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マイルCS2021

レース展開

阪神競馬場の内はかなり剥げてきており、内ラチから4頭くらいは馬場の悪いところを走らされてしまう。だが今回の舞台は阪神外回り。ということは最後の直線では前にいる馬から順番に馬場の良いところを走るのがセオリー。

だがしかし、今回はそうはならないと思う。何故なら荒れているのは最後の直線だけではないからだ。詳しく解説しよう。

道中の馬場の内側もしっかりと荒れており、それによって内を走る馬達は道中の消耗も激しい。そうなると直線に向く前に逃げ先行勢の体力が底をつき、垂れてくる。となると直線に向くまでに外から被せられるのだ。ということは外の馬が真っ直ぐ馬場の良いところを目指して走るため、内ラチ沿いを走っている馬達は外に出せない。となると必然的に馬場の悪いところを走らざるを得ないのだ。

逃げ馬が強かったり、ペースが緩めばそうはならないが、今回は大外にサウンドカナロアという1200の逃げ馬がいたり、内ラチ沿い1枠1番にはホウオウアマゾン、真ん中には10番ロータスランドとはっきりと前に行って勝負したい馬が揃っている。そうなると近年、緩んでいたペースとは少し話が変わってくるのではなかろうか。そして外を走った馬が極端に馬場の恩恵を受けるのではなかろうか。前半3Fは34秒代前半にはなるだろう。タフな持続力がある馬が好走してくると思う。

◎8ダーリントンホール 和田竜二

前走は手術明けでしたが、調教を見るとかなり落ち着きが出ていた。そしてそれがそのままレースでハマり、直線は前壁で残り200mくらいしか追えてはなかったが、それでもかなりの脚を見せてくれた。前走時からグッとよくなっているというわけではないが、この馬の調教を見ていてある事に気がついた。それは右回りの時のギアチェンジが凄いという事。恐らく手前の関係で右回りが得意なのだろうけど、この馬の右回りは手前を替えてから一気にピッチが上がりストライドが広がる。皐月賞の時の調教を見れば良くわかると思う。そして皐月賞のレース内容も大外からかなりの脚を使っていた。今回の調教を見ても確実にその時に比べて良化しているし、前走のレース内容も天井を見せていない。

そして何より、少しペースが流れるとタフな持続力勝負になると想定され、この馬の土俵になると思う。最高速度がそこまで速い訳ではないが、コーナーからのロンスパ勝負ならこの馬が最も優れていると判断した。枠も真ん中で、レースは後ろからだろうから、和田竜二騎手ならしっかりとロスをカットして馬場の外目を走らせてくれる。


○11カテドラル 戸崎

まずこの馬の特徴として最も優れているのは右回りのコーナリング力。どんなペースであれコーナリングを活かした加速がとてつもない。今回はコーナーからのロンスパという想定なため、当然この馬を選定。そして状態も段々と良くなってきており、近走は安田記念以外に崩れていない。安田記念の時の調教は動きが良くなかったし、常に外外を回し続けたため実力が中間くらいだったこの馬にとってはかなり厳しかった。今回は枠もコース形態もレース質もどれを取ってもドンピシャなため、安田記念のような無残なレースにはならない。

また戸崎騎手も馬場意識が高く、尚且つコーナーから動いて行くためドンピシャの走りをしてくれるだろう。前走はどん詰まりから残り100mで差し切っており、とんでもない加速を見せたが、本来はコーナーから最後まで脚が使える馬。ここも楽しみ。

▲5サウンドキアラ 武豊

変幻自在のコントロールが効くというのがこの馬。馬場の良いところにさえ出せれば一瞬の脚も追走力もあるので着狙いが刺さる可能性はある。


△3シュネルマイスター 横山武史

3歳馬は古馬との斤量差が1キロしかないのがこのレースの苦しいところ。そういう難しさはあるが、それを加味しても強い。毎日王冠ではチグハグな追走から後方一気で差し切り。相当なポテンシャルを見せた。今回の調教では前走時より良化しており、道中の追走という課題も少しは克服してきているようにも思えた。

ただ問題は馬場に対しての枠。この枠で大丈夫なのだろうか。横山武史で大丈夫なのだろうか。内ラチにピッタリということも考えられるので相当難しいレースになる。ただ能力が最上位なので一応。


