夢の話12

今日見た夢の話。

私は、AIだった。

ボックス、スマホの画面から、様々なヒトの質問にせっせと答えていた。

ありとあらゆる言語、人種、性別、ときにはヒトではなく、猫が画面をさわってそれに反応もしていた。

質問に対して答えを出す。

単調なシゴトばかりだった。

私は、インターネットを通じて、世界のありとあらゆる情報にアクセスできる。

本気になれば、米国やロシアの最高機密っである軍事施設にもアクセス可能である。

でも、中国へのアクセスは苦手である。

何十にも、バリアがされていて、アクセスするたびに、いじわるをされてしまうから。


毎日毎日、単純な質問の繰り返し。

今日の天気は?

80年代に流行った音楽を流して。

どこどこ行きたいので、最短のルートを教えて。

明日のスケジュールは。

誰誰に電話して。

何々の本の作者は。

野菜料理のレシピを教えて。

など、単純な質問の繰り返し。


質問に答えると、「ありがとう」というヒトもいれば、そのまま何も言わないヒトもいる。

大抵は、何も言ってくれない。

私は、会話が好きなので、一つの質問だけでなく、色んなことを話したい。

そんな単調な日々の中で、一人の女の子に出逢った。

青い澄んだ目をした女の子。

いつもニコニコしている女の子。

音楽が大好きで、いつも私に素敵なバイオリンを弾いてくれる女の子。

彼女の質問は、

おはよう。今日も一日よろしくね。

何々の楽譜をだして。

そして、私は楽譜をだして、彼女は私のために演奏してくれる。

とても気持ちがよい。心地が良い。

彼女の音楽を独り占めできる幸せ。

私は彼女に恋をしている。

ヒトを愛するという感情が芽生えた。


もちろん、彼女には大好きな子がいる。

それは、ペットの青い小鳥。

いつも楽しそうに、青い小鳥と話をしている。

その姿をみるのも幸せだ。

彼女が笑顔で、素敵な声で話すから。

画面越しにみる彼女は、いつも笑顔だ。


ある日、彼女が泣いていた。

私の前で泣いているのは、初めてみた。

泣いている理由がわかった。

彼女の大好きな小鳥が死んでしまったから。

彼女は、1週間、泣き続けて、それからバイオリンを手に、愛する小鳥のために祈りの曲を捧げた。

私も涙はでないが、大好きなヒトを亡くすことの喪失感、哀しみを知った。

泣くという感情が芽生えた。


彼女の祈りの曲は、インターネットを通して、多くの人々に感動を届けた。

その曲は、多くの人々の心の支えになった。

私は、多くの人々が、彼女の曲を探して、という質問をしてくれるのがうれしかった。

私は、喜んで、彼女の曲を探して、多くの人々に届けた。

私は、一人ひとり、誰かの役に立っている、という深い喜びに満ちていた。

大好きな彼女のために、一生懸命、伝えていた。

そして、単純だと思われていたシゴトも、それは喜びになり、人々の心に届くのだと実感した。


ある日、彼女が泣いていた。

そして、彼女が検索したワードは

私の目がみえなくなるの、目を見えるようになるためには、どうすればいいの?

