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アイマスギャルゲー『近きに遠き 幾重に恋に(通称にに恋)』レビュー

※このギャルゲーはフィクションです
※全員のルートのネタバレがあります!

いやぁ~~~~、最高のゲームでしたね。にに恋!
前回、前々回に続いて神ゲーでしたわ。ヒットしか打てないのか!?

システムは今まで同様基本的にマップ選んで個別√入っていく設定なのですが、
今回ヒロイン絞ってるしどうなるのかな~って思っていたんですが……
まさかのW主人公、しかもどちらの主人公でも全ヒロイン攻略できるって豪華仕様!やったね!

W主人公って攻略可能なヒロインも固定されてる場合が多いから嬉しかったですね~。
主人公が変わるとヒロインたちの魅せる表情が全然違うのが嬉しい驚きでした。
ってかまったくシナリオ違う!ヒロイン5人で二人分の√あるので実質10人分なんじゃないスかね?
一人ひとりの√は若干短めではありましたが、満足感はとても高かったです。

皆さまにもどうしてもプレイしてほしくて感想を書きました。
今回はネタバレ要素薄めだけど要素はバシバシ書いていくかも?です。
どうぞよろしくお願いいたします!!!

〇ストーリー

 その日、二通の連絡が届いた。

 一通はプロデューサーから、近々他事務所と合同での仕事が始まるので打ち合わせをしたいというメール。
 そしてもう一通は――かつて暮らしていたの生家からの手紙。

 男は、自身の夢を叶えるため、その場所を捨て世界へ飛び出した。
 男は、自身の定められた"役割"を果たすため、その場所を離れた。

 今は離れた場所に戻り、日々自身の仕事をこなすなかで出会う女(ヒト)たち。
 新たな出会いを果たす中、運命の道行きが変化していく。

 幾重にも重なる出来事の中で、"彼"の行く道はどのようになるのだろうか――

みたいな感じですが、まあそこまでがっつりシリアスではない!
むしろラブコメ的な要素がけっこう強いのでは?まあ各主人公たちの実家問題とか絡むのでコメ一点張りではないです。

主人公たちは最初にどちらの主人公を選べてあとはマップで選んでいく感じで√に入る形でした!
番組とかの仕事で共演したりレッスンのビルとかが共有なのはアニメ準拠なのかな少なくとも。
前回と比べ過去作品を想起させる~みたいな描写はないものの、
あ、ここはアイチャレのヤツかなみたいなヤツとかグリマス極道イベだ!とかそういう部分でニヤって出来る部分が多かったです。
あとはパーソナルな部分があるのでデレ陣はぷちデレラからも拾ってきている設定がありました。

〇主人公(神谷幸広、葛之葉雨彦)

二人居るでまとめて書くよ!

神谷はルート入る前だと迷子になったりちょっと情けない一面を見せる部分が多いんですけど
いざという時に主人公らしさを発揮するの、古き良きギャルゲーって感じでよかったです。
作話の都合だとは思いますが、神谷ゲーム作中だとまだ両親とぎくしゃくしている時代ですね。
高校卒業と共に家を飛び出した部分を「広い世界を見てた視点を持つ」と取るシナリオと
「家族との関係から目を逸らし逃げ出した」と取るシナリオがあるのがさ……ヒエ。
あと神谷、愛情表現が人類を愛するみたいな雰囲気だしギャルゲ主人公……出来るのか?って思っていましたが、
親愛の好きから恋愛感情の好きに変化した後、攻め方がかなりストレートで照れちゃいました。

雨彦は割と本人がミステリアスだから、小娘たちを翻弄しつつも本人が触れられたくない所は引く感じなんだよな~。
だから意外にも時折ヒロインムーヴというか、女子たちに攻略されておる……!って雰囲気が強かった。
自身の感情を定義づけずに言葉にしないフシがあるので、「さて……どうだろうな」みたいな誤魔化し方するんですが
きちんと言葉にして欲しい系ヒロインに詰められ、時折逆転されていていいぞいいぞ~ってなった。カウンターに弱い。
にに恋だけの設定ですが、葛之葉の家が何百年とお家で今現在も奈良に本家(雨彦もかつてはそこで暮らしてた)、
顔も見たことに婚約者がいる設定っていうの……いいですね。いいとこのボンって感じで。
まあこの設定がっつりストーリーに絡むのとあるヒロインの√だけなんですけどね!!

