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後輩のお式Ⅲ(前)

出来立てのお色直しのペールピンクのワンピースドレスにお着替えをして
窓から、階段を降りて行く皆の背中を見送った、この木はよく憶えているのですが..
気が付くともう夜で二次会の入場時で、

白のワンピースドレスに着替えも済んで、ヘアメイクさん達がラプンツェル風のコーディネートを。写真では私も一緒に花を挿していました。


後輩は幼少時にドイツで暮らしていたことがあって、だからか哲学的なところがあるというのか
高校生の時(修学旅行ででしたっけ)に告白をされて以来、ずっとお付き合いをしてきたご新郎いわく、
どこか気高いところのあるようなところに惹かれた ということの

Wikipedia「ラプンツェル」の挿絵より

何となく私は、よく分かるような気がしました。
新婦は耳の敏感で優れた人で、私は自分が目しか見えないような人なので、彼女の能力に本当によく助けられるのです。

彼女は音楽が好きで、お式当日にも友達と合唱をすることになって
https://www.youtube.com/watch?v=jOegTv3a2h4
「糸」を選曲したと聞いて、彼女らしいなと思いました。

グリム童話では、森の中を歩いていた王子がその美しい歌声に引かれ、塔の中のラプンツェルを発見します。

後輩カップルが二次会場に木を持ち込んで
披露宴のあいだに裏方作業し、明かりを灯してくれていました。

Wikipedia「ラプンツェル」より
>魔法使いが「ラプンツェル、ラプンツェル、おまえの髪を下ろしておくれ!」と言うと、金を紡いだような見事な長い髪を窓から垂らし、それをはしご代わりに塔へ出入りさせていた。

私はお色直しの送り出しの後に、軽くて美味しかった..
グラスワインをいただいて、ひとりで控室で寝てしまいました。

この建物の最上階で何となく、ラプンツェルの魔法使いになったような気分になって、幸せに寝ていたような気がしてきます。

>ある日、ラプンツェルは魔法使いに「ねえおばあさん、最近洋服がきついの」と口にし、怒った魔法使いはラプンツェルの髪を掴んでばっさりと切り落とし、荒野に放逐する。

夜には雨は止んで、披露宴のち二次会までのあいだは公園で
あのピンクのお色直しのドレスで、友達みなと撮影をしていたようでした。

私のアトリエを出る直前、夜中のフライトの本当にギリギリまで
マネージャーがつくって完成したレース刺繍トレーンが、光に照らされて丸く写っていました。
写真を見ながらここまで書いて寝てしまった
昨夜は、この日から10年経った2023年の9/29、中秋の名月でした。

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