だと聞いて納得した。


うん、乾杯。


なぜか自分の中で乾杯してしまっていたが、流石に口には出せなかった。


02.質問コーナー


聞きたいことはありますかと聞かれたので、

早速小林さんの記事を読んだことを思い出して聞いてみた。

会社員として働きながら、
自主制作を続けるモチベーションをどのようにして維持していたのか?(今は独立されている)

おこがましいが、自分自身が会社員として働きながら絵を描き続けているため、
参考にさせてもらおうと思った。


小林さんは、質問に答えてくれた。


当時、小林さんは資生堂のデザイナーとして働いていて、残業が多く会社の業務としての制作を主にしていたらしい。
そのような状況の中、資生堂のデザイナーとして向上しても、自分自身はどうなのかと考えたらしい。

もしも資生堂デザイン室が解散したとき、小林 一毅として何が残るのか。


当時の先輩の中にも同じような事を言っている人がいて、自分がこんな事を言う未来は嫌だなと思われたそうだ。


それが原動力となって始まった自主制作。


ただ漠然と始めるというよりは、一年ごとに課題設定をして始めたそうだ。計画力が凄い。漠然と何かに取り組むことはしなかったらしい。見習わないといけないと感じた。(ちなみに4年で独立することを決めていたらしい。覚悟の化身。)

社会人になると、大学生の時とは違って、身近に切磋琢磨し合える仲間が中々いないため、SNSに投稿していたそうだ。投稿することで自分はサボっていないぞという証明にもなる。投稿は続けているなという証になるみたいだ。

自分も大学時代に出会った人たちに忘れられないよう、投稿しようと思えた。

他にも、いいねが多くついたり、少なかったりなどの反応もあることで、それを分析してなぜ多かったのか少なかったのかと考えながら投稿されたそうだ。

当時は周りから怖いと言われるくらい取り組んでいたらしい。凄い。
それ程の覚悟というか決心がないとなぁなぁになってしまうのかなと感じた。


しかしSNSに投稿するだけでは、情報として流されやすいため、実態の伴った活動も重視されたそうだ。

展覧会を開催したり、作品集を作り置かせて貰うなど。

確かに実態が伴うことで、誰かと接点が生まれ情報とは切り離されるなと思った。経験したことは記憶に残りやすいし…


小林さんは自主制作として家紋帳を作成されたと話していた。この時は何のことか分からなかったため、後から検索をして小林さんの家紋帳を知った。完成度が高くて驚いた。実際に見てみたいなと思った。


参考にした家紋帳には132個の家紋が載っていたため、
それのパロディで132個家紋を作ったそうだ。

とてもハードな作業だと思って聞いていたが、ゴールの見える設定にすることで続けられたそうだ。132という数字は十分多いので続けることには根性がいるなと思った。数もだけど完成度も高いし。

色々お話を伺う中で、強い覚悟が言葉の節々から滲み出ていた。
小林さんが計画力と根性を兼ね備えた超人のように見えてしまった。


03.原画


色々聞いたことを踏まえて、原画を鑑賞。
アイボリーカラーのKケント紙に描かれた作図は、丁寧な作業がされているなと線から感じ取ることができたし、何より美しい。

美しいと思えるものに出会えた時は、理屈はどこかへ飛んでいき、反射的美しいになるのだなと思った。

特に12星座の原画に食いついてしまった。
nowakiイラスト講座で、12星座の課題に取り組んでいたこともあって特に意識して見てしまい、もう一度自分の描いた12星座を見直して再チャレンジしたいなと思った。

原画にはホワイトで線が修正されている原画もあり、アナログならではの手作業を感じ取れた。

どこかホワイトを使用することはダメだと思い込んでいるところもあったため、アナログ作業に着手できていなかったけどハードルが下がった。アナログにもチャレンジしようと思えた。


04.最後に


小林さんの個展は自分を見つめ直すのに良い機会となった。
感想文で終わらせずに、真似できるところは真似をしていきたい。

まずは書き溜めたネームを整理して、発信していきたいな。








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