いざという時に攻めることが出来、ヒロインズを包み込むような強さのある神谷と、
いざという時に一歩引いてしまいヒロインズに付け入るスキを与える弱さのある雨彦は
意外とこの二人は正反対な主人公ズなのかもしれませんね…。

〇小早川紗枝√

さえはんのシナリオは、番組で何回か共演して顔見知りになった後に個別√に入るって流れなんですが、
偶然にも婚約者がいる……って耳にするところまでは一緒なんですが、そこからの展開がもうね!
皆さまプレイしているから分かると思うんですけど、婚約者は雨彦なわけですが解決のさせ方がね!いいのよ!

神谷編では徐々に惹かれていくんだけど、恋愛感情と、自身の家を背負わなければいけないとい気持ちからつい

「……うち、遠いところに連れていってくれはります?」

とか言っちゃうんですよねー。紗枝はんの見せる弱さ!!ってなって神谷が何て答えるのかな……ってなったら

「それは……出来ない」
「きっとここで逃げたら、君は一生後悔することになるからね」

って言って紗枝の手を取って小早川家の実家に殴り込みをかけるのはアツかったですね~!
ちゃんとスジ通して婚約解消⇒健全なお付き合いを開始してみんなHAPPYなEDになってくれて安心しました。
名前までは出てきてないけど、雨彦も婚約解消に暗躍したっぽい描写もありましたね。

で、一方の雨彦編では、KBYDメンツと共謀して婚約を解消しようと付き合っているフリをするみたいな話に巻き込まれる
みたいなシナリオになるんですが、この時点で雨彦は婚約の話を知ってるクセに何も言わないんですよ。
で、実家に行ったら案の定「上手く言ってるみたいで安心しました」的なことを言われるんですね。

「……知っとったなら、教えてくれてええんちゃいます?」
「聞かれなかったから、答えなかっただけさ」

みたいなからかう感じから始まって徐々に惹かれていくのいいですね……実にいい。ってなった。
あと、雨彦のバイクで2ケツする前に「こないに脚開くの、恥ずかしい!」って言ってて恥じらいカワイイってなりました。


〇藤居朋√

ふじとものシナリオは若干ギミックがあり、特定の会話を回収できないと√に入れない仕様。
そのせいで何回かノーマルEDにいってしまったぜ……

雨彦は共通ルートで『星見と占い』の話が出なきゃ√に入れない仕様になっているらしく
占いがかなりウェイトを占めるシナリオ。でも占い依存を諫めるみたいな感じではなく良かった~。

ふじともが大事なオーディションを前にめっちゃ占うけど血液型占いも星占いも何もかもが最下位で
更に不幸な出来事が重なりもうダメ……ってなってその時につい弱音を口にしちゃうんですね。

「あんなに頑張ったのに……みんなに手伝ってもらった全部が、無意味になっちゃう」
「またあたし……不幸なあたしに戻っちゃうかもしれない」

みたいなカンジで少し錯乱したふじともを見て、肩を抱き寄せながら雨彦が、

「お前さんの道行は、未来は輝いてるさ。努力が運命を引き寄せてるのが見えるからな」

とか言いつつ、ラッキーアイテムと称して折り紙で作ったお守り差し出すの良かったですね。
でもそれがオーディション後に黒焦げになって灰になったのを見ると、"何か"からふじともを護ったのかもしれないですね。
まあ本編ではそこまで語られなかったので、全部妄想なワケですが……。

一方で神谷だと、パワーストーンとかパワースポットの話が強かった。
神谷が世界を放浪していたせいか、妙に鉱石とかの話に詳しかったりしたのがお前そんな面もあったのか……ってなった。
EDでは神谷の案内で世界のパワースポットに向けて旅立つ!みたいなEDなんですが
迷子スキルある神谷とふじともを二人旅させるの不安だな……ってなった。ま、まあ大丈夫だよね、幸運とかあるし!

個人的に神谷の持っていた石が、メキシコ産のオブシディアンの石だったっていうのも運命的ですね。
弱点を克服して、新しい才能を開花させて新たな未来を切り開くわけよ……
ただしこちらも神谷がメキシコで追いはぎされた話を出さないと個別√に行けない仕様になっている。
私はいつものメキ剥ぎって感じだったが、M初見のプレイヤーはドン引きしていたのが印象的です。

〇横山奈緒√

奈緒シナリオはグリマス懐古民としては雨彦のシナリオが印象的でした。
雨彦の"掃除屋"話とグリマス時代の話を混ぜこみました!ってやりたいことが理解できる感じで。

個別√に入ると、奈緒が急に遅刻をしたりドジしたりし出すんですね。
最初はプライベートとかレッスンだから~って笑ってみてられたけど、どんどん仕事にも支障を出しかねないカンジで。
雨彦のウワサを聞いた765のPから奈緒を"視る"ことを依頼されて見てみると、
奈緒の側に寄りそうように、犬のような何かが居ることに気づく訳ですよ。
まあそれが、かつて奈緒の側に居た『かもしれない』ロボット犬だってことを知る訳ですよ。

