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【完全予想】横浜DeNAベイスターズ・ドラフト会議パーフェクトガイド【2024】

 「それは無理やり一つの答えを予想するから外れるんだよ。逆に考えるんだ。“全パターン書いちゃえばいいさ”と」

だけんさん、2024年

 こんにちは。だけんさんです。
 いよいよドラフト会議が迫って参りましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 平素より横浜DeNAベイスターズファンをさせていただいており、ドラフトの予想も毎年しているのですが

 横浜は当たらん!!

 贔屓なのにマジで当たらん!!!!

 公言もしないし匂わせも少ないからマジで全然当たらなくて、いよいよ自信がなくなってきております。
 自信が無くなってきたので、もう全パターン予想してみちゃえばいいんじゃないの?と逆転の発想に至ったのが今回のnoteです。

 中身はちゃんと書いたのでDeNAファンは元より、プロ野球ファンの方も是非見てやってください。よろしくお願いします。

🔴はじめに

 近年のDeNAベイスターズは、1位入札で高校生右腕投手や高校生野手、競合確定の高卒社会人外野手と、初期〜中期に見られた大卒投手一辺倒・左投重視・単独入札重視といった入札傾向が通用しなくなっている。
 このため単一の指名予想だけではクジの成否やハズレ入札に残った選手を選んだパターンに対応出来ない。パターン毎に想定してみる事で、よりシチュエーションに合わせた指名予想をする事が出来る。という目的が本稿である。
 「予想」というよりは「網羅」に近いのかもしれない。

 また、予想してみたところ1位2位のパターンがどうであれ3位4位のパターンは大きく変化がないように感じた。
 具体的には1位2位で投手→投手というパターンを踏んだ時に3位4位まで投手→投手という事は流石に起こり得ないだろう。とかそういうレベルだと思ってくれて良い。
 したがって本稿では“1位・2位”と“3位・4位”を切り分けて考えている。DeNA自体が上位の2つでバランスをとるような指名を好む傾向があるため、3位4位で比較的プラン通りの指名が出来ていると解釈してもらっても良い(かもしれない)

 1位指名予想選手に関しての評価や寸評は省略しているが、事前にそれ用のnoteを書いているので詳しく知りたい方はそちらを参考にしてみて欲しい。

🔴1位・2位指名について

 1位・2位指名では1位指名で4パターン。その後の派生を合わせて計9パターンの指名を考えてみた。
 オースティン・ジャクソン・ケイといった優秀な助っ人外国人の存在や、宮崎敏郎がサードとしていつまで保つかということを考えた時に、短中期で勝負を賭けるような指名になる可能性が高そうではある。
 一方ファームで日本一に輝くなど既存選手のレベルも確実に上がってきている中で、ある程度将来に向けた戦力補強をしていく指名も考えられる。

 上位指名ではそういった“来季以降の方向性”が強く反映されやすい指名になるだろう。獲得選手本人以外にも、編成から感じるメッセージにも注目してもらいたい。

❶   1位で“即戦力投手”を入札した場合(金丸・中村・佐藤・篠木)

 今年は野手がストロングポイントで、投手がウィークポインであったDeNA。1位で先発を獲得出来た場合は2位以降の動きがかなり柔軟に取れることは間違いなく、最も多くのパターンを考えることが出来た。

 ❶-1   2位・高校生野手(斎藤・宇野)

  2位で育成選手が多い若年層の内野手にプロスペクトを送り込むケース。
 斎藤大翔(金沢)はNPB1軍SSでも最上位帯の身体能力と技術を両立している、D龍空のようなSS。打撃面は時間がかかりそうだが振れてはいるためアプローチが破綻していなければレギュラーポテンシャルを期待出来る。
 宇野(早稲田実業)はパワーツールに強みを持つSS。送球面に課題はあるが打球に対する足運び・走塁能力等の身体能力面の評価が高く2B/3Bに残れる水準にはありそう。ドアスインガーでバット軌道に課題があり、かつての細川のように2軍から1軍への適応に苦労しそうだが、天井の高さは斎藤に負けず劣らない。
 2〜3巡で指名に相当する高校生内野手は(石塚が1位から漏れていてDeNAの指名順まで残る大ミラクルを除き)凡そこの2人なので2人が消えた際に他の高校生内野手をoverpickすることは基本的に(私は)推奨しない。

