見出し画像

〈ダーナ・インタビュー〉自然は教科書だから生きることを教えてくれる。|アカリ

 秋を迎える準備はもう始まっている。栗の木がまだ青いイガグリのなる枝をしならせる。福島県西会津町からDana Village インターンのナツミがお届けします。

 今のような夏の暑い時期、朝4時半から日の上がる頃までせっせとお野菜の収穫が行われます。お野菜たちは思う存分に葉を広げ、つるを伸ばし、「実がなったよ!」と声を上げるように綺麗に色をつけます。それはまるで宝探しのよう。汗を流しながらも、その声を聞き逃さぬよう大切にすくい上げていくのです。

   今回のお話相手は、調理ボランティアとして1週間滞在していたアカリちゃん。この地球に生きることを真剣に素直に考える彼女が、この大地から受け取ったメッセージとは何か。自然の教えをひとつひとつ学びとして捉えていく思考の豊かさをお伝えしていきます。


アカリちゃん

アカリちゃん / 調理ボランティア
普段はIT系のお仕事をリモートワーク中心に行っている26歳。
ストリートダンスを趣味に持ち、エネルギーの溢れる明るさ。


自然と歩調を合わせて自分を見つめ直す


ーDana Villageに来たきっかけは?
友達から勧められて来ました。「アカリに絶対合うよ」って!

自分は地球や宇宙と繋がることを大切にしていて、自然が大好きで。あとは食への関心が高くて、ヴィーガンを取り入れたり、添加物を控えたり、農薬のことを調べたりしています。お野菜も美味しいし、夏は夏野菜をたくさん収穫できるから絶対楽しいということを、仲良い宇宙人のような友達がオススメしてくれた感じです。

ーお友達も実際に来てみて、心の底からそう感じたんだろうね。アカリちゃんはDana Villageで7日間過ごしてみて、自分に合っていると思いますか?
合っていると思う!(寒いのは苦手なので)夏はね。

ーどんなところが自分にとって心地いいと思えましたか?
すぐそばに畑があって、閉塞感がない感じがどこまでも広がっていること。周りが山に囲まれているから、囲まれている安心感みたいなものもある気がしていて。緑だけじゃなくて、川もあるから清まって潤う感じも味わえるし、この土地のエネルギーはこの土地にしかないなぁと感じられます。

都会だと土や山を感じて、新鮮な空気を吸ってみたいなことがなかなかできないから、地球と繋がって生きたいと思っている自分には結構ぴったりだったと思います。

Dana Villageすぐそばのある日の景色

ーダイレクトに自然のパワーを感じられるところがぴったりだったんだね。そんななかでアカリちゃんは調理ボランティアとして過ごしながら、自分のお仕事もこなすワーケーション滞在でしたが、この環境だったからこそ気づいたことはありますか?
普段は実家暮らしというのもあって、全然料理はしていなくて。でも本当は時間がないだけというか、作ろうとしていなかっただけ、意識を向けていなかっただけだなと思いましたね。

(今までは料理に対して)うまくやらなきゃいけないとか、この料理ならこう切らなきゃいけないとか正解を求めていたけれど、限られた時間の中で「まずはやる」ということができてよかったです。もちろんみんながサポートしてくれたんだけど、(料理が)自分でできたというのが私の中では大きな成功体験になったんじゃないかなと。経験値は間違いなく上がりました!

ー珍しいものも多いから、少し戸惑うんだけど、どれも素材が美味しいお野菜ばかりだからね。美味しくいただくまでの調理の時間も発見がいっぱいだったんだね。
何に似ているかなとか、どう使えるかなと考えるのが、結構シンプルだと思いましたね。あと土鍋でご飯炊けるようになったから、これはどこでも使えるスキルで嬉しいなって。ちょっと焦がしちゃったけど。

ーお仕事しながら過ごした時間も結構長かったと思いますが、ここで過ごした仕事時間はいかがでしたか?
集中する時は集中してやれたけど、結構リラックスした気持ちで仕事ができると感じて。(環境が)閉鎖的じゃないし、普段自分の家で働いている時は、自分の部屋にこもっているから、肩や首に力が入っていたのかなと気づきました。

あとは仕事とどう向き合いたいかとか、どのくらいのエネルギーでやりたいのかとかも感じました。

ー具体的には?
力まずに仕事しようという感じ。たぶん都内で仕事をしていると、頑張っちゃってエネルギーがキュって固くなるんだと思う。

ここではそれがリラックスしている状態だから、力を入れなくてもできる量でいいやって。量に対してどこまで質を高めるかを、きついところじゃなくて自分の心地いいところでやろうという線引きができた。この自分の感覚の周波数が自然の周波数に合うんだと感じました。

木も、花も、人も日の光をいっぱい浴びて

自然と繋がる、地球と繋がる


ー仕事以外にも気づいたことはありますか?
農薬を使っていないお野菜をお腹の中に入れることがやっぱり大事だなと。ここに来て新月の日にきちんと生理が来たんです。それが自分の場合、自分が宇宙の一部になるということをすごく感じられて。特に女性には、この場所に足を運んでみてもらって、ちゃんと栄養のあるお野菜をお腹の中に入れるということをやってみてと思います。

ー身をもって体験するかどうかで感じられることの幅がまるで違うもんね。7日間の滞在はあっという間で短かったと思うけど、たくさん気づいたことがあったんだね。
うん。あとご縁の奇跡を感じました。やっぱりこのタイミングで来ているという出会い。出会いの引き寄せがあって、それによって自分の愛も改めて感じさせてもらえるご縁に出会えました。その時も学びと気づきがあったり、可能性の広がりをまた感じられたりしました。

ー実際に足を運んでいる者どうしだから深まる話もあるだろうし、お互いに気づきを与え合えることもあるね。だから私もこうやってみんなに話を聞くことが、誰かに届けられる言葉になるんじゃないかと思えているんだよね。
うんうん。

(大自然を写真に収め続けるアカリちゃん)すごーい!

