『風-the Wind-』観劇感想

HANA'S MELANCHOLYさんの『風-the Wind-』の舞台を観覧してきました。

 いやー、実にとても素晴らしいものでした。「素晴らしい」という言葉では全然足りないのですが、なんかもっと、こう……なんかもっとこう!!!……といううまく言葉にできないもどかしさがあります。きっとそれだけ考えさせられ、感じさせられたからなのだと思います。非常に観てよかったと思っています。素晴らしい観劇体験をありがとうございました!

 途中から、「あれ?これは現実?夢?ただの妄想?」と思うシーンがあり、はてなマークが頭に浮かびましたが、なんにせよ、今起こっているんだなって思って観ていました。いや、というか、今起こっているんだなって思わされた?シーンによって、「そんなことあるわけないじゃんw」とか、「うわ、やばい客だ……」とか、思おうと思えば思えるかも知れないけれど、でも今目の前で起こっているよね!?っていう。

 奈菜子とルーシー、奈菜子と客、ここの関係が本当に尊くて、前者は希望を、後者は……なんと形容したらよいのか。とにかくすごく惹き込まれました。この瞬間ってすごい貴重だなと思いつつ、「でも貴重だなーっとか思ってないで、この貴重な時間をただただ享受しろー?」って俯瞰した自分が自分に話しかけたりしていました。
  何枚もの紙飛行機が飛ぶシーン、あそこすごかったです。ただただ無心で見入ってしまいました。
 叫び、身体に伝わってきました。奈菜子……おつかれ、まじおつかれ……。奈菜子役のいしがめあすかさん半端ないです。
 もうこの時には多分自分は変性意識入っちゃってましたね。そしてその後の奈菜子とルーシーのシーン。希望と幸せに満ちたシーンで、今思うと、本当に自分がそれが観られてよかった、体験出来て良かったって思うんですよね。「早く来てね、でもゆっくりでもいいよ」と言うルーシーと奈菜子の2人の表情、その佇まい?雰囲気?オーラ?すごかったです。こういう瞬間って本当に貴重です。ありがたや……!!

 自分の身体は自分のもので、自分は自分のもの。人生も。最終的に奈菜子とルーシーと龍は、それらを取り返したというか、獲得したんじゃないかと思うんです。価値を取り戻す。ゴミじゃない。傷じゃない。

 いい表情していましたね。いい佇まいでした。すごい時間でした。

 
 日が経つにつれ、頭の中が整理されてきて、この舞台についての考えが深まったり、感じたことの理解ができたりしてきました。自分の過去に出会った人たちとか、経験について、新たな視点で見ることができたりもしました。
 でもやっぱりうまく言葉にできないものですね!笑 
 きっとこの先、時々この舞台のこと、奈菜子やルーシー、客、葉菜子、波流、店長、彫師のことを思いだしたりするのかなあと思っています。彫師まじでかっこよかったな。
 



 最後になりますが、出演者・スタッフ・関係者の皆様本当にお疲れさまでした。そして素晴らしい舞台を観ることができて本当に良かったです。ありがとうございました!