 上位で高校生野手を獲得した(松尾・森)ケースでは、3巡目までは大学生以上の選手で戦力供給バランスを取る指名をしている。1位で即戦力投手を取れている流れとはいえ、今年は1軍投手の数的不足も相まって投手を狙いやすく、大学生以上の投手を3位で再び重ねる動きが最も予想しやすいだろうか。

 ❶-2  2位・即戦力投手(寺西・安徳・宮原・吉田・伊原)

 2位でも即戦力投手を指名し、投手により厚みを出すパターン。DeNA初期はこうした指名が多かったが近年は投手力の充実からナリを潜めてはいた。
 寺西成騎(日本体育大)は体格と出力ではドラ1級。縦横の高速変化球2種とMax153㌔の直球とのシナジーを活かした投球が強み。故障歴・今年8月に肺炎・指のマメを複数回潰すなど、評価が上がりきっていないが、3月の大学代表合宿では素晴らしい投球を披露していた。

 安德駿(富士大)はホップ量の高いストレートと今秋19.1回を無四球で投げ抜いたコマンドが売りの151キロ右腕。通算でも59.2回 72K7BBと、OBのF金村尚真ばりのスタッツモンスター。

 宮原駿介(東海大静岡)は左腕でMax153㌔。変化量の大きなスライダーで通算12.88のk/9を誇る地方の奪三振マシーン。大学代表候補にも選ばれ注目を浴びているがDeは調査書未提出。なんでやねん。

 吉田聖弥(西濃運輸)は高卒4年目の社会人投手。最速152キロでチェンジアップの質が良く奪三振能力も高いものの、立ち上がりで荒れる事が多く直近の試合で炎上して評価がやや下がっている。都市対抗本戦では全国の強豪相手に18.1回 21K4BBと能力では上位。

 伊原隆人(NTT西日本)は小柄ながら優秀なコマンドと平均出力に優れた最速149キロ左腕。大卒社会人なので年齢面がネックだがコマンドが優秀で獲得早期から使い易いのが最大の強み。直球の質も良く万全なら出力も144㌔前後を左腕でコンスタントに出せるので、疲労でクオリティが下がるまでは十分以上に機能しそうだ。

1位・2位で投手を指名し、緊急度の高い投手事情にはある程度回答を出せるので、3位4位では野手の獲得に動ける。短中期に寄せているので大学生野手を獲得し更に1軍戦力に厚みを持たせ、高校生野手は後回しにする方が良いと思うが、評価している選手が漏れていればスポット的な獲得に動く事はあるかも。

 ❶-3   2位・高校生投手(村上・今朝丸・清水・柴田・高尾等)

 2位で高校生投手を獲得する場合は、早期の安定したリターンを生み出す即戦力系の投手を蹴り(ないしは他球団に獲得され)ハイリターンが見込める投手を狙うことになる。
 外れ1位〜2位前半帯からスリップしてきた投手や、球団スカウトが高く評価している選手が本命と言えるだろう。

 村上泰斗(神戸弘陵)は今年の高校生の中でもトップクラスにフォームの完成度が高く、直球の回転数は約2500rpmを記録する最速153㌔右腕。高1春に投手に転向したとは思えない身体操作技術に180cm/73kgと肉体の成長余地も残す。制球面にややばらつきがあるがそれ以外は文句なしと言ってもいい。

 今朝丸裕喜(報徳学園)はU18でも主戦投手として活躍した188㎝と長身の最速151㌔右腕。コマンドは安定しているものの直球の質にばらつきが残り、変化球ではフォークは効果的だがその他の球種がやや物足りない素材型。下級生の頃からフォームが良くなるにつれて球速も上がってきているので、プロで更に洗練されればより大きく伸びそう。

 清水大暉(前橋商)は今朝丸より更に大きい193cm右腕。ややカット質の最速149㌔の直球、130㌔前半のフォーク、120㌔前後のカーブを投げる。球の強度はあるが全体的にコースはアバウトで、NPBのゾーンに対応するところで苦労しそう。勿論伸びしろは文句なしなので指導がハマればとんでもないリターンを生み出しそう。