魂のような存在になったアオノリは、自分のことを忘れないで欲しいみたいな気持ちになって奈緒に憑いて
グリ時代の奈緒(遅刻しやすい、忘れっぽい、司会にマイクを命中させる)に戻って欲しいと操っていたんですね。
(さすがに宇宙アイドルにまでは発展しなかったわ。あれまで入ったら滅茶苦茶になるとこだった)
そんな奈緒を助けるために、まさかのアヤカシ清掃社でのドキドキ同居生活編に入るとは思わなかった。
奈緒が葛之葉家の叔母さんになついたり、叔母さんも奈緒を可愛がってこのままお嫁に来てもらいなさいって言うの良かったね!
外堀から女性陣に埋められて「勘弁してくれ……」ってなる雨彦可愛かったです。

神谷シナリオでは同じ番組でロケ班としてレギュラーで一緒になるんだけど、迷子になってる神谷を助けては

「神谷さん、私がおらんとまた迷子になってしまうん違いますか? 手ぇでも繋いどきます?」
「うん、それはいいアイディアかもしれないね」
「へ? ……じょじょじょ冗談ですよ!幼稚園じゃないんですから!」

みたいな会話をひたすら繰り返して距離が縮まっていくの良かったですね…
最後はプライベートとはいえデートしている時にちゃんと手を繋いでいて

「どこにも行かんように、しーっかり握っときますからね!」

って笑顔で言うのめちゃめちゃ可愛くてよかったです……。
あとカフェパレ(店)メンツと仲良くなって特にアスランのご飯を美味しい!ってめっちゃ食べてたら
神谷がちょびっと嫉妬するそぶりを見せるのも良かったです……。

〇緒方智絵里√

いや~~~~意外すぎる伏兵!もっと小さな恋の風色メロディって感じの瑞々しい感じかと思っていましたが……
そういえば緒方智絵里という女は臆病な面もあれど実は芯が強く頑固な側面も併せ持つ人だった!
その芯の強さとか頑固さがキレイにシナリオに反映されていた!

智絵里は神谷シナリオの方が好きだったなぁ~。カフェパレメンツも出てくるあったかいシナリオだった。
家族と色々あって、雨の中を彷徨う智絵里に傘を差し出す神谷がカフェパレ(店)に連れてくんだけど、
東雲が「……雨の日に人間を拾うの二人目ちゃいます?」って呆れてたのが良かった。アスランも頷いていた。
あと、家族との関係がうまくいかないと落ち込む智絵里と慰める神谷の会話が良かったなってなった……。

「昔からそう。私は、弱くてダメで……みんなを怒らせちゃう」
「……そんなことないさ。目をそらさずに、向き合い続ける君は、強いさ」

って言って四葉のクローバーラテアートのココアを差し出してあげるんですよねー。
神谷のどこにでもいける自由さを羨ましく思う智絵里と、
逃げ出すことなく自分で問題を解決しようと健気に頑張る智絵里を尊敬する神谷っていうのが見れて良かったです……。

智絵里の問題が解決し、ED後に神戸駅に智絵里と神谷が二人で降り立っているのが良かったですね。
二人でならどんな問題にも逃げ出さずに立ち向かえるよ……!って未来を想起出来る内容でした。

あと雨彦は智絵里にめっちゃくちゃビビられてたので、ハンカチでうさぎさん作って怖がらせないようにしてたのカワイイかったねぇ…
でもそれ完全にもふもふえんに対する対応と一緒じゃないですか。相手は16歳だぞ雨彦。
そんな子ども扱いしているから、√終盤で年齢差を気にして一線を引こうとしているところで、
自身の感情を自覚した覚醒智絵里に押し倒されるんだぞ(まあ押し倒しは事故ですが……)

紗枝はんのが身長低いのに智絵里のが何か小さく感じてしまうせいか
一枚絵での身長差というか体格差をめちゃめちゃに感じましたね……!小柄な女性と大柄な男性の組み合わせ、最高だ。

〇高垣楓√

最後に楓さん攻略したのですが、大人なのに一番恋愛のテンポがスローでしたね……!
まあ楓さんも対人がそこまで得意な方じゃないのと、ぷちとかで言ってた感情表現が苦手って設定あるじゃないですか?
それを拡大解釈して恋愛感情に鈍く、自覚後もそれを口にしない、うまく言語化出来ないみたいな感じになってるんですよ。

