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令和5年 民族の意志同盟青年政治集会「将来を征せよ」

今年も巡り合わせがよく、民族の意志同盟の政治集会に参加する機会を得た。会場は昨年と同じ市ヶ谷アルカディア。昨年は会場内の「どこの間」で行われるかが分からず難儀したが、今年は入り口すぐのサイネージにより鳳凰の間であることがすぐに分かった。何事も経験が重要である。

11月の同盟の街宣において時対協の河原議長がマイクを持ったこと、宅建太郎の取材が入ったことなどから、いずれかが参列するかとの淡い期待があったがいずれも姿を見ることはなかった。
代わりに昨年は欠席された阿形充規氏が出席し、来賓挨拶もされた点は良い機会であった。


祝電紹介

民族の意志同盟のステッカーを長年作っている職人と、大川周明顕彰会からの祝電が披露された。

阿形充規氏挨拶

開会の辞、国歌斉唱に続いて阿形氏が登壇。
前日は社会の不条理を糾す会の街宣にも参加され、今なお精力的に右翼運動に邁進している。
冒頭に安倍派を筆頭とする政治資金の裏金疑惑への批判から始めた阿形氏。長きに渡る右翼運動において、民族派といえばともすれば反社と同等の扱いをされ、資金の流れの清廉さを求められる一方で、政治家における収支報告書への未記載については咎められない点を訥々と話す。ただの祝辞ではない阿形氏の政治的主張は久しぶりに聞いた気がする。
その後実父による教育、戦中に生きた人の価値観、そして野村秋介氏の言う「民族の触角」を意識したと思われる「警報スイッチとしての役割」の話などを披露された。

同友団体・同盟員の主張

阿形氏に次いで続々と話者が入れ替わる。今年は来賓含め多くの登壇者がおり、とりわけ若手の人員が多い傾向にあった。若手といっても本当に若手であり、現役の大学生や20台と思しき顔立ちの者など、民族の意志においては新陳代謝がかなり速いサイクルで行われていることが伺える。
「40台でも若手」と言われがちな右翼界において希少な存在ともいえる。主張内容は若さが先立つものもあったが、一つの経験の場として良い機会であったといえよう。

小灘支部長演説

昨年は自身の運動の悩みを吐露しつつも同盟の運動に意義を見出す演説に心を打たれた。今年も密かに楽しみにしていた演説だった。
関西支部の活動報告をさっと済ませ、前の話者とも重なる話であるイスラエルによるガザ侵攻について触れた。
主義主張としてはイスラエル批判を堅持し、街宣でも同様の話をしていると語る小灘氏。その街宣の際に知り合った外国人が「インディアンと白人のハーフ」であるという告白を聞き、侵略を非難することは目の前にいる「話の分かる異郷の人」の出自を否定することに繋がるのではないかとの苦悩を話してくれた。
日々街宣に立つからこそ見える景色であり、思考が一段上がる視点だと思えた。先の若手登壇者にもぜひ経験してほしい。

森垣委員長演説

最後はもちろん森垣氏の演説である。今年も団体の長としての謝辞から始まり、今日は特に厳かな雰囲気が醸し出されていた。

「我が団体にタブーはない」
今日登壇した人を想起しながら「今日喋った者は団体を立ち上げたときには誰一人いなかった」と述べる。同盟が続く中で、今日の登壇者がずっと残ることもあまり想定していないのではないか。
もともと右翼とは一人一党的な側面もある。彼らが新たに団体を立ち上げるもよし、また、右翼「運動」から身を退くことも想定しているだろう。
日々の戦いとは「右翼運動の中だけにあるのではない」と森垣氏は語る。「家に帰り夫になり、父になり、はたまた会社員としての自分があり、これらすべてが戦いである」と続ける。人生の中のわずかな時でしかない「右翼としての自分」と「それ以外の自分」に違いなどなく「一人になったときこそ運動である」と続ける。それだからこそ人生はアドベンチャーであると語る森垣の顔は精力でみなぎっていた。今なお街宣においては前線に立ち、お茶の水や永田町でマイクを持ち続ける力の源泉はまさにここにあるという勢いだった。

一方で今日の森垣氏の演説からは笑いも起こる場面もあった。
「我々は過激なことなど…過去には過激なときもあったか」や
「最近は街宣活動の際にお菓子を配ることにしている。そうすると子供がワッと近寄ってくるが、その親の顔は顔面蒼白である」など、こちらも運動の歴史と実績から滲み出る話であった。

終盤に森垣氏は「民族とは有機体である」と称した。強い国とは負けても立ち上がり続ける、という趣旨の中での発言であったが、姿・形を変えつつも民族は残り続けるという強い意志を感じた。

青年日本の歌斉唱

会の最後は参列者全員による青年日本の歌の斉唱と聖寿万歳である。
皆で歌う機会などなかなかないのでこれも良い経験である。
かつてアナーキストの友人が「『インターナショナル』を皆で歌うとどのセクトかが分かる」と言っていた。「いざ戦わん」の音程の取り方などが微妙に違うことを聞いた。
青年日本の歌についても似たようなものがあり、アイジョージ版なのか鶴田浩二なのかなどによって多少節が変わるところがある。
会場で流れたのはアイジョージ版であるが、ところどころ違う音程の歌詞が聞こえた。
ちなみに私はロイヤルナイツ版で歌うようにしている。

参会・直会

プログラムをすべて終えると参会となる。今回も森垣委員長が外で待ち、参加者と握手をして言葉を交わしてゆく。昨年ほど酷い挨拶にはならなかったが、相変わらずアドリブで人と話すことは不慣れであり、近況を報告する程度でお開きとなった。
併設のカフェで直会も開かれるとのことであったが、後ろに用が詰まっていたために参加は見合わせた。

会場は市ヶ谷。靖国神社も近いため、参拝をして九段を去った。

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