 柴田獅子(福岡大大濠)は189㎝の最速149㌔右腕。指先感覚に優れ、スライダーと一口に言っても横スラ/縦スラ/カットを意図的に投げ分ける。今夏は17.1回で与四球1と制球力も備えており、投手としての完成度という点では高校生トップクラス。打者としても本当に能力が高く二刀流も期待される。

 高尾響(広陵)は172㎝と小柄ながら制球や投球センスに優れた最速148㌔右腕。直球・スライダー・カーブ・スプリットと全ての球種でカウントが作れ、柴田以上の完成度の高さを誇る。高速化するNPBでは出力面にやや欠けるだろうので、直球の割合を減らしてゾーンに投げ込める小さな変化球が欲しい。DeNAの上位候補リストアップの報道があったが、社会人野球と両睨みだと思うので下位では獲らせてもらえないかも。

 投手→投手と来ているが、高校生投手が1軍戦力として起用出来るようになるのは早くても3年目のシーズンからが精々と考えれば、3位~4位の順位でも即戦力タイプの投手を重ねる可能性は高い。その場合は投手が上位を大きく占めてしまい、才能の有る野手を獲得する機会を減らしてしまうのはデメリット。2位で目当ての即戦力投手が獲得されてしまう事の他にも、上位で獲得候補だった野手が残っていなかった場合の代替案。という解釈なら妥当性はあるかもしれない。

 ❶-4  2位・即戦力野手(麦谷・佐々木)

  2位指名で即戦力タイプの野手を獲得するパターン。1軍で最も大きな穴になっているのは遊撃手だが、今年上位でレギュラークラスの遊撃手を獲得しようと思った場合は宗山塁(明治大)に1位で突っ込む以外の選択肢がない。
 そのためまず考えられるのは宮崎の後釜候補の三塁手。続いて度会井上を獲得し、梶原や蝦名といった選手も台頭しつつあるものの、傑出度的にはもう少し厚みが欲しく、今年のドラフト市場で人材豊富な外野手がターゲットになるかというところ。

 佐々木泰(青山学院大)は攻守に華のある三塁手。ベース寄りに立つ弊害で内角を攻められると曲芸打ちに頼る点や、高めへの対応力に課題を持つが、真ん中から外と低めのボールに対しては理不尽な打球を連発するパワーツールを持つ。弱点は分かりやすいがコマンドミスでスタンドインの恐怖が付き纏う。守備は賛否あるが球際に強く、身体能力も高いので範囲も広く、NPB1軍のレベルに耐えうると予想。
 ムラのある選手で順位的には2位もあれば4位もあるといった感覚だが、飛び抜けたパワーツールが既存選手との差別化に容易なのは推しやすい点で、まあそこは球団の評価次第か。

 麦谷祐介(富士大)は走塁力を中心にツールが豊富な外野手。特筆するべきは足の速さで、盗塁・走塁・中堅守備をNPBクラスまで引き上げている。打撃に関してはメカニクスがよいのもポイントだが、二塁打三塁打が多く富士大OB山川より通算ISOが高いのも面白い点。
 中堅守備が出来る点で昨年の度会や井上との差別化は出来ているが、そうはいっても外野手なので2位という順位で積極的に獲得に動けるかという点はやや疑問視。
 
 即戦力タイプの指名といっても、来年1軍で即効果的になるとは言う指名では無く、将来性を買うという側面が強いだろうか。
 緊急性が高いポジションでは無いため心理的には後回しにしやすいが、優秀な野手は上位指名で確保するというのは続けてほしい。残っている選手次第で上記の選手を指名する可能性は十分にあると考えている。

 

❷  1位で“即戦力遊撃手(宗山塁)”を入札した場合

 シーズン後半にかけて森敬斗が定着しかけているが、通年の1軍スタッツでは遊撃手のポジションでマイナスを生んでおり、ファームを見ても1軍で遊撃手として起用可能な選手は殆どいない。
 牧秀悟の2B守備が破綻した際の代替手段も無く、二遊間の守備に着けつつ、レギュラークラスの打力を生み出せる選手というのはチーム内でも希少性が高い。
 守備技術が非常に高く、場合によっては2B守備にも適応可能な宗山を獲得出来れば、NPBトップクラスの守備範囲を誇る森敬斗と併せて今後の二遊間事情はかなりゆとりを持って運用可能になるだろう。
 広島が既に入札を公言し、阪神やソフトバンク、西武といった球団が指名を匂わせている中で、指名に踏み切りクジを当てる事が出来ればの話ではあるが。

