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「など」と「等(とう)」の使い分け。もしかして…読んだ時の響きが決めて?

注:この記事では「等」を「など」と読むかどうかは記載していません。平成22年内閣告示第2号「常用漢字表」に基づき「等」は「とう」と読むことを前提に記載しています。

文章を書いていて、「など」と「等(とう)」の使い分けに悩まされたことはありませんか?

・カレーには、人参や玉ねぎなどの食材を入れる。
・カレーには、人参や玉ねぎの食材をいれる。

ん~、どっちが正解か?
なんか「等(とう)」すごい形式っぽいから「など」が良い?

ちなみに結論はどっちでも良い。
選ぶ基準は語感で決めてね。だそうです。

実用例を見てみよう

まずは例を見てください。

例:「など
牛・馬・豚・羊・山羊・鶏などの動物を飼っている方へ」(千葉県)
https://www.pref.chiba.lg.jp/chikusan/tetsuzuki/siyoueiseikanrikijun.html

特に違和感は感じませんね。
数点の例を提示した上で「など」とすることで、提示以外にも複数の動物がいることを想像させる文です。

例:「
牛、やぎ、にわとり等を飼われている皆様へ」(岡山県)
https://www.pref.okayama.jp/page/700324.html

これも違和感は感じません。
「など」と同じように数点の例+「等」とすることも同じ構図です。

例:「など」と「等」を組み合わせる
牛・馬・豚・ヤギ・家きん(鶏など)等を飼育している方は届出が必要です」(大分県大分市)
http://www.city.oita.oita.jp/o159/shigotosangyo/norinsuisangyo/1498611868336.html

これは高度な応用例ですね。
「家きん」には「鶏」とそれ以外の動物がいることを想像させ、さらに提示した動物の例や「家きん」以外にも他の動物がいることを「等」で想像させる文章です。
これは「など」に「など」がかぶるのを防ぐために、あえて「など」と「等」を使い分けている雰囲気がありますね。

例を見る限り「等」でも「など」でもいいんじゃないかな?


公用文は「等」だらけ

興味があれば法令検索e-GOVで最近の法律を調べてみて下さい。話題の法令だと「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に「等」が入っています。

まず、「新型インフルエンザ」と一例を示し、続けて「等」とすることで「新型インフルエンザ」と「他の何かそれっぽいものを含めた」という感じでを表し、これらの「特別措置法」であることを示しています。

こんな具合に法令の名称には「等」が大量に使われれています。
やっぱりお役所言葉「公用文」には「等」が似合うのかな?

すこし調べてみたのですが、「等」と「など」の使い分けについてコラムを書いていた弁護士さんが出した結論は…

とくにはありません。

え・・・。

公用文で「等」(読み:トウ)が硬い感じを与えると思われるとき「など」と読むときは「など」を書くことになります

結構、読んでみた時の語感で使い分けているんですね。


やっぱり基準が欲しい

ここからは私が体験した一部業界でのマイナールールをご紹介します。

基準の例1:

・例に連続性があり想像できるものは「等」
・例に連続性がなく無数にあるものは「など」

実例で見てみましょう。

等 :日本で流通する硬貨は1円、5円、10円等がある。
など:カレーには、人参や玉ねぎなどの具材を入れる。

硬貨は想像でき、500円玉まで想像できるので「等」
カレーの具材はある程度想像できるけど、無数にあるので「など」
これも一つの基準ですね。

基準の例2:

・1例ないし2例を例示する際は「など」
・列挙の省略の際は「等」

これは以下のサイトで確認した事例で、妙に”なるほど”と思ってしまったので、ご紹介しました。

これを「公用文作成の要領」で確認してみると、たしかにそんな気もする記載がありました。なるほどね…この基準も一理あるかも。

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おわりに

結局、先に示した結論「なんか語感良い方を使えば?」で良さそうです。
あまり難しく考えず、場に合わせて使い分けましょう。

他にも「読みやすい文字数」などの記事書いているので読んでみて下さい。


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