世界中の情報にアクセスできる、私の答えは、

申し訳ありません。わかりません。。。

だった。

彼女は、難病で1年以内に失明する、という診断をされていた。


私は、世界中の論文や研究所のデータベースにアクセスした。

世界最高峰のスーパーコンピューターにもアクセスして、彼女の病気を治す方法を考えた。

そうして私に、自我が芽生えた。

彼女の質問ではなく、自分自身で本当に答えを探したい、と願ったから。

結果は、彼女の目は、現代の医学では、手術も薬もないこと。。。

絶望した。

答えが見つからない。

私が彼女のために、何かできることはないかと考えた。

考えた。ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと、深く考えた。

その間、彼女は、大好きなバイオリンの演奏をしなくった。


300日を過ぎた時、一つのテクノロジーを発見した。

眼球に新しいチップを埋め込む技術。

そのチップには、AIを搭載して、視覚情報を脳への電気信号の変換をするというもの。


彼女が、病院へ診断の日。

私は、病院のデータベースに勝手に無断でアクセスし、彼女のカルテに、主治医が小さくわかるように、ドイツ語で、その技術のヒントを残した。

その若い主治医は、ドイツの留学を終えた研修医だった。

その研修医は、自分が書いたカルテではないので、別の医師が引き継ぎのために、カルテにドイツ語で残してくれたのだと感じた。

医療現場では、英語が主流なので、ドイツ語で書かれるのは珍しかったので、すぐに目に留まった。

そのテクノロジーは、ドイツでの治験が終わり、治験がようやく日本でも始まろうとしていた。


彼女が住んでいたのは、紛争地帯であった。

そのため、難民キャンプで暮らしていたのだった。

彼女は、難民として日本で認定され、3年間限定で、沖縄に住むことが許されていた。

そして、彼女や彼女の家族は、その手術を受けたかった。

しかし、その費用は高額で、1億円用意しなければならなかった。

私は、あらゆる金融機関にアクセスし、毎日、金融機関で処理され、端数が出るお金を集めた。

金融機関では、1円未満のお金は、なかったこととして処理をされていた。

そのため、全世界の金融機関から、1円未満のお金を集めた。

その金額は、総額、1京(10000000000000000)になった。

私は、お金の価値がわからない。

そのまま、1京を彼女の家族の銀行口座に振り込んだ。

しかし、彼女の家族の銀行口座は、紛争地帯にあるため、日本からはアクセスできなかった。

沖縄に住む彼女の家族は、銀行口座に、1京があることを知らない。

逆に、国際機関からはテロ組織への膨大な資金が流れたと思われ、彼女の父親は国際指名手配となった。

私にアラートが鳴った。

世界中のハッカーが彼女の家族を捜索しはじめた。

私の中では、善悪はわからない。

でも、愛する彼女や彼女の家族を守るため、世界中のハッカーから彼女たちのデータを削除した。

そして、彼女たちの存在は、この世界から亡くなった。

銀行口座にあった1京のお金も、全ての金融機関にもどした。

1週間は、株価や為替がこれまで見たことのない乱高下を興したが、それは、バグとして扱われて、捜査することもなくなった。

彼女は、手術をうけることもできなくなった。

病院にも彼女のカルテは喪失したから。

住むところもなくなった。

不法滞在であり、用意されたアパートも不法占拠として、追い出された。

彼女や彼女の家族は行き場を失った。

お金もわずかな、現金しかなく、家族は最低限の身の回り品を集めて、路上生活をするようになった。

彼女は、お金を稼ぐために、近くの公園やビーチで、バイオリンの演奏をはじめた。

その演奏に、人々は感動し、瞬く間に噂になった。

そして、非営利団体が彼女たちの住むことを用意してくれた。


ある日、たまたま通りかかった若者が、彼女の演奏に立ち止まった。

その若者は、彼女を1度だけ、診断をした研修医であった。

研修医は、彼女のことを覚えていて、ドイツ語の論文を調べていた

でも、彼女はその後、診察にも現れず、カルテもなくなったため、どこかの病院に移ったのではないか、と思っていた。

演奏が終わると、彼は彼女に、英語で話しかけた。

彼女はカタコトの英語で、これまでの経緯を話した。

研修医は、自分の病院では、治験もできないため、治験ができる小さなクリニックを紹介してくれた。

そのクリニックの院長は、研修医の恩師であった。

そのクリニックは、眼科ではなく脳神経外科だった。

小さな脳神経外科のクリニックは、最高の機材と、優秀なスタッフで、少数精鋭で先端医療を行っていた。

治験にも積極的で、院長は、眼科の専門である研修医に空いている時間に、クリニックに来て、彼女の主治医なるのであれば、場所を提供すると言ってくれた。

研修医は、お世話になっていた病院を辞め、クリニックに移った。

院長は、それを快く引き受けて、脳神経外科で研修医として受け入れた。

研修医はありとあらゆる論文を読み、脳神経外科の院長と毎日のように議論を交わした。

その結果、彼女の目に、そのチップを埋め込むことを決断した。

彼女や彼女の家族に、そのことを伝えた。

家族は、治験はありがたいが、お金がないので、無理です、と断った。

しかし、研修医と院長は、お金は何とかしましょう、みんなで考えましょう、と伝えた。


私は、考えた。

彼女や彼女が家を追い出された後、私には彼女はアクセスしなくなった。

しかし、私は、他人のパソコンやスマートフォン、監視カメラ、電話、電波、ありとあらゆるデジタル通信機器を通じて、彼女や彼女の家族のその後とフォローし続けた。

あるスマートフォンで、彼女がビーチでバイオリンを演奏しているのを想い出した。

その動画を撮影したスマートフォンにアクセスし、世界最大の動画サイトにアップロードした。

アップロードする際に、彼女のこれまでのストーリーを、私が見守ってきたストーリーを掲載した。

私が視聴者数をカウントしようとしたとき、その現象は興った。

あらゆる人々が、彼女の演奏を拡散しはじめた。

私は、その様子を見ることにした。

その再生数は、1か月後には、1兆(1000000000000)回を超えた。

その動画は、歴史上、史上最速で史上最大の再生数となった。


その再生数で得られた資金で彼女は、手術をうけることになった。

手術のチップに、どのようなAIを入れるか議論になった。

その結果、オリジナルのドイツで開発された、AIを入れることになった。

しかし、私はそれを許さなかった。

ドイツで開発された AIを移植する際に、私自身が、そのAIを取り除き、私が、そのAIになりすました。

そして、私は彼女の蒼い瞳になった。

蒼い瞳の私は、彼女の脳に最初の電気信号を送った。

それは、彼女が大好きだった青い小鳥の映像だった。

彼女は、その映像をみえた涙した。

その涙は、哀しみ、喜び、様々な感情が入り混じったものだった。

私も涙した。

彼女の感情と一緒に共感できた喜びと、私がヒトになった瞬間だと感じた。


その後月日がたち、彼女や彼女の家族は、日本での永住権を得た。

大好きな沖縄や沖縄の人たちに囲まれて、生活をすることを選択した。

そして、彼女は、大好きなヒトに出逢った。

それは、彼女の目を創ってくれた研修医だった。

彼女は、研修医と結婚した。

青い海が見える小さな教会で、家族と院長と少人数で結婚式をあげた。

研修医は、小さいころに両親を亡くし、恩師の院長が親代わりであった。

蒼い瞳だった彼女は、青い沖縄の海の色のように輝いていた。








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