 ❷-1  2位・即戦力投手(寺西・安徳・宮原・吉田・伊原・竹田)
 
 1位で投手指名出来なかった分、2位で投手指名に動くのはマスト。森、松尾、度会指名の年も2位では即戦力投手は確保する動きは見せているのでこれは揺るがないだろう。
 前述した寺西・安徳・宮原・吉田・伊原らが候補になるが、より先発という面を見るのであれば竹田祐(三菱West)も候補に入るか。
 明治大出身の最速153㌔の社会人3年目右腕。184cmのオーバースローで角度のあるフォークがマネーピッチ。タイプとしてはかつての井納に近い選手。コマンド周りは大学〜社会人と安定していてイニングイーター適正は高そうに見える。
 オールドルーキーという事もあり、2位は上記の選手を指名し、3位で竹田を重ねるという手段もあるが、その辺は前後の球団の指名傾向を見つつ選択していく形にはなるだろう。
 
 3位以降では竹田のような即戦力投手を重ねて上で使える投手を重く見ても良いし、豊作な高校生の投手でスリップしている選手がいれば狙い目かもしれない。
 野手は高校生大学生ともにコーナーポジションや外野手が狙い目になってくる。宗山が取れてるケースであれば二遊間に関しては必要性も低いので、3拍子揃っているタイプよりは、際立ったツールを持つ野手の獲得を進めてチームに爆発力を出していきたいだろう。

 ❷-2  2位・高校生投手(村上・今朝丸・清水・柴田・高尾等)

 2位で高校生投手を指名するパターン。目当ての即戦力投手が取れなかった際の代替手段となるが、1軍への戦力供給は数年後となる。FA補強・現役ドラフト・戦力外補強など他の補強手段を用いながら、1軍で使える投手の頭数を出来るだけ確保しにいく動きが必要となってくる。
 センターラインを安定させつつ将来のプロスペクト投手を補強するため、後々のリターンは大きく出そうなのがこのパターン。東・牧・山本といった1軍の要になっている選手達がピークアウトするまでに大きなリターンが返ってくれば最高の結果をもたらすだろう。
 3位以降では出来るだけ即戦力タイプの投手を厚めに取る選択をしたい。3位4位どちらとも即戦力投手。という可能性もある。一方で1年目から先発ローテに回れる選手がうっかり残っているという事はそうそう無く、結果として来年の戦力供給が滞る。といった事態になると辛い。最初にも言ったが、他の補強チャンネルを使いながら投手の拡充を行う必要性が高い指名になるだろう。

❸1位で“高校生投手(藤田・柴田)”を入札した場合

 1位入札を外した際に、先発なのかリリーフなのか判然としない中途半端な即戦力投手を1位で獲りにいくよりは、まずはポテンシャルの大きな高校生投手を獲得して数年後にリターンを回収しにいったほうが良い。という選択をとる可能性はある。

 ❸-1   2位・即戦力投手(寺西・安徳・宮原・吉田・伊原・竹田)

 ここも順当に即戦力投手が最優先補強ポイント。投手1位指名とはいえ、高校生を1軍に供給するまでに最低でも3年はかかると考えると質の良い即戦力投手は必要になるだろう。小園の年も徳山壮磨を指名したように1位2位のどちらかには即戦力タイプの投手を指名し、供給を途切れさせないというのがDeNAの基本パターンとなる。

 3位以降でも投手を重ねても良いとは思うが高校生よりは即戦力タイプの選手を取って藤田・柴田台頭までの時間を稼ぎたいところ。先発タイプに拘らなくてもパワーアームのリリーフなども1軍に不足しているポイントなのでそちらでも可。そう思って取った投手があまり成功していない気もするが。

 ❸-2  2位・即戦力野手(麦谷・佐々木)

 投手と野手という組み合わせでは一応バランスが良いが、両者とも1軍の課題を即座に解消する手段にはなりにくそうなのは△。高校生投手も大学生野手も2〜3年目から徐々に存在感を出す事が多いので、もう数年先に照準を合わせた狙いにはなりそう。
 3位以降からは動きやすそうだが、即戦力タイプの投手は獲得しなければいけないし、どの程度の選手が残るかという予測もシビアになってくるので、その隙間を縫って良い投手を獲得出来るかどうかというところ。

