ダンスとヨガは呼吸が逆

ヨガ (ストレッチ) では腹式呼吸を基本として、吸うときに呼吸を巡らせ、吐くときに伸びます。一方ペアダンスでは、吸うときに伸びます。そして吸って溜め込んだエネルギーを、吐くときに解放します。

ヨガの腹式呼吸では、吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにお腹をぺったんこにします。一方ペアダンスでは、吸うときにお腹をへっこませ (伸びるから)、吐くときにお腹を膨らませます。

ヨガの腹式呼吸では副交感神経が優位になるので、リラックス効果があります。一方ペアダンスの呼吸は交感神経が優位になり、より活動的になります。

ペアダンスをするときに腹式呼吸をすると、うまく伸びれなかったり、相手とタイミングのずれを感じることがあるかもしれません。音としても伸びる音と解放する音がありますので、呼吸を考えながら音を感じてみるとよいでしょう。

音楽とダンスによっては表の音をとったり裏の音をとったりするので、どっちで吸ってどっちで吐いてとは一概には言えません。一例として、ワルツは1が吐く音で、2・3が吸う音 (伸びる音) です。

アルゼンチンタンゴ は見た目としては平坦に踊っているように見えますが、テンションの上げ下げは常にあります。例として、サリーダに行くときの横に一歩でるのが吸う音 (伸びる音) で、その次の男性前進の一歩が吐く音 (解放する音) です。女性をクロスに入れる音も吸う音です。

音と呼吸は、自分なりの表現を見つけるというよりは、音楽とダンスの組み合わせでだいたい一意に決まります。音楽を聴きながら呼吸探しをしてみると楽しいですよ。

呼吸は「腹式呼吸が健康にいい」と広く思われがちですが、ストレッチに向いた呼吸、ダンスに向いた呼吸、各種スポーツに向いた呼吸、疲労回復に向いた呼吸などさまざまです。分野ごとに呼吸を学んでみるとさらなる上達につながるはずです。

また、ペアダンスは慣れない間は呼吸が止まりがちです。相手に呼吸が伝わるのが恥ずかしいとか緊張してるとかが原因ですが、呼吸が止まると体が固くなって動くにくくなりますので、最低限、ふつうの呼吸はするようにしましょう。

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