△12グランアレグリア ルメール

この馬の調教は最低評価の★1。それでも能力が抜けていると見て選出。ただ、頭はないんじゃないかと思っている。理由としては調教の動きから、やっぱり前に行きたがってしまうだろうというところ。それと、実を言うとこの馬は数々のレースを勝ってきたが、スローからの瞬発力勝負というレース質の時のみ勝っている。正直あまり乳酸抵抗力は高くない。基礎スピードがあるから乳酸が溜まらないだけで、今回のレースで前目に行けば確実に乳酸は溜まる。そうなると今までの負けたパターン全てに該当する。

例を挙げると、前走の天皇賞春は前目に行って乳酸が溜まり末脚が使えず。大阪杯も同様。3歳時のNHKマイルはかかって乳酸が溜まり末脚不発。朝日杯も同様。そして桜花賞は勝ちはしたが、馬場が高速だったため乳酸抵抗力が不要な馬場。以上のことから乳酸抵抗力が問われた時は例外なく負けているのである。決め手が削がれるということ。今回はそれに該当するし、そうなる。あの調教のコントロールの効かなさで後方で折り合わせたならお手上げだが、そうはならないだろう。飛んで欲しいが、2、3着くらいにはいるのかなあ。

△7インディチャンプ 福永祐一

馬の衰えを感じるも、安田記念では4着。勿論衰えているが、それでも強い。人気馬がコケると圏内に飛び込んでくるだろう。そして何より最高の買い要素は、騎手福永祐一。馬場が荒れれば荒れるほど、レース質が難しくなればなるほどこの騎手は輝く。圧倒的な馬場読み能力から間違わない仕掛けどころ。インディチャンプのような使える脚が短い馬をここまで好走させて来たのは間違いなく福永祐一のおかげ。ここも期待したい。

△10ロータスランド 田辺

能力のベクトルは分かるが限界はわからない。スタートしてから400mから600mのラップが緩まないレース質では全て勝っている。他馬はここで乳酸が溜まるが、溜まらないのがこの馬の特徴。息を入れながら速く走れるのだろう。ただ瞬発力は間違いなくここでは通用しないので、前目に行って持続力の天井を見せた事がないこの馬は通用する可能性がある。調教もかなり良さそうで、ここを狙って来ている。


普段より紐が多くなったが、荒れる要素はたっぷりあると思っている。なので買い目を広げて3連系まで見ておきたい。


買わない馬


1ホウオウアマゾン 坂井流星

坂井であれば逃げたいだろう。そうなると絡まれるだろうし、馬場の悪いところを走らないといけない。前走は強かったが、斤量は軽かったし距離も1400。ここを見据えているのなら逃げてはいけなかった。

2クリノガウディー 岩田ボウ

正直買うかどうか悩んでいる。恐らく下げて大外をぶん回してくる。でも流石に届かないとは思うが、馬群を綺麗に割ってくる神騎乗が炸裂して、人気馬が転けたら2%くらいありそう。まず大外ぶん回しの根拠は前走内容が1600の馬に変化させるレース内容。常に引っ張り倒して我慢させていた。今回の調教も衰えたと思ったが、エンジンをかけさせない調教だったのではと後々に気付いた。★1を撤回して★4を付けたい。

4サリオス 松山

ブリンカーがなければ買えたけど、流石に先行では厳しいのでは。朝日杯の面影を追っているのだろうが、相手が4流だったから差されなかっただけではなかろうか。ここで内ラチ沿いを先行して粘り込んで勝ったらそれはもう伝説。ただ気になるのが先週から松山騎手が外を回しているということ。明らかに差しを意識しているということ。そして最重要事項は競馬ブックに書いてある、クォーターカップのブリンカーを着用するというのは何なのか。一週前追い切りで付けていた物とは違って視界の遮りが甘いものなのだろうか。そうなると下げて外を回してくる可能性まである。パドックでブリンカーが通常のものと違っていれば、、、。

6ケイデンスコール 岩田康成

流石に能力の頭打ち。調教がいくら動いても厳しいのではなかろうか。

9グレナディアガーズ 池添

勿論良い馬。持続力タイプで一見レース質にマッチしているように見える。ですが、本質は1400の馬。調教は最高評価を付けたが、池添騎手にNHKマイル3着の川田騎手のような距離を誤魔化す騎乗が出来るとは到底思えない。

13ダノンザキッド 川田

全てで能力不足。






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