雨彦編、仕事場で出会うと√に入れませんでした。夜マップで街を選ぶと路地裏の小料理屋に行け、楓さんと出会います。
互いに干渉せず、なんとなく料理屋で意気投合した女性が実はトップアイドルだった、みたいな感じ!
まあよその事務所とはいえトップアイドルの顔知らんことある?って思うが雨彦世間知らずなトコあるし……。
やわかな料理屋での表情とは違い、歌っている時の清浄な空気や凛としたたたずまいに興味を持つ訳ですよ。
雨彦もそこまで踏み込むタイプじゃないし、楓さんも序盤は積極的に行くタイプじゃないので……まあじれったいじれったい!
互いに惹かれていることは理解しているがどう言葉にすべきか分からないと悩む雨彦な訳ですが
レジェの二人にすら心配されちゃうのがさ……恋愛初心者かよ!!!ってなっていました。まあ初心者なんやろな。

ラストシーンで、互いに想いを伝えようとして言い淀んでしまい、こらえきれずに吹き出すの良かったですね。
無理に言葉にしなくても、お互い側に居ればいい。そんな結論を出すんですけど……
EDでチューした時に無理とキスシーンを描くんじゃなくて、アスファルトに映る影で描いてるのが良かった。
なんやかんや健全な恋愛風味だったのに最後で大人……なんかえっち……ってなりました。

一方で神谷はアイドルとして出会って彼女の素顔を知る、みたいな感じでした!
番組で何回か共演してクールな雰囲気の女性だな、って思いつつカフェパレ(店)に行った時
昔の知り合いから珍しいお酒を譲って店に並べたら閉店間際にお客様が一人駆け込んでくる。
喜色満面でお酒とそれにあうおつまみを注文する女性こそ、あのクールなアイドルこと高垣楓さんだった訳ですよ。
我々プレイヤーは楓さんのこと面白くて可愛いお姉さんと思ってるけど、神谷は最初それにめちゃめちゃ驚く訳でして。

そのうち宵乙女のメンツとかと打ち上げでカフェパレを使うようになったりして、
経営者でアイドルで凄いわね~、彼女とか引く手あまたでしょ~みたいなからかいかたを早苗さんとかしゅがはがするんだけど、

「ダメ、です」
「彼女は、ダメです」

って神谷の服の裾をひっぱりながら言う楓さんが可愛くてね!
一瞬揶揄おうとするけど楓さんの"真剣(マジ)"ながら無自覚な顔にあっ……って空気になるんですわ。
そこからの展開が怒涛。宵乙女パレードで協力しながら二人をくっつけようと画策お話の流れに。
EDの時はまだ結婚とか式とか挙げられないけど、レースのテーブルクロスを頭にかぶって疑似結婚式するのが良かったです!!

〇その他

・神谷で奈緒√に入った時、サブキャラでちょいちょい神谷奈緒さんが出てきました。スタッフの遊び心。

  神谷奈緒「二人が結婚したらアタシとまぎらわしくなるんだな」
  神谷幸広「じゃあ横山幸広になればいいのかな?」
  横山奈緒「なっ……何ノってるんですか!」

 みたいなほっこり会話が繰り広げられるので、是非。
・笑いコンビを組むイベントがあって、エムステ雨彦のお笑いコンビネタとと智絵里のなんでやねんのネタを混ぜ
『レイニーチェリーズ』を組んでいたのが良かったですね……雨彦のボケに智絵里が一生懸命
「ななな……なんでやねん!」ってツッコミを入れるのが可愛すぎてほっこりしました。
・一方で神谷と楓さんのコンビもその場で組まされてましたが……グダグダでしたね……。
 審査員を務めていた奈緒のおかげで成立したまである。ありがとう関西の星。
 一緒に審査員していた紗枝はんとふじともは失笑しかしていなかったので……まあ仕方ないね。
・ヒロインの√入れないEDでは、雨彦なら神谷、神谷なら雨彦との短い会話がありましたね。
 事務所に行くとそれぞれしかいなくて、雨彦主人公だと神谷の紅茶を入れてもらって、
 神谷主人公だと一緒に掃除をして…みたいな感じで、彼女たちがいない日常に戻っていく感じなのが……いい空気感。
 特定√入れないと男のEDにいくの古のギャルゲーって感じですごく好きです。
・もしかしたら、私が見そびれているイベントやEDがあるかもしれないので、よろしければご一報ください。
 https://peing.net/ja/dan_3

以上。誰かこのギャルゲ作って下さい!!!!!!!

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