つらつらガチデッキ vol.3 ガイアッシュ覇道
はじめに
4ヶ月ぶりとなるつらつらガチデッキ、今回は4月9日、10日に私が使用し、入賞した【ガイアッシュ覇道】について解説していく。
そんな奇特な方がいるかは不明だが私のブログの熱心な読者はご存知の通り、【ガイアッシュ覇道】とは以前、別シリーズとなる「つらクソvol.12」にて紹介したデッキである。
当時、こちらの「つらガチ」シリーズで紹介したかったと述べた通り、このデッキは受付競争やフォーマットの問題から使用機会に恵まれなかった。
正直、そこそこ自信のあるものの旬が、使用できないままじわじわと過ぎていくのは寂しかった。
時は過ぎ、競技環境が移ろい行く中、【ガイアッシュ覇道】は再び使用に値する環境を手にし、私はCSの受付に成功した。
だから、そう。これは
構築編
1.きっかけ
私のここ数年のデュエマ人生は、私が住むアパート、通称「ボル邸」とそこに集まる人達と共にあった。残業の後でも翌日が早くても私たちは大好きなデュエマに明け暮れてきた。
取り分け懇意にしているしとろん先生(以下しとろん)とは今年に入って、競技シーンで使用するデッキについて日夜語り明かしていた。
2022年2月中旬、その頃の私、もとい私たちは【ダムド】にお熱だった。
ミッドレンジ気味に攻め立てるレッドギラゾーンを軸とした型を好む私と、盾に触れたくないがためにドルゲペイン+シャコガイルでフィニッシュすることに決めたしとろんとで性格の違いが如実に出たことをよく覚えている。
しかし、3月の初頭ともなると時はJO退化全盛。《影速 トリッパー》に全幅の信頼を寄せた構築を使っていた私にはかなり風向きが悪く、別のアーキタイプを模索しているところだった。
3月中旬、毎週のごとく入賞を繰り返していたしとろんと対照的にCSに出れない日々が続く中、私は《流星のガイアッシュカイザー》が環境上マッチしている可能性に注目していた。
【JO退化】や【鬼羅.Star】には一度でも食い止めれば強烈なカウンターに。
《地龍神の魔陣》を採用し、速度を落とした【アナ退化】には蓋となる。
【巨大天門】をはじめとする踏み倒しデッキには言わずもがな。
この時期の環境上位アーキは
【JO退化】、【アナ退化】、【火単我我我】
であり、検討の余地は十二分にある。
何より、以前挑戦したアーキであることや私の好む盤面を構築して攻め立てるアーキであることが私を強く刺激した。
ストレージで眠るこのカードで勝ちたいという気持ちが私を奮わせた。
2.変遷
最初の構築はこのような形だった。
どこかのCSで入賞した構築を参考にさせていただいて作成した。
構築時の環境において、私たちは1つの指標を定めていた。
それは「火単を受け切れる」ということ。
環境に一定のアグロがいる以上、スタートラインをそこに決めていた。
メジャーな形であり、以前私が挑戦した形となる【龍軸ガイアッシュ】は受けが心許ない構築になりがちだった。
そこを踏まえた結果が
《戦武の無限皇 ジャッキー/「俺たちの夢は終わらねぇ!」》(以下「夢」)である。
「ドラサイで死ぬならこれ踏んでも死ぬっしょ笑」みたいな感覚で採用した記憶があるが、実際問題バトル+バウンスの2面処理は優秀でドラサイザーディほどではなくとも、これ自体は十分受けとして機能していた。
また、ジャッキーの相方として《終絶電融 パワーロビン》を選択。年の初めにシールド戦に参加した時に感じた「こいつ構築戦でも普通に強くね?」の感覚とキナ臭いカードを好む私の"癖"から投入に踏み切った。
初稿時点から変わらないこのデッキの大きな特徴は、「フェアデッキでありながら環境上のアンフェアに不利がつかない」という点にある。
現在の環境で目下最大のアンフェアデッキにあたるのは【アナ退化】だが、このデッキにはガイアッシュカイザー、ジャッキー、プチョヘンザといった3種類の蓋が搭載されているため、相手の一人相撲を咎めることが可能となっている。
一定数存在する【水魔導具】に対しても、先攻であれば2→4→6ジャッキーが間に合うため、こちらの土俵で闘うことが出来る。
ただ、この時点での構築はカツキングを単体の受けとして信頼しすぎている節がある。状況を選ぶトリガーは0.5枚換算くらいに考えた方が精神衛生上よろしい。
そうなるとこのリストはGS8枚トリガー4枚換算となってしまうためもう少しトリガーを増やしたいと考えた。
その結果がこのリスト。
「夢」のバリューを上げるトリガーとなるお馴染みトリガー《終末の時計 クロック》を採用し、構築理念の要求は満たしているように感じる。
ガイアッシュありきのカードを減らそうとしたくせに「夢」ありきな《勝災電融王 ギュカウツマグル》が入っていたチグハグさも解消されてまあ悪くないかなーなんて考えていた。
しかし、このデッキには致命的な欠陥がある。
クロックがトリガーしてもガイアッシュは投げられないのである。
なんなら以前
こんなことを書いておいて何も学んでいないのである。
愚かな産業廃棄物はデッキではなく私の頭だった。
その後しとろんの持ってきた宝剣型(ダンテやVANを山から埋めて【救いたい】で拾えるみたいな触れ込みだったはず)なんかを試しながら問題改善を目指す日々を過ごした。
VANは5C対策(笑)なんて言いながらデッキを回していたある日のこと。
打開策を見つけたのは私ではなく、しとろんだった。
《スローリー・チェーン》。カウンターのための防御としてはこれ以上ない効果を持ち、《アルカディアス・モモキング》の影響下でも問題なく使用できる防御トリガー。
