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中京競馬場攻略法

皆様どうも、大卒ジョッキーです。

早速ですが、競馬で1番大事なのはなんですかというと大抵の人は馬と言います。ですが、現実は違います。馬場です。

どんなコースを走るかを知らないと競馬予想は出来ません。コースによって、馬場状態によって、好走する馬の適性が変わってくるからです。

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これは僕が作った競馬ピラミッドです。

競馬とは馬場の上を馬が走り、馬の上に騎手が乗ります。最も大事なのは馬場で、その次に馬、その次に騎手となるわけです。


では今回の本題、中京競馬場攻略法について語りましょう。まずは高松宮記念が近いので、1200mについて考えてみます。

中京芝1200ってどんなコース?

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芝の最後の直線は412.5mと東京競馬場(525.9m)、阪神競馬場外回り(473.6m)につぐ長さ。つまり、そこまで長くはないが、短くもない。ではこの画像から分かる特徴をまとめてみよう。

特徴①

スタートしてから直線まで、緩やかに下り続けている。

特徴②

スパイラルカーブという最終コーナーの曲がり角度が異質である。他の競馬場に比べて半周した状態から更にまだ曲がっているため、外を回すとかなり距離ロスが大きくなりやすい。

特徴③

更には、このスパイラルカーブはずっと緩やかな下り坂で、楽にスピードに乗りやすい。スピードに乗った状態でコーナーを回すと外に大きく振られやすいのだ。

特徴④

淡々とコーナーを回って直線に差し掛かって間も無く急坂が待ち受ける。

こんな事はどんな記事を読んでも書いている。だからなんだ?という話が1番大事なのである。


どんな馬が走る?

では、先程の特徴から走る馬を考えてみよう。

特徴①のスタート後に緩やかに下り続けているという点から分かるのは、ポジション争いで乳酸が溜まりにくいという点。勿論ポジション取りが激しくなればなるほど乳酸は溜まりやすいが、基本的には溜まりにくい。なので比較的、乳酸抵抗力は重要視されない舞台となる。

特徴②、③のスパイラルカーブでは、外に振られるときつい。ましてや内の馬場が良い状態だと距離ロスがあり、更には遠心力による無駄な力を使わざるを得ない。なのでBコース替わりに行われる高松宮記念ではコーナーのロスを省くのはかなり大事になる。

特徴④から大事なのは、ギアチェンジ能力となる。それは、コーナーで外に振られないように走った後、そこまで長くない直線でなんとかしないといけないからである。更にはその直線の入りで坂がある事によって、力強くギアチェンジしなくてはならない為、パワーも必要になる。

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なので、高松宮記念で馬券になるには最低でも必要な能力はこれくらいになるだろう。

まとめると、スタートしてからそこそこポジションを内目に取れて、ロスなくコーナーを回り、直線に向くと凄まじいギアチェンジで仕掛けれる。これが出来れば、上位に来る確率はかなり高くなる。

ですが、競馬とはこればかりではありません。

馬場状態による必要な能力の変動

これが実は1番大事なのかもしれません。今ある馬場を見て、必要な能力の変動を理解しないといけないのです。

では例えば、高松宮記念が超高速馬場で行われたとします。すると必要な能力にどんな変化が与えられるでしょうか。

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超高速馬場となるとタイムが早くなります。タイムが早くなるという事は、馬場の摩擦抵抗が減るという事です。つまりは楽に速く走れる馬場になるという事。となるとスタートや基礎スピードはより重要性を増してきます。

楽に走れるので乳酸抵抗力は通常時に比べて更に不必要となります。

最高速度やギアチェンジ能力、パワーも、いつもよりスピードに乗った状態で直線を迎える為、通常時より不必要になります。

このように馬場を見て必要な能力が変化するということを知らなくてはいけません。

では逆に馬場が悪化しまくったらどうでしょう。

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どうせ速く走れる馬場ではないので基礎スピードはそこまで大事になりません。その代わり、タフな馬場でポジションを取りに行こうとすると下り坂とはいえ乳酸抵抗力が必要になります。

更には、直線に向いてからもタフな馬場となると、最高速度やギアチェンジ、パワーも必要になります。これは高速馬場や普通の馬場と比べて、摩擦抵抗が大きくなり、この部分に極端に負荷がかかる為です。

これは単純な例ですが、アンドヴァラナウトという馬が愛知杯で大敗したのを覚えていますでしょうか。

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愛知杯ではローズSの時より馬場がかなりタフでした。そうなると、先程述べたように必要な能力が変わってきます。そして、以前僕がツイートしたように、斤量が重くなるとギアチェンジとパワーの部分の足を引っ張ります。なので、必要な能力ベクトルとは、かけ離れてしまったのではないかと思います。

話は逸れましたが、このように馬場によって適性が大きく変わると考えられます。そして、高松宮記念極悪馬場のグラフを見て分かるように、高松宮記念の場合は必要な能力が全体的に増幅します。なので去年の高松宮記念を思い出して頂きたいのですが、本当に実績のある強い馬達のワンツースリーでしたね。高松宮記念の場合は、馬場がタフになると、尖った能力より総合力が問われる舞台になりやすいという事です。


応用編 それぞれの距離で考える

①中京芝1400

中京芝1200に比べてスタートの位置が200m下がります。となると

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