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202203~04 音符をまねるのでなく情熱を受け渡す感じ

チ。 やばい
人生変えるレベルの漫画
俺が生涯かけてやろうとしてることはきっとこういうことなのだと


3月某日
新しい現場の同期チェック
基本的にただ厚みを出すためだけみたいな同期は減らしたいタイプなのだけど
新しいひとたちとの作業なので様子見
パラデータで聴くとほんとギターがいろんなことをやってる
これをライブ用に一本にまとめるのはなかなか苦労しそうだ

何年やってもこんなメモが大事

3月某日
新しい現場の初リハ
音の入れ替わりに対応するため四苦八苦
俺史上最も速弾きにも挑戦中
思ったよりはいけるが
思ったようには弾けない

下手くそは機材に頼る好例

重めの音が鳴ってるからGabage face使おうと思ったけど
ベースでしっかりレンジ確保できているのであえてRocket Grey Fuzzに
こっちの方が収まりがいい
ちょっとだけプッシュする音に最初はケンタ当ててたんだけど
歌と近いところにダンゴができちゃうので
Free the ToneのRed Jasper採用
ケンタと似てるけどこっちの方がミッドレンジがすっきりしてる

苦労すると思ったファンキーな曲はいい感じで
いけると思ってたギター中心の曲で苦労する
何年やってんのよまったく

全体の印象でこの現場はミドリちゃんでやろうと思ってたけど
弦を切ったタイミングで使ったメインのヨーダ様の音をみんなが気に入る
そりゃそうか
このギターと共に俺はあるのだから

3月某日
ちょっとだけ気分転換に夜桜

さくらさくら

今年はゆっくり花見する時間がなさそうだ
ありがたいことだけど
ちょっとさみしい

3月某日
ずっとずっと楽しみにしてたDinosaur Jr.の映画を観に行く

見栄を張るでもなく
かっこつけるでもなく
伝説化するでもなく
ただひたすらに見せつけられるバンド内人間関係

誰かのためじゃない
自分のためでもない
ただそうするしかないから音を鳴らすんだ
それをうっかり喜んでくれる人がいたら
こんなシアワセなことはない
何度も何度もうなづきグッとくる

パンフレットに書かれた椎名さんの文章が
とても筆圧高く
ブッチャーズのことを書いているようで
まるで俺たちを見透かしているようで
さらに深まる

ドラムを叩くようにギターを爆音で鳴らす必要があった
広大な脳内世界に没入するために爆音が必要だったように

俺の歩んできた道は
正しかったとは言えないけど
そんなに悪くなかったんだなって
それは再結成のDinosaur Jr.を伸太郎と見に行った時にも感じた感覚

早くライブしたい


3月某日
wash?リハ
思いついたアルペジオを新曲にはめてみる
うまくいった!
けど自分で考えたフレーズなのにうまく弾けない
歌いながらだと尚更弾けない
なんてこった


4月某日
新現場のリハ
前回とスタジオが違ったらモニター環境がとてもよくなって
より俺の下手くそさがわかる

年齢からバンマス的立場なのだけれど音を出したらそんなことは関係なく
ちゃんとみんなが指摘してくれるありがたさ
言われなくなったらおしまいよ

ドラマー誕生日をみんなで祝ったり
そうそうこういうのが必ず音に現れる

めでたい!

4月某日
B.F.I.
前回のリハを経て
正式にライブをすることが決まった

ということはもっと曲を思い出さないといけない
バンド史上これ以上ないくらい必死なリハ

でも自由度の高さがこのバンドの意義
それぞれの合図で展開を変えたり戻ったりするのが楽しい
枠組みとイメージを共有しながら
旅に出たり戻ってきたり
呼吸するように

7年前より一段階余白のあるアレンジにしていく
この方が出入り自由
この7年でみんなうまくなったねって
いい歳したおっさんたちがわいわい

4月某日
ふらっと下北で花見
雨の中手短に

緑道に散り流れる花びらがすき

4月某日
大好きなベーシスト鹿島さんのデビュー35周年ライブに
対バンがアンスキャンダルだし
しかもアンスキャでシゲちゃんがギター弾くっていうし

鹿の一族は本当に大好き
新曲(だと思う)の構造が謎すぎて超かっこよかった
ナオちゃんのいつもどおりの迷子のMCも
ひらひら舞うような鹿島さんのベースも
鹿野くんのどかどかしてるけどグルーブのレンジ管理の行き届いたドラムも
今まで見たなかで一番最高だった
お陰で酔った


アンスキャ見たの何十年ぶりだ?
あの頃は怖かったなー
その頃はパンクをベースにしてる印象だったけど
いまはもっとラテンでありファンキーだった
フィッシュボーンを聴くときの高揚感
親友のハカマくんとジャッキーさんのリズム隊が最高だった
昔はおっかけまでしてたシゲちゃんのバンドでのギターを久々に聴けて大満足

SUPER BADは圧巻だった
エイジさんとは次郎ちゃんのバンドやってた時に
Eiji & Tetsuでご一緒したことはあったけど
SUPER BADは噂だけで初見
ファンキーで尖ってて
でも絶妙にオシャレ
いやーすごいわ

打ち上げに混ざって
篠原とハルとナオちゃんと無量くんと泥酔
2次会でさらに泥
こんな夜があってよかったな

4月某日
新現場で使うFUZZ PROBEのセッティングを追い込む
一瞬しか出てこないんだけどさ
ネット探してもFUZZ PROBEをディープに使いこなしてるひとがヒットしなくて
結局自分で追い込む

裏のトリムはLEDの明暗とアンテナのセンサー感度だろうということが判明

靴によってセンサーの反応が変わるから
やっぱり手のひらでやろうかなー
などと一日中ぴよぴよ

4月某日
やったpavementが来る!

大学時代になんとなく聴いて
へーなかなかいいじゃんって思って
いろいろ聴くお気に入りのひとつに入って

でもなんだか気になり始めて
どんどん聴く比重が増えて
全ての音楽にpavement的要素を探し始めて
気がついたら俺の一番好きなバンドになってた

pavementからもらったもの
俺が思うに
伝える、伝わる、
つまり
聴く人にある感情を想起させるには
技術と表現力が不可欠で
そして技術とは全て表現力のためにあるはずで

そのひとの技術の範囲内で表されたものは(=うまい)
安心感や安堵感や心地よさにつながって
逆に
そのひとの技術の届かないレベルのことをやろうとしてハミ出た時に
その時に初めて
情熱や興奮(のような感覚)に触れることができる気がしてる

うまい とは
指が速く動くことでも
複雑なコードを押さえられることでも
なくて
その音が必要な時にそう鳴らせるってことで

うまい だけでは届かない領域があって
下手では伝わらなくて
そのバランスこそがセンスなのだと
その絶妙さにやられつづけているのだと

その昔
まだ20代の頃
ちょっと技術を身につけたせいでラフなパンク感が出せなくなると感じて
現ちゃんに世間話的に相談したことがあった

大「ちょっと弾けちゃうようになってにあのラフさが出ないんですよ」
現「それはちょっと違いますよ。やりたい表現ができないってことは弾けてないってことですよ」

ああそれだ
って俺の中でpavementが腑に落ちた瞬間

でもたぶん
pavementはそんなこと関係なく
ほんとにへたくそなんだと思う
奇跡的にちょうどいいへたくそ
わはははは

それがまた最高
きっと少しだけうまくなってて
どこかがっかりするんだろうけど
それもまた最高

俺の人生にpavementがあってよかった

ずっと普段通りの
いつも通りの
その特別をつかまえていたいな


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