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消化管エコーって何するの?

こんにちは。まだまだ暑い日が続いていますね。

さて、今回の振り返りは、消化管エコーの総論です。

消化管エコーがなぜとっつきにくいか?

消化管エコーってなかなか苦手意識がある人が多いのかな?多分、上腹部ルーチンと違って消化管が難しいのは、次の2点と思います。

  1. 実質臓器(肝臓みたいな充実性のもの)ではない

  2. 中に空気が入っちゃってる

この結果、何が起きるかと言いますと、
「さあ、消化管エコー始めるぞ!!」
「うわ‥、何を見ていいか分からん。」
「てか今見えてんの?」
「 (やめよっかな…) 」
となるわけです。

大体、腹部エコー始めるときの上腹部ルーチンは、"正常は描出することはできる" ので大丈夫ですが、消化管がいやらしいのは、"正常が描出するのが難しい"というところですね。

…、なので開始直後に挫折し、なんか適当にやってしまうという悪癖がついてしまいます。僕がセミナー講師をするときは最初にこう言います。

"消化管エコーは正常が一番難しいです。病気があるほうが分かりやすいですよ。向こうから存在を主張してきますから。正常を描出できてるのかできていないのか分かりにくくて、最初は辛いと思いますが、心折れないでくださいねー"

参考書教えて下さいと言われることもよくありますが、その場合は川崎医科大学の畠先生か成田赤十字の長谷川先生が著書のものをオススメしています。お二人はこの領域のパイオニアですから。

前置きはいいとして…,で、何を評価するの?

簡単にいうとですね、壁肥厚(菲薄化も)の有無腸管拡張の有無を見ることを目的としてください。

☆ 壁肥厚がある場合 ☆

層構造を見てください。
層構造が保たれている場合はどこの層が腫れていますか?
層構造が消失している場合は腫瘍性病変の可能性が高いです。

☆ 拡張がある場合 ☆

閉塞機転はありますか?
ある場合の原因は何ですか?

総論的にはこんな感じが異常所見です。壁肥厚と腸管拡張は合わせ技でくることも多いですので、あとは鑑別疾患をたくさん想定することです。

上達のコツは?

技師と医師で異なると思っています。

技師の場合はとにかく正常をしっかり見ることです。若年者や小児は見やすいと思いますので、しっかり系統的走査ができるようにしてください。

医師(研修医の先生を想定してます)の場合は、CTと病変を照らし合わせるとわかりやすいと思います。CTで映っている病変がエコーでこんな感じになるんだ〜っていう興味を持ってもらえれば良いです。とりあえず有所見を中心に当てていくことが長続きするコツかと思います。


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