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高校サッカー選手権に出た思い出

10月から高体連のサッカー部は選手権予選が数えるほどになり、
緊張感が増す。

当日ニコニコしてきた選手も、負けて終わった際は大泣きして、
翌日から魂が抜けたようになることもある。

今はリーグ戦も残ってるから即引退でないけれど、
かつては選手権敗退=引退で、その瞬間高校サッカーは終了となり、
家に引きこもる人間が出たり、バイトを始める、免許に通いだす、
今まで部活まみれで見えなかった個性を知る

私はレギュラーではなかったが、県大会を勝ち抜いて正月の選手権に出場した。
勝ち抜くコツは色々あるが、一番は落ち着いて戦いつつ、ここという所で勢いを見せる事かと思う。
青森山田と米子北や幾つかの都道府県を除いては、
名門校やプレミア出場校も負けたりギリギリの勝負だったりする訳で、
先制される、PKに持ち込まれる、様々なケースでも折れずに戦うメンタルが一番かと思う。

予選を勝ち抜いた際の喜びは、今でも忘れない。
全てが報われたような喜び、これまでの夢を達成した瞬間、仲間や親に感謝の気持ちと、様々な気持ちがこみ上げ、そこから2ヶ月先の選手権までは毎日が楽しく感じる。

この期間で一番のイベントとしては選手権メンバー発表。
私の頃は確か11月には決まっていたので、メンバーは落ち着いて大会へ望める。
ちなみに総体は数日前のメンバー発表だったので、メンバーに選ばれてホッとして直ぐに大会だったので、選手権とは全く違う。

つまり、高校サッカー人とっての12月~1月は、選手権に出る出ないの学校や選手に違いが生まれ、
人生で初めて勝った負けたを感じる、
喜びと悲しみの期間だと思う。

選手権本選は12月中頃からいよいよ感が増す。
期末試験を終えると、朝練(自主練含む)が終わり、
普段の学校を終えてからの部活もここで終了となる。
練習も調整や練習試合中心になる。
隣県や本選で当たらなそうな学校中心に組む練習試合で、
自分たちの現在地を知り、本選に向けた戦術を考える。
対戦相手の県大会決勝の映像は必ず見るだろうが、
高校生の2ヶ月前の試合というのは参考になるのは少し。
12月末には地域の新聞にも取り上げられ、
いよいよ始まるという楽しみMAXになる。
こんな感じで選手権が始まる

開会式は試合もないので最高に楽しい。
何人かの選手は中学時代の知り合いと再会し、旧交を温める。
お互い来れて良かったね、進路は?じゃあ頑張ってねと言い合う。
会場に入る所から沢山の観客に見守られ、
夢の着地点に着いたことに実感する。

試合が始まると一気に緊張感のピークを超え、
一分一秒が一瞬のように過ぎていく。
力を発揮出来る出来ないの差が顕著にで始め、
連日半分の学校が涙を流していく。
ただ、県大会の涙と違って優勝を目指す幾つかの学校は
試合に敗れる悔しさより、
同じ仲間との時間が終わったことへの涙の方が割合としては大きくなる。
監督からの最後の言葉、チームメイトとの感謝の気持ち、
おなじみのお涙頂戴シーンは分かっていても涙が出る。。。
ある程度はやり切ったけど、国立まで行きたかった
これが沢山の学校の本音だろう。

ちなみに必ず各学校で数人体調不良者が出る(笑)
これはあるあるで、移動や寒い時期による事で、
大事な試合に万全でない選手が出るのだ。

メンバーに入ってない三年生や選手権に出れなかった学校は毎日が哀愁と向き合う。
1,2年生は必ず来年は自分がそこに立つと誓う。

高校三年間で一番残酷な時間かもしれないけど、
おそらく一番大人になる瞬間だと思う。

そんな選手権を、今年も楽しみに迎えようと思う。

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