スターウォーズの9を見て思った事

面白いものを作るべきだ。


2020年になった。もう俺も今年で16歳、春から女子高生である。そんな俺は去年の年末に映画を2本見た。ルパンの3Dとスターウォーズ9である。ルパンは実験的な挑戦として素晴らしいと思う。3Dでよくあそこまで作ったものだ。特に次元と峰不二子が素晴らしかった。脚本とヒロインと石川五右衛門はダメだったけど。

スターウォーズ9は俺にとって面白くなかった。やはり最初のスターウォーズ3部作に強くこだわってるせいだと思う。最初のスターウォーズ、今でいう4だけど、あれが最高だ。シンプルでストーリーが面白い。まあでも後から作られたエピソード123も嫌いじゃない。789が好きになれない。まあそれはそれとして映像としては素晴らしいと思う。それに部分的には良かった。例えば炎の中からルークが出てきてライトセーバーをキャッチするシーンは良かった。でも全体として面白くなかった。

なんだか伏線の回収とかどうやってまとめるんだとか映画業界の事情とか、そんなのばかりでグダグダに見えた。話としてかなり破綻してた。ワープの特攻だけでスターデストロイヤーが破壊できるならこんなに戦争長引かないだろ。俺は思う。あの映画は「面白い映画を作ろう」と思っていなかったのではないかと。ごめん、言い過ぎた。そうじゃなくて優先順位が低くなったのか。この要素も入れなきゃいけない、これは入れちゃいけない、このアイデアならみんなびっくりする、そんな小手先の細工と大人の都合とが絡み合って、面白くしなきゃいけないというごく当たり前の事が後回しになったのではないかと思う。いやこれは俺も何か話を考える時や動画を作る時にそうなることが多いので偉そうに言えないんだけど、自戒として。

結末を考えずに出したいろんな伏線を回収しようとしたらグダグダになるのはすべての物語で仕方ない事であり、バックトゥザフューチャーのようにきれいに回収するには最初から計画を立てなきゃ無理だ。だからスターウォーズ9は完成する前からグダグダになる事は決まっていた。そうなる運命だった。可哀そうな子供なのだ。

話は変わるがM-1グランプリってあるじゃろ?2019年はミルクボーイのコーンフレークっていうネタが最高だった。これが面白いんだけど、割と漫才としてはスタンダートなテンプレである。でも面白いのだ。斬新なネタで迫るかまいたちやペコパのほうが漫才師としては上だし実力がある。でもあの場で一番面白かったのはコーンフレークのネタであり、彼らが一番笑いを取ってたのは間違いない。

そもそもM-1グランプリっていうのは「このままじゃ漫才は旧態依然の伝統芸能になってしまう、新しい風を取り入れよう」という発想から戦いの場としてできたものと聞く。だから旧態依然の漫才ではなく新しい物を武器にみんな腕を競うんだけど、審査基準はあくまで誰が一番面白かったかを競うので、斬新でなくても旧態依然の漫才が一番面白かった場合はそいつが勝つ。イベントの趣旨とは違うけど、それはそれで新しい物が古きものを追い越せなかった結果なので仕方ないんだろう。そこで面白さで負けてるものを優勝させては誰も付いてこないんだ。だから今の芸人達は古い物を新しい技で正面からぶちのめさなくてはいけない。これはとても難しいことだ。でも見てる側からすれば新しいとか古いとか関係ない。面白いのを見たいよ。

長い年月を経て培われてきたテンプレートを叩きのめすのはとても難しい。でも新しい事にチャレンジするのは素晴らしいことだ。そもそもスターウォーズは新しい映画の映像の在り方を追求して生まれたのだ。だけど、そういった作り手の都合を客に押し付けてはいけない。最初のスターウォーズは革新的だったけど、そんなの関係なく映画として面白かったのだ。

まず面白くないといけない。まず感動がなくてはダメだ。まず心が動かないと。

技術とか奇抜なアイデアとか映像とか、後回しだ。どんなに素晴らしくても、つまらないとダメなんだ。

ディズニーがスターウォーズを買って名前で客寄せして、人種差別にならないよう黒人も東洋人も入れて、男女差別にならないよう女性も戦いの場に入れて、そうだ!アナキンが暗黒面に落ちたのと逆に今度はベンが悪から正義になるんだ!とか・・・・ そういうの後回しでいいんだ。まずは面白い脚本だ。 そして、それが一番難しい。


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