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成績標準化に関して~早稲田法学部の入試を例に

今日は、成績標準化に関してお伝えしたいと思います。
Twitterにて、「早稲田法学部の合格最低点が下がってレベルダウンしている」というツイートがありました。
早稲田法学部に関しては、合格最低点が下がっているので合格者の学力が下がっている確率は多少上がりますが、下がったとは言い切れません。

「?」と思った方が多いかもしれません。
合格最低点が下がればレベルも下がっているだろう。と思う方がほとんどでしょうね。このような話をすると、法学部に拘っているオッサンというようなことを呟かれることもあります。
ですが、そうではありません。

考えてみましょう。
早稲田法学部は全科目において、成績標準化を行っている、と入試要項にて公開しています。平たくいえば、全科目の得点を平均50%、標準偏差10に換算しなおしているということです。わかりやすくいってしまえば、素点ではなく偏差値化しているということです。ここから何が言えるかというと、「早稲田法学部の合格最低点は単に倍率を表したものでしかない」ということです。倍率が3倍ならば偏差値55で合格点です。その場合、おおよそ150点の55%である82.5点が合格点になります。倍率が6倍ならば偏差値60で合格です。そのばあい、おおよそ60%である90点が合格点です。倍率が15倍ならばおおよそ65%である100点が合格最低点です。以前の早稲田法学部の個別入試は10倍に迫る倍率でしたが、今は6倍ほどの倍率になっています。ゆえに合格最低点が下がっているということです。
もちろん倍率が下がれば優秀層も減り、合格ボーダーが下がった、という推定は成り立ちます。しかし、逆に記念受験層が受験しなくなった、あるいは少数精鋭になってレベルが上がった、という可能性も考えられます。ゆえに、少なくとも早稲田法学部に関しては、「合格最低点に惑わされない」ことが重要になります。

ちなみに東大文系に関しては、「東大文系受験の手引き」において合格最低点の考察を行っています。早稲田は公式アナウンスで成績標準化を公言していますが、東大はどうでしょうか?2021年は文科の全科類において合格最低点が似通っています。これは全科類が同レベルなのか?それとも早稲田のように成績標準化を行っているのか、これを検証しています。気になる方はぜひお買い求めください。


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