実録!運営会議 デイリーポータルZがnoteを始めた理由を明かします
実録!デイリーポータル運営会議
9月の暑い日。都内の格安レンタル会議室にて。
デイリーポータルZ Webマスターの林雄司と、ライターの石川大樹、岡田有花が、「デイリーポータルZ、今後どうしよう?」と悩んでいる。(書き手と写真:岡田有花)
デイリーポータルZは、読み手に届き切ってない?
林:
デイリーポータルZって、まいにち面白いことをやっているんだけど、そういうのが好きな人に届き切ってないかもしれないと思っていて。
例えば、デイリーの運営についての話は、ITmediaとか外部に取材して記事にしてもらってきていて、ITmediaに載ると話題になるんですよね。
で、ITmediaの記事が出ると、「デイリーポータルZをはげます会」(有料会員制度)を「しらなかった」という人が必ずいる。デイリー内部ですごく宣伝しているのに、メディア自体の発信だと全然届かないなと。
中で面白いことやっててもそんなに刺さらなくて、運営のことを外から取材してもらうと知ってくれる人がいる。メディアの周辺にみんな興味があるのかもしれない。
岡田:
デイリーを読みたい人はもっといるはずだと、私も感じています。
デイリー=カルト映画説
林:
デイリーって、千鳥(お笑いコンビ)が出るような、わかりやすいものじゃないから、外部目線のストーリーが大事なのかな?
外部に取材してもらうと、「デイリーって、お金にならない変わったことをやっている、知る人ぞ知るメディアです」って、ストーリーを語ってもらえる。世田谷自然食品のCMみたいに。
(世田谷自然食品のCMは、愛用者が商品の効果やストーリーを語る)
ストーリーがあると飛び込みやすいけれど、ストーリーなしで、「雑草の後にレタスを食べると最高にうまい」って言われても、紹介者がいないカルトムービーみたいになっちゃう。
この間、「人気のカルトムービー」と聞いて「ナポレオン・ダイナマイト」っていう映画を見たんですけど、登場人物が全員棒読みで。途中2回ぐらい辛くなりました。人気だって聞いてなければ10分でやめてた。でも、最後まで見て「面白かったな」って。
岡田:
そう聞くと見たくなりますね。
語り部が必要かもしれない
林:
映画そのものだけじゃなくて、外部の語りが面白いんだよね。「マツコの知らない世界」とかも、出演する人はマニアックなんだけど、マツコのツッコミのおかげで成り立ってる。デイリーも語り部が必要なのかもしれない。noteだと自分で語ることになるか。
岡田:
外の人が語ってくれるといいんですけどね、なかなか……。
石川:
企業とかがインフルエンサー施策やタイアップ広告を出すのはそういうことかもしれませんね。外の目線で紹介してもらいたい、という。
林:
デイリーに広告を出してくれる人たちも同じことを考えているのかも。自分たちがやってることを、自分ではツッコミにくいから、外の人にツッコんでもらいたくて、広告記事を依頼するのかもしれない。
記事の裏話をnoteに書きます
林:
デイリーの裏話をnoteに書く?
石川:
デイリー全体もだし、記事を書いてくれたライターさんの「ここを工夫しました」「とても大変でした」みたいな裏話もいいですよね。
林:
自分のブログに書いているライターもいて、「なんでデイリーに載せないんだろう」と思っていたけど、楽屋話をステージで話すもんじゃない、みたいなことだよね。
石川:
デイリーに載せようとするとクオリティがシビアになるから。
岡田:
ちゃんと面白くしなきゃ! みたいに緊張しちゃいますよね。
林:
そうだよね、そうなんだよなあ。
石川:
デイリーの紙面に対して、治外法権の場所としてnoteがあるのは、いいかもしれないです。
林:
確かにそうだね。俺も、記事に書くことでもないほどのことあるよな。
この前、iPhoneのLEDゴーストを使って「林」って文字を空に浮かべた時、「マトリックスパネル(LEDがみっちりついているパネル)を使えばいいんだよな」と思ったんだけど、それだとそれだと頭良さげに見えて 面白くないから、段ボールにしたり。
それを記事に書けばいいじゃん、という気もするけど、書かなかったのだから記事では書けないって思ったってことだからね。
こんな経緯で、このnoteが立ち上がりました。
どんどん更新していくので、よろしくお願いいたします!