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決算資料で分析する「電子コミック市場2022」の現在地

はじめに

 ほとんどの皆さん、はじめまして。
 マンガ会社を起業して今月で5年目、コミチ代表のマンディです。
 毎日、GoogleAnalyticsを始めとした分析ツールを見てデータを眺めるのが趣味なのですが、今回は株式公開しているマンガ関連企業の決算発表資料をベースに、電子コミック業界を分析してみたいと思います。

コミックス市場規模

 まず先日2/25に出版科学研究所さんより発表されたコミック市場規模を見ると、2021年の市場規模は6759億円で、過去最高となります。去年は6,126億円と、1995年の記録を塗り替えたわけですが、2021年は更に成長した年でした。

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下表は、出版科学研究所さんが出している表に成長率を合わせたものです。
市場を牽引しているのは、電子コミックであることがよくわかります。
そして、気になるのがコミック誌が10%以上マイナス成長であることです。電子コミックが好調な今だからこそ、コミック誌に対する打ち手が必要ではないでしょうか。

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電子書店の決算比較

次に、電子書店サービスの決算比較となります。
各社、電子コミック市場の成長の波に乗りまして、順調に成長をされています。総じて言えることは、ある程度成長すると、オリジナル作品を手掛け、更に利益率を押し上げる動きをされているということです。

電子書店を長らく牽引してきためちゃコミさんですが、今期の売上予測は410億円と減収予測です。海賊版や競争環境激化の影響もあるとはいえ、ついに電子コミックス市場の伸びも踊り場に来たのかもしれないと思いました。マンガ BANG!さんも、2019年の大きな伸びに比べて、伸び率そのものは落ち着いてきています。
某マーケティングデータによると、ピッコマさん・LINEマンガさんをはじめとしたマンガアプリの売上の伸びが横ばい、もしくは減少しているようでした。いよいよ電子コミック市場は、次の手を打つべきタイミングに来ているのかもしれません。

一方で、アルファポリスさんの決算報告を見ると、自社プラットフォームにある小説をもとにコミカライズをするIP展開で、近年は売上も収益性も伸ばしているようです。実は、前述の2社さんもそれぞれ同様の、売上だけではなく収益性に関わる施策も行われていて、このあたりも電子コミック市場の変化につながっていくように感じています。

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ウェブトゥーン関連の動き

最後に、ウェブトゥーン関連のIRニュースをまとめたいと思います。

いま一番ウェブトゥーン関連で注目されているアカツキさんですが、2018年より毎年4年間営業利益が100億円以上出ている会社になります。アカツキさんはゲーム→IP事業が得意な会社で、決算資料をみると、IP事業としてウェブトゥーンを捉えられています。韓国のウェブトゥーン企業もIP化がうまいですし、すごくシナジーのある動きなんだと思います。

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それ以外にも、昨年9月のセルシスさんとWEBTOON Enterainmentさんの技術提携は、注目のニュースでしょうか。全世界で1000万人が使うクリエイターのデファクトスタンダードツールであるCLIP STUDIO PAINTを提供するセルシスさんと、月間利用者8200万人のサービスを抱えるWEBTOON Entertainment社さんがどのように連携していくのか楽しみです。

まとめ

 今回は、データ分析が趣味の僕が決算発表資料をベースに、電子コミック市場の現状をまとめてみました。2022年は、電子コミック市場が引き続き伸びるのか?踊り場なのか?注目の状況です!

 そして、コミチでは「100年愛されるマンガづくり」に貢献したいという思いから、電子コミック誌を簡単に作れるツール「マンガSaaS」を提供しています。
 もしご興味のある出版社さんがいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。

「マンガSaaS」について、詳しくはこちらをご覧ください。

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