❹高校生内野手(石塚・斎藤)を1位指名した場合

 初回入札を外した後、石塚裕惺(花咲徳栄)が残っていた場合、もしくは斎藤大翔(金沢)の評価が高く、2位まで残っていないと推測した場合は高校生内野手の初回入札もありうるか。石塚の場合は牧や宮崎の後釜として、斎藤の場合は1軍は森敬斗らに託し、次世代のレギュラー遊撃手を下で育成するという狙いになってくる。
 可能性としてはかなり低い線ではあるが、今年の内野手としては宗山に続くツートップの実力であり、かつ2軍では二遊間の打席も取りやすい状況なのでタイミングとしては悪くない。

 ❹-1   2位・即戦力投手

 ここも宗山の時と同じく即戦力投手がマスト。宗山と違い1軍供給という点では実質的に2位からが本番になってくるため、ここが転けると来年の投手スタッフはかなり難しくなってくるため責任重大。
 この指名パターンであれば割り切って3巡以降も投手中心にしても良い、というかするべき。ここは野手が今年大きな利得を出している強みと言えるだろう。

🔴3位・4位の指名について

 3位4位では野手は「将来的にクリーンナップを務められる高校生・大学生スラッガー」「宮崎の後継候補となる大学生3B」
 投手に関しては「大学生・社会人の即戦力投手」「ポテンシャルに高い高校生投手」とどちらの属性も考えられるが、1軍に送り込みたい投手は複数枚確保しておきたいので基本的には即戦力投手を選択しそうではある。高校生投手を獲得する場合は相当スカウト陣が入れ込んでいる投手に限定されるだろう。
 野手→野手というパターンは少なそうだが投手→投手というパターンはありそうなので

 「スラッガー」×「即戦力投手」
 「大学生3B」×「即戦力投手」
 「スラッガー」×「高校生投手」
 「大学生3B」×「高校生投手」
 「即戦力投手」×「高校生投手」

 
 大まかに5パターンに分類出来るだろう。
 中堅手に関しては議論の余地があるが、梶原蝦名の台頭、武田陸玖の中堅手運用といった背景を考えると、中堅守備を重視というよりはバットツールを重視し、スラッガーと領域が被るくらいの水準の選手を採用したい。
 また高校生遊撃手は今年は3巡〜4巡クラスの選手が乏しく、強いて言えば身体能力の高さから今坂幸暉(大阪学院大高)・森駿太(桐蔭学院高)が考えられるかという程度で、彼らもアプローチ面や実戦守備のぎこちなさ等評価のブレが大きそうなので考慮しない事とするが、実際獲った時は当たることを祈ろう。
 大学生遊撃手に関しても非常に悩ましいが、直近で林琢真、石上泰輝を獲得している中で、再び3位や4位を使って大学生年代の遊撃手を獲得してくるか?というのは議論のポイント。1軍の弱点なのは勿論だが、欲しいのはレギュラー遊撃手。既存選手で事足りるか、もう少し下の順位でひょっと残っていたら…。という方が丸そうかな?みたいな。

●高校生/大学生スラッガー(椎木・石見・モイセエフ・吉納)

 ・椎木卿五(横浜高) 捕手/内野手

 椎木卿吾(横浜高)は打撃に秀でた捕手。スムーズにバットを出しながら広角に長打を飛ばす打撃センス、打球角度の付け方も良く打球音が1人だけ違う。
 肩は強く捕手としても悪くないが、山本松尾の存在を考えると一塁/三塁/左翼手などで打撃を活かす選択も取れるか。というくらい打撃で買える存在感がある。

・石見颯真(愛工大名電) 内野手/外野手

 石見颯真(愛工大名電)は柔らかいバットコントロールが魅力の左打者。ポジションは遊撃手/左翼手。
 鋭いスイングながらコンタクトしてくる天性のアベレージヒッターで、完璧に捉えれば場外へ飛ばすほどのパワーも併せ持つ。Bs森友哉を彷彿という声も。
 チーム事情から遊撃手を守っていたが、2年冬から始めたとしてはセンスを感じるという声もあり、それでも内野は厳しいのではという声もある。
 個人的には内野を試す価値があるし、オプションは多いに越した事はないという派。二塁にでも残れれば非常に大きなリターンになる。