クロックと比べれば手撃ちする機会もあり、求めていた全てを持ち合わせていると言ってよかった。
こちらを組み込んだリストは以下の通り。
ここからさらに環境における5Cコントロールの減少やデッキ内の水単色の減少を鑑みてジ・ウォッチを2枚投入することで完成したのが以下のリストだ。
解説編
先述の通り今回のリストは龍軸ではないため初動にGS持ちを採用でき、ドラゴンを持たないトリガーを多めに採用できる差別点がある。
今さら語るほどでもないカードが多いため比較的採用されづらいカードについて触れていく。
《【マニフェスト】チームウェイブを救いたい【聞け】》
…この世に生まれ落ちた数多の4コストブーストで最強の1枚(だと勝手に思っている)。
チームウェイブがこのカードに救われたかは定かではないがクソ⇔ガチを問わず多くのデッキを救っている。
【ガイアッシュ覇道】というアーキタイプにおいても例外ではなく、中盤以降必要になるが手札にキープしにくい10コスト帯などをマナに逃しておく余裕をくれる。
マナ埋め問題がシビアなデッキなのでそこを軽減してくれるだけでも十分ありがたいが、1枚を2枚以上に出来るカードが少ないデッキなため単純なリソース確保手段としても重宝する。
《戦武の無限皇ジャッキー/「俺たちの夢は終わらねぇ!」》
…このデッキにおける誰おま枠1号。
クロニクルデッキ発売当初はドロン・ゴーとの相性からそれなりに話題になった気がするが、今では全試合でテキスト確認される不憫なやつ。
類似カードに挙げた《ドラゴンズ・サイン》ほど手撃ちはしないが一応パワーロビンを早出しすることもある。
実は上面を出すことも少なくない。
現在の速度を落とした【アナ退化】相手であれば落城、ダークネス、ネイチャーを咎めることができるため、6マナ帯ではガイアッシュと選択となる。
具体的には墓地にバルカディアNEXがある場合は、呪文を止めてもデスマーチ+ドリアンの択が残るためガイアッシュをキャストし、退化からのワンショットを牽制。そうでない場合は先にジャッキーを置くことで、ガイアッシュを除去される択を潰せる。
《終絶電融 パワーロビン》
…誰おま2号。クロックが抜けた後、ジャッキーで射出する5枚目以降のカツキングを探した結果、舞い戻ってきたディスペクター。
盾からのジャッキーでバトル+バウンス+exライフの3面受けになる他、シータ基盤では貴重なシールドが増える存在なため、スロチェを仕込めることなど噛み合いが優秀。
革命チェンジとも相性が良く、極端な例ではあるがパワーロビンがいる状況でカツキング召喚→チェンジ剣→カツキング踏み倒し、という行動で
カツの効果バウンス、カツが出たロビン効果バウンス、剣が出たロビン効果バウンス、カツの効果バウンス、カツが出たロビン効果バウンス
と5面バウンス+2回バトルの7面処理が可能となる。
このデッキはリソースの大部分をカツキングと救いたいに頼っているため置きドロソとして使える点やバウンス効果を利用して殴らずにジ・ウォッチと半ロック出来る点も魅力。
対面別解説
対面別解説については別途ページを用意したので興味のある人は下記リンクを参照していただきたい。
差別化
ここまで【龍軸ガイアッシュ覇道】との違いはある程度語ってきたが、最近浮上していた【ヴェノミック覇道】ないしは【ダムド覇道】との差別化点を語って終わりにしようと思う。
そもそも、【ダムド覇道】とはなんぞやという人のために簡単に解説させていただくと
ダムドの盤面制圧力とガイアッシュ覇道を掛け合わせた正にミッドレンジといったデッキ。
龍軸の爆発的マナブーストの代わりに、デドダム、火噴く、ヴェノミックでリソース管理も充実しており、12〜14枠ほど受けを採用するスロットもある。ヴェノミック+覇道で毎ターン安定してEXターンを得られるフィニッシュも強み。
正直なところ、事前に今の型を思い付いてなければこれで出てたかもなーというくらいには好きな形である。
私情を抜きにして、このアーキを握らなかった理由、つまり差別化点を挙げていくと
・カツキングプチョを入れる枠がない
この王来篇最終環境においてカツプチョパッケージはあまりにも刺さっている。あらゆるビートダウンどころかアンフェアデッキであるアナ退化すら否定できるパワー。このパッケージを無理なく採用できる点はガイアッシュ覇道を選択する上で大きなウエイトを占めていた。
実戦で解を得るまでは、ここを譲ることはできなかった。
・多面受けカードを採用しづらい
我我我を獲得してからの火単は単純な1面止め程度なら1〜2枚くらいは超えてくる。
ダムド型はスパイナーや旧王などのカードを選択できるが、これらはJO相手に刺さりが悪い。前者はアルモモ下でも使用可能だが、確実なカウンターとして機能させるには下準備が必要となる。後者は言わずもがな。
我我我とJO、どちらにも機能する受け札を採用したかった。
反面、ビートダウンが環境から減少傾向にあるときはこちらを使用するのがいいだろう。
レンジが後ろのデッキ相手には明確にこちらに分がある他、どちらかだけになら寄せた受け札を採用できる為、立ち位置はいい。新弾出たらどうなるかわからないけどね。
終わりに
いかがだっただろうか?
【ガイアッシュ覇道】はこの先も踏み倒しデッキが流行したり、10コスト以上のカードが追加される限りは巡る環境の中で使用する機会が訪れるはずだ。
なんなら流行の兆しを見せる【火自然アポロヌス】相手には強く出れる為、まだまだ環境に居座れるかもしれない。
その時にこの記事が少しでもお役に立てるなら幸いである。
それではまた次回!