【感想】AliAの音楽で感情を揺さぶられっぱなしの日々 「AliAliVe2024-emotion-ツアー」
2024年4月21日から始まったAliAliVe2024-emotion-ツアー。石川、愛知、大阪、福岡、宮城、新潟、北海道、東京の日本全国8カ所を回るツアーに参加してきたので、その感想を書いていこうと思います。
まずはセトリ。ネタバレを防ぐため多少ボカシますが、1曲目からもうズルい。前回のツアーからの繋がりを感じる曲から始まった時点で、相当アガりました。そこから最近の曲と往年の名曲や定番曲を織り交ぜたセトリが続くわけですが、盛り上がる所では全力で会場を湧かせて、しっかり聴かせる所では思わず息を吞む程の音楽で圧倒するという、メリハリがあってライブが終わった後、この曲順が正解だったと思えるセトリでした。
特にAliVeのAYAMEさんの表現力というか曲の世界に入り込んでいるかのような歌唱は圧巻。絶望と愛の感情を吐露するような歌声と、聞き手の感情をかき乱す演奏と、明滅する真っ赤なライティングの演出で、映画のクライマックスを見ているのかと錯覚するほど迫力でした。
光の演出と言えば、秒速340メートルも外せない。AliA全員の歌と演奏から、AYAMEさんの歌声だけになり、音が一瞬完全に消えた時、ライトも完全に消えて会場は真っ黒に塗りつぶされます。そこからの一気に爆発するような音と光の洪水は、情報量のギャップに鳥肌が立ちました。こういう静と動の切り替えの演出が終始魅せる魅せる、文字では伝わり切らないのが本当に悔しいです。
ライブ後半は盛り上がる曲の連続で、会場は拳を突き上げたりクラップしたり跳んだり、息つく暇もありませんでした。途中から腕が上がらなくなったり、足が震えて跳べなくなったりするレベルで完全燃焼しました。全部この会場に置いていけと言わんばかりの、客席を煽るパフォーマンス流石です。
ツアータイトルにもなっているemotionも当然歌ったのですが、この曲がツアーを通じて一番色んな意味で成長を感じた曲でした。AliAメンバーのパフォーマンスが仕上がっていくだけでなく、客席のシンガロングも回を重ねるごとに一体感が増していて、みんなで一緒に覚えたという実感が心地よかったです。FANFARE会員の前でemotionを初めて演奏した時、ERENさんが言っていた「この曲はみなさんが頼り」ですという言葉。その意味をツアーを通じて理解した気がします。
AYAMEさんの歌は当然素晴らしかったけれど、曲と曲の間のAYAMEさん抜きのインストルメンタルだけの演奏も見所でした。歌声での感情表現もさることながら、楽器の演奏でも喜怒哀楽の感情の機微が表現できるという事実が面白く、あの時間は言葉無しでステージと客席がコミュニケーションを取っていました。そもそもAliAのライブはMCなしでひたすら曲の連続で最後まで突っ走っていて、それでも感情や彼らの言いたいことが伝わります。ライブってコミュニケーションなんですね。音楽ってすごい。
羽田公演では次のライブツアーや韓国公演の発表があったため語られませんでしたが、他の公演ではERENさんから今回のライブツアータイトルをemotionにした理由が語られていました。なぜあえて今使い尽くされたエモという言葉をタイトルにしたのかとか、AliAなりのemotionとか、ツアーに込めた想いをERENさんの言葉で語ってくれました。しかも公演ごとに微妙に言ってる内容が変わっていて「もしかしてこれアドリブで毎回話してる?」と思いました。時には言いたいことがまとまってない事もあり、それもまた想いがあふれてる感じがしてエモでした。想いを言葉にするって本当に難しいです。今こうして書いてる感想だって、私がAliAのライブから受け取った感情の3割も表現できていません。全部は伝わらなくても140文字では収まりきらない想いがあふれて感想を綴っています。
ここで曲以外で今回のライブツアーで好きな所を発表します。ERENさんとSEIYAさんが拳をぶつけ合う所とピックを投げる所、TKTさんのキーボードにめちゃくちゃ顔を近づけて弾いてる所と思ったより歌いながら弾いてる所、RINAさんの「らーらーらー」を「もっともっと聴かせてください」と煽るようになった所(ツアーの最初の方はやってなかった)とバイオリンの弦を持ちながらクラップする動きが可愛い所、AYAMEさんのlalalaの時のパフォーマンスの治安が悪い所と羽田公演でRINAさんが人気で妬いてた所。
このツアーを通じて私自身の感情の変化としては、AliAのメンバー全員の事が好きになったことです。何度もライブに通った単純接触効果と言えばそれまでだけど、音楽に対するひたむきな姿勢とか、ライブ中の全身全霊のパフォーマンスとか、全曲終わった後のクシャクシャになった最高の笑顔とか、ライブ後にFANFARE会員だけに見せる少し緊張が解けた緩い姿とか、知れば知るほど好きになる要素しかありませんでした。
それと個人的な話としては、ツアーにかこつけて全国各地を旅して、そこでしか会えないSNSの友人と会ったり一緒にライブに参加したのも楽しかったです。ライブの中で発生するエモだけでなく、全国各地で老若男女問わずライブに参加してる人がいたり、友達や彼氏彼女や親子が連れ立って参加していたり、色んな人の人生の一ページにAliAがいるんだという事実もエモだなぁとシミジミ思いました。
「何かを決める時はいつだって感情が理由だった」というフレーズがemotionを歌う前にありました。石川公演を見た私が「全部の公演を見たい」と思って国内全部の公演チケットを買ったのも、AliAの音楽によって喚起された感情が理由でした。AliAのライブを見ながら泣いたり笑ったり、ライブが終わった後に友達と一緒に良かった所を語り合ったり、ひとりで両手両足に乳酸を感じながらAliAの曲を聴いて余韻に浸り帰路についたり、AliAの音楽を通じて、色んな感情が思い出として体と心に刻まれています。
AliAの音楽は背中を押してくれたり気持ちを鼓舞してくれると評されいて、私もその通りだと思います。曲を聴いていると自分を肯定してくれている気持ちになります。その応援歌のような音楽は前向きなだけじゃなくて、絶望や不安や羨望も多分に含まれていて、それが綺麗事じゃなくリアルな言葉として胸に刺さるのかもしれません。
何よりAliAの音楽はライブではそのパワーを何倍にも感じました。音源で聴いている時とは歌も演奏も迫力が桁違いで、一度AliAのライブを味わってしまうと病みつきになること請け合いです。
これを読んでいる人はほぼAliAのライブに行ったことがある人だと思いますが、もしまだ未体験という人は、ぜひAliAのライブに足を運んでみてください。きっとそこでしか味わえない感情に出会えるはずですから。
そして最後にツアーを終えたAliAメンバー全員に労いと感謝を。おつかれさまでした。そして最高の音楽体験をありがとうございました。あなた達は本当に素晴らしいバンドです。あなた達の創る音楽に言葉では言い尽くせないほどの感情をもらいました。全力で音楽に打ち込む格好良いあなた達の姿を、これからも応援しています。