・ モイセエフ・ニキータ(豊川) 外野手

 モイセエフ・ニキータ(豊川)は超高校級のパワーツールを持つ左の強打者。ロシア人の両親を持ち肉体的な強さが桁違い。かなり捻りを入れたフォームにも関わらず内角も関係なしにバットが出てくるため、凄まじい腰の回転速度とスイングスピードがあるのは疑いようがない。
 守備は中堅手を高校生レベルで無難に守っていると言える。スプリント能力はそれほど高いというわけではないが、肩は強いのでF万波のように右翼での守備には耐えられそうか。
 上位候補とも目される選手でDeNAの3位には残っていないだろうというレベルだが、それでも外野手ということで万が一という事もあるので併記。まあ3位まで残ればSBや日ハム辺りが流石に取ってそうだが。。。

・吉納翼(早稲田大) 外野手

 吉納翼(早稲田大)は東京六大学リーグで通算13発のパワーツールが魅力の右翼手/左翼手。三振はそれなりに多いが広角に打球を飛ばせる左の強打者で、4番やクリーンナップを期待出来る選手。足や肩も武器にはならないが弱みになる程致命的では無いので、左翼ならば大きなマイナス無く運用出来そうか。
 能力的には打撃が通用するのであれば指名は妥当だが、1位度会6位井上の翌年に両翼を3位で取りに行くのが効果的な動きかどうかは怪しい。DeNAはパワーツールに秀でた若い野手が内外野問わず少ないので、そういう点では魅力はある。

⚫︎大学生三塁手(荒巻・柳舘・佐々木泰)

・柳舘憲吾(國學院大) 内野手

 柳舘憲吾(國學院大)は、強打と堅実な三塁守備が持ち味の左打内野手。大学JAPAN代表にも選ばれ2本塁打を放っている。
 180cmとサイズがありフルスイングで振ってくるためパワーツール自体はそれなり。一方で三振も多く、固さの残るフォームのため大学成績にもややムラがある。
 守備面は範囲自体はそこまで広い訳ではないのだが、送球が抜群に上手く、取ってさえしまえば難しい体制からでも一塁へ正確なスローイングが出来る。こちらはこちらで非常に“堅い”守備。
 NPBでも三塁に残る事は出来そうだが、身体能力やコンタクトに関してはやや苦しい。バットの面はプロ入り後でも洗練出来るしパワー自体は有るのでハマった時には大きな利得を出せるだろう。

・荒巻悠(上武大) 内野手

 荒巻悠(上武大)はバットツールと高い身体能力を持つ左打の内野手。横浜市長杯決勝で2打席連発本塁打を放つなどハマスタでも暴れている。リーグ通算成績は.394 8本と凄まじい成績を残しているが、リーグ自体がかなり打高なので気をつけたい。それでも四球>三振であったり、リーグ内でも頭抜けた成績を残し続けている点は評価したいポイント。スイングスピードが速いのも去ることながら、スイング軌道もバットをボール上に長く入れられている。
 守備面は一塁・二塁・三塁を同程度の出場機会で守っている。範囲としてはそうでもないが、身体がデカいながら高い身体能力で二塁守備も頑張れば出来そうに見えた。守備のイメージは牧秀悟。
 3位には残りそうだが4位だと他球団も触手を伸ばしてくるか。直前に投手を厚めに抑えている指名だとバランスが良さそうだ。

 その他、佐々木泰(青山学院大)がスリップしてきた際などは当然狙っていきたい。アマ界隈での評価は高いが可能性自体はそれなりに有ると思っている。

⚫︎即戦力投手(林翔大・吉鶴・児玉・徳山・木下)

・林翔大(大阪経済大) 投手
 
 林翔大(大阪経済大)は176cmと小柄だがコマンド・ゲームメイク能力が高いMax151㌔右腕。腕が遅れて出てくる投球フォームに安定したコマンド、多彩な変化球と先発適正に優れている。
 阪神・村上のように平均球速が引き上がればエース級の活躍も望める投手。少なくとも谷間先発くらいは任せられそうな安定感はあるだろう。

