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症例発表や症例報告、どうやって作る?

今回は症例報告についてのお話です☺️
僕も全然語れる立場ではないのですが、ためになるので読んでいただけたらと思います。

さて、症例発表する時に、「これでいいのかな?」「どうすればいいか分からない」「相談する人がいない」など悩みを抱える検査技師さんは多いと思います。いざ "やれっ" て言われても、指導するほうもされるほうも何となくやってる方が多いのでは?と思います。

そんな時に役立つ考え方があります。

CARE Care Report Guidelines とは?簡単に説明

なんためにあるかと言いますと "accurate and transparent data collection" です。正確で透明性の高いデータ収集が重要ということです。

“Good case reporting demands a clear focus, to make explicit to the audience why a particular observation is important in the context of existing knowledge” (Vandenbroucke 2001).

"良い症例報告には、明確な焦点が必要で、特定の観察が既存の知識との関連で重要である理由を聴衆に明示する必要がある"

最初にCAREを知っていれば、発表の質が上がります!逆に書き上がった後にチェックすると抜けが多くて不安になりますので、最初にCAREに沿って書くことを強くお勧めします。

CARE Checklist

上記サイトでダウンロードできるので、ぜひ一読ください!

CARE checklist

CARE checklist  日本語解説

最初から見ていきましょう。やっぱりタイトルはカッコよく決めたいですね!A care of …… に頼りがちですが、ちゃんと care report はつけた方が詐欺っぽくなくて良いのでしょうね💦

TitleからAbstractまで

タイトル、キーワード、アブストラクトについてです。
アブストラクトで引用しちゃダメですよーって書かれていますね。
Key word  の最大数はジャーナルでまちまちのような気がします。

はじめにから症例提示(患者情報)

しっかりと患者情報を提示する必要があります。詳しく提示することで、疾患と症状の関係をまとめます。患者特定情報の非識別化は大切ですね!


診断の根拠と治療

診断の根拠と診断名を述べていきます。治療に関しても記述します。


考察

最後は考察です。参考文献を引用しながら考察していきます。この症例から得られた教訓 (新規性・新奇性) をまとめます。care reportにもlimitationはつけた方がいいみたいですね。case reportであることがlimitationだと思ってました😅

いかがでしょうか?
もちろん学会発表の抄録ではだいぶ端折らないといけませんし、発表する学会によって、重みのバランスは違うと思います。超音波関係の学会や雑誌では超音波検査の分量が多くなるので、それは全然大丈夫と思います。

あとは倫理委員会です。要配慮個人情報があれば患者さん本人の同意が必要ですし、なかなか判断が難しいと思います。症例報告は倫理委員会の対象外となる場合が多いですが、まずは倫理委員会に諮って対象or対象外の判断を仰ぐことが無難と思います。

ちなみに研究デザインによって、他にも似たようなcheck list ありますので、興味ある方はSTROBE checklistとかありますので、検索して見てくださいね!

※ 日本語訳が変なところは僕のlimitationです😇


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