力学は好きですか?
前回、マーセル氏のLevel 4 整形のお話しを少しさせて頂きましたが、今回は少し内容についてもお話ししていこうと思います。
自分が今回のコースや臨床でも解釈する上で大事にしているものは「力学」になります。力学にも沢山の分野があるのですが、今回は生体力学について書きたいと思います。これを理解する事で明日からの臨床でもすぐに役に立つのかな?と思っております。
生体力学とは?
生体力学は、英語では、Biomechanics(バイオメカニクス)と言われます。バイオ=生体、メカニクス=力学という二つの言葉を合体させてできた造語で、力学の考え方を生きた身体に応用する学問です。
力学とは、物体や機械の運動、またそれらに働く力や相互作用を考察の対象とする学問分野の総称です。
また、力学と言うのは数多くの分野で応用されていて…
力学を知る事でどうなる?
動作を困難にしている要素を理解する事がわかります。
下記の症例の方は、クラインフォーゲルバッハ紹介セミナーで提示させて頂きました方です。
この方の問題点として、後輩セラピストは困難としてる問題点の第1要素として「股関節屈曲制限」を挙げていましたが…
実は、座位の位置が悪く、問題点抽出の障害となっておりました。
(深く腰掛け過ぎる事で立ちにくくなります)
この様にその動作の力学的課題を理解する事で評価の質やエクササイズのバリエーションを増やす事が出来ると理解しております!
そもそも何故人は立てる?
この様な質問を後輩などにすると…
・重心が支持基底面内にあるから〜
・バランスを取れているから〜
などをよく言われます。
上記の答えも間違えではないですし、その通りなのですが、重力と反力と言う言葉を使って考えてみるとどうでしょうか?
このイラストで示している様に…
◯重力:鉛直下向き(真下)への力=下に向かう力
(重力(W ; Weight)=質量(m ; mass)×重力加速度 9.8m/sec(g ;gravity ))
◯反力:重心に向かって立ち上がる力=重力と反対に向かう
つまり、真っ直ぐそのまま立てているという事は、
【重力=反力】
になります。
例えば…
60kgの方が真っ直ぐ立てる為には…
重力=質量(60kg)×重力加速度(9.8m/sec)=約600(正式には588)ニュートン(N)となります。
身体は、静止しているので反力が一致しているので反力も約600ニュートンなります。
ここで大事なのは
【反力≒筋力】
という事です
これを理解する為には、
アイザック・ニュートン氏の「運動3法則」の第3法則 作用反作用の法則を理解していく必要があるのですが…
皆さんの嫌になってきた顔が浮かんできましたのでここまでにしておきます。
次回は、立ち座りを生体力学的な視点で考えていきたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
文責 中村洋一郎