・吉鶴翔瑛(法政大) 投手

 吉鶴翔瑛(法政大)は最速151㌔左腕。やや垂れ目でカット質の直球を、右打者の内角へクロスファイヤー気味に決めてこれる制球力が魅力。速く落とすカットと大きく曲げるスライダー、チェンジアップと変化球もそれなり。三振をガンガン奪うタイプではなく独特な直球を制球よく決めて打ち損じを誘うタイプ。安定感は有りそうだがスケールにはやや欠ける印象もあるのでプロ入り後の出力アップに期待。

・児玉悠紀(青山学院大) 投手

 児玉悠紀(青山学院大)は181cm76kgのスラリとしたスタイルの最速147㌔左腕。しなる腕から綺麗な球筋の直球を差し込んでくる。制球力は高いが、空振りを奪う能力には現状欠けている。身体の線は細いのでプロのトレーニングを経ていけば球の強さも出てくるだろう。大学生といえど上記の通りスケール感はあるので高校生よりも安定感のある素材として捉える見方もある。

・徳山一翔(環太平洋大) 投手

 徳山一翔(環太平洋大)は最速153㌔の速球派左腕。故障により今年の春は全休していたが、大学代表候補にも選ばれる実力の持ち主。
 制球も破綻しておらず速球をゾーンに集めるだけでノーチャンスの打者もちらほらいそう。
 反面変化球はスライダー中心、それでもマネーピッチはストレートなのでツーピッチ、ないしは直球への依存度がかなり高いのは気になる点。周回効果が薄く、相手も選べるリリーフの方が真価を発揮するかも。

・木下里都(KMGホールディングス) 投手

 木下里都(KMGホールディングス)は最速156㌔のパワーアーム社会人右腕。社会人2年目で球速が4㌔伸びた遅咲きだが、そもそも大学から投手に転向した歴の浅い投手。
 183cmと恵まれた体格からバランス良いフォームで140中盤〜150前半を投げ込んでおり平均球速も上々。
 変化球は小さく動かすカットやツーシームが中心で、意外と詰まらせて打ち取るタイプで奪三振自体もそこまで高くない。効果的な落ち球や変化球のデザインを変えることが出来れば大化けの可能性も。

⚫︎高校生投手(有馬・狩生・川勝・冨士・高尾)

・有馬恵叶(聖カタリナ) 投手

 有馬恵叶(聖カタリナ)は190cmと大きな身体を優れたメカニクスで動かす将来性が豊かな最速146㌔右腕。昨年の秋までスコアラーと、プレイヤーでも無かった割にはしなやかで美しい投球フォームは天性のものを感じさせる。高校最後の試合で3㌔も自己最速を更新するなど現在進行形で伸び続けている選手。
 四死球自体はかなり出しており、かなりの素材型ではあるが、身体能力も高く、投手歴の浅さも考えると伸び代が非常に詰まった右腕と言える。

・狩生聖真(佐伯鶴城) 投手

 狩生聖真(佐伯鶴城)は185cm72kgとスラリとした体格ながら最速150㌔と球速を出すことに優れた右腕。
 制球は荒々しく変化球は添え物程度と完成度はまだまだこれからだが、それでも直球は力を入れれば140キロ後半を連発するだけのポテンシャルがある。有馬と同じくすごく素材型。伸び代も大きいので下地をしっかりと作り、大きなリターンに繋げたい。

・川勝空人(生光学園) 投手
 
 川勝空人(生光学園)は最速153㌔のパワーアーム高校生右腕。高2の時点で150㌔の大台に乗り、その後も150㌔台を幾度となく叩き出した。馬力という点では今年の高校生の中でも随一。最後の夏は故障もあり1回戦で姿を消したが、本来であればもう少し騒がれていい投手。
 制球はアバウトながらゾーンには収めてこれて、変化球も縦に大きく割れるスライダーやスプリットなど強度が高くて良い。L平良を彷彿とさせるスタイルだが180cmと身体も小さくない。ウエイトトレーニングを今までした事がないらしく、プロ入り後に150㌔後半をいきなり叩き出しても不思議ではない。
 
・冨士大和(大宮東) 投手
 
 冨士大和(大宮東)は186cmと長身から変則フォームかつサイドで投球する左腕。希少性でいえば今年のドラフト候補の中でもトップクラスの希少性を持つ。
 出所が初見では判断不能なフォームから独特すぎる球筋のストレートに加え、カーブのようにふわりと浮き上がて落ちるチェンジアップ、サイドハンドなのに縦に強度のあるスライダー、打者の手元で落ちるフォークと、癖も種類も豊富な変化球が打者を幻惑する。
 制球、奪三振能力も高く、ただの初見殺し変則サイドでは無い恐ろしさがある。肘や肩の故障歴はなく痛くなったことも無いとのことで、とんでもない掘り出し物になる…かも?