ーアカリちゃんが来たばかりの頃、一緒にお散歩した時も大自然を前に興奮していて、帰る頃にはどうなるかなと思っていたけど、いい意味で何にも変わらなかったね。時間が経つとか経たないとか関係ないよね、この景色は。
うん、毎日感動できると思う。

自分がここに生きる意味が鮮明になる


ー自然がただここにあり続けてくれるということ自体に感動できるよね。
美農里さん(ダーナビレッジ代表)や光さん(美農里さんの父)の生き方や地球に対する考え方とか、いのちに対する考え方とか、それが論理を語るだけじゃなくて生活の中で実践していることが説得力でしかないと感じられて。改めて自分にできることをやっていけば、その先に未来がちゃんとあるんだと思いました。

自分はこういう地域の農家さんたちが繋がり、自然と繋がる小さいネットワークを作っていきたくて、全国各地にそういうところがあったらいいなぁと考えています。だから旅をしながら人と人とを繋いで、宇宙と繋がっていく人のご縁の輪を広げていきたいと改めて思いました。

猪苗代湖で行われたサマスカ2022にて

ー美農里さんとお話ししながら、共感したり、ハッとさせられたりしたエピソードはありますか?
美農里さんと話していたんだけど、光さんは70歳超えてからも残りの命を地球環境のために使いたいという想いで、今農家をされていて。いくつになっても選択肢って平等で、自分がそう思って行動さえすればたどり着けるし、本当にやりたいこと全部できるんだということを再確認できました。

(光さんは)メロンを育てているけど、通常は間隔を10〜20センチしかあけずにできるだけたくさん植えるけど、ここのハウスは120センチあけていると言っていました。メロンにとって葉っぱやつるが全て伸びた状態が一番エネルギーが出るから、実も美味しくなると言っていて。

それは人間も同じだなと思ったんです。都内のぎゅうぎゅうな満員電車に乗っていても自分のエネルギーなんて縮こまるし、十分に発揮できない。会社とかもそれに近いところが結構あるんじゃないかなぁと思います。自分自身がエネルギーを最大限に発揮できる状態を知っておくことや、発揮できる場所があるということを知ることの大切さを自然を通して感じました。

あとは他では当たり前に農薬を撒いて除草するけど、ここではトマトの周りに生えているヨモギの葉をあえて抜かないことで、アブラムシを食べてくれるてんとう虫がヨモギの葉に集まってくれて、実が天敵から守られるという調和が保たれている。それが支え合いでしかなくて、人間にも当てはまると思いました。

誰一人として価値がない人はいないし、それぞれが持つポテンシャルをお互いに発揮し合うからこそ生きていける関係性が築けると思いましたね。

ー自然から感じたことを、私たち人間に置き換えて考えを深めたんだね。
自然は教科書だと改めて感じられました。(ここでの暮らしは)地球と繋がるということをダイレクトに感じられるから、本当に地球の一部として自分が生きているということに対して説得力がありました。

大地との一体感を得られて、本当に一人で生きている人なんていないと心から思いました。会社や所属するコミュニティで、生きづらさを感じている人がいるかもしれないけれど、この地球があるから委ねて大丈夫だということをすごく感じた。そこは再確認できた点でしたね。

ー自然を通してたくさんのことに気づいて、考えが深まったアカリちゃんは今どんな感情が湧いていますか?
「また来ます」という気持ちと、ここで学んだことをどんどん皆にシェアしていくことをやっていきたい。さらに自分自身も磨いていきたいと改めて思っています。人をここに連れてきたいから、10月にリトリートを企画してやろうって思っています!

ーわぁ、楽しみだね!アカリちゃん、Dana Villageで自然から豊かに感じ取ったお話を聞かせてくれてありがとう!


 ここへ来た時も、帰る時も、そのよく通る声で「すごーい!」と何度も何度も自然から受け取れるものを全身で味わっていたアカリちゃん。彼女の話をよく聞くまでは、そこからこんなに柔軟に学びを得て、地球に生きる自分たちへ活かそうとしているとは知り得ませんでした。

 自然が教えてくれるものは数え切れないほどあります。ただそこに正解はなく、私がこの目で見て、耳で聞き、香りを楽しみ、ありがたく味わい、触れてみたことが私だけの学びになるのだと思います。Dana Villageでは自分がその五感を開放さえすれば、贈られるもので溢れている。改めて感謝の気持ちを胸に、日々を味わいながら生きていこうと思いました。

・・・

前回までの記事はこちらです。


・・・

『本来の自分らしさを取り戻そう』

Dana Village(ダーナビレッジ)は健康回復と自己発見をテーマにした体験型宿泊施設/農的暮らしを共にするコミュニティです。
福島県西会津町に位置しています。

◉有機農業をベースにした持続可能な暮らし
◉健康回復食(エシカルヴィーガン)
◉自然治癒力、回復力を高める生き方の実践

この3つを柱とし、現在はオーガニックメロンや農産物の販売、宿泊、ボランティアやインターンの受け入れを中心に活動しております。

通常の滞在 : 8,500〜
短期間のお手伝い型滞在: 3,500〜
2週間以上のフルタイムボランティア、インターン: 滞在費、食費無料

バイオダイナミック・クラニオセイクラル・セラピー: 初回12,000(2回目から8,000)

代表によるホリスティックヘルス塾: 5,000

アクロヨガWS(滞在者のみ): 3,500

*詳細、申込みは こちら から。

セラピーやアクロヨガのワークショップをご希望の方はご予約時にご連絡ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?