🔴5位指名以降について

  5位指名以降は何人で指名を終えるか、という点も関わってくるが基本的には6人前後が多く、支配下選手の戦力外も7名という事で、今年も例年通りになることが予想される。
 4位までの指名によって5位指名以降の選手獲得も変わってくるため、正直予測してもキリがないが、ここではDeNAが狙っていそうな選手に絞って紹介する事で予想に変えさせてもらう。

・山縣秀(早稲田大) 内野手

 山縣秀(早稲田大)は宗山に匹敵する美守を持つ右打の遊撃手。打球への合わせ方や握り替えなどの技術は宗山に負けず劣らずのものがあり、守備範囲自体は宗山よりも広範を捌いている好遊撃手。
 打撃面は、コンタクトはそれなりでフォームも変にガチャガチャしている訳でもない。が明らかにバットを手一つ分くらい短く持っており、長打を完全に捨てている点が懸念。スイングスピードも下がりプロでは速球に差されやすくなるため、プロ入り後に直さないことにはバイプレイヤー止まりになってしまうリスクがある。
 遊撃手を守る事のできる人材が不足しており、かつ右打ち内野手も少ないDeNAにはかなりマッチしているものの貧弱な打撃面をどう見るか。社会人と両睨みのため最低限でも支配下での指名が必須になりそう。

・浅利太門(明治大) 投手

 浅利太門(明治大)は最速153㌔のパワーアーム。186cm
の長身からシュートライズ系の直球、カットボール、チェンジアップ(スプリットチェンジ?)と高速変化球も投げられる。力感がよく、しなやかな腕の振りで150㌔超のボールを放るが、制球がだいぶアバウト。リリーフで高出力を出しつつゾーンに集める投球が出来れば、といったところ。球速はまだまだ伸びそうなのでそっちの方は期待して良い。最近はまとまりのあるタイプの指名が多いが付き合いの多い明治大という事で(?)

・沼井伶穏(横浜隼人) 投手

 沼井伶穏(横浜隼人)はナイジェリア人の父を持つ、186cmの長身右腕。一冬越えて5㌔球速が増して最速150㌔となり、成長力も著しい。肩肘の使い方が柔らかく、安定した力感で140㌔中盤が出る。制球面も改善傾向にあり、伸び代豊かな素材。評価が同程度なら地元優先路線との言もあり、おあえつらむきの好素材なので可能性も高いのでは。

🔴本稿のまとめ

⚫︎1位指名→2位指名

①即戦力投手⇀1.即戦力投手
      ↳2.高校生投手
      ↳3.高校生内野手
                ↳4.即戦力野手

②即戦力内野手⇀1.即戦力投手
       ↳2.高校生投手

③高校生投手⇀1.即戦力投手
                ↳2.即戦力野手

④高校生内野手⇀1.即戦力投手

⚫︎3位指名・4位指名

 「スラッガー」×「即戦力投手」
 「大学生3B」×「即戦力投手」
 「スラッガー」×「高校生投手」
 「大学生3B」×「高校生投手」
 「即戦力投手」×「高校生投手」

⚫︎5位指名以降〜(気になる選手)

・山縣秀
・浅利太門
・沼井伶穏

あーっと

🔴おわりに、DeNA初回入札指名予想!!

 という事で、長々とお付き合いいただきありがとうございました。1万3千字あるらしいです。全部読んだ貴方は変態なので誇って良いと思います。

 冗談はさておき、これだけ書いても全くアテにならない可能性があるのが当日のドラフト会議です。
 プロのスカウトの方々、編成担当として決済する方々、当日晴れて指名される選手の方々。
 全ての関係者の皆様に感謝の意を評しまして、本noteを締めさせていただきます。

 みんなでドラフト楽しもうな!!!!!!!




ン第一巡選択志望選手

ン横浜DeNA




宗山塁 内野手 明治大学


 今年こそは絶対に当てる!!!!!!!!!!!!!


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