AIに代替される職業

AI時代で人である自分が活躍するために

1. 現在とこれからのAI社会
2. AI技術の発達による労働環境の影響
3. 活躍するために必要な事

1.現在とこれからのAI社会
 近年、AI(人工知能)の機能向上が著しく進んでいる。人工知能研究の権威であるレイ・カールワイツ博士が「2029年にAIが人間並みの知能を備え、2045年にAIなどの技術が、自ら人間より賢い知能を生み出す事が可能になる時点である技術的特異点が来る」と提唱するほどである。現在、人工知能はチェスのチャンピオン、将棋の八段に圧勝するだけでなく、2016年には人工知能Alpha GOが世界王者囲碁9段にも勝利を収めた。また、身近なところではスマートフォンの音声認識や障害物を避ける自動運転技術、インターネット検索や産業分野のロボット制御や画像処理など様々な領域でAIが活用されている。様々な領域において、便利な世の中に発展する一方で、AI技術の発達による近い将来の雇用に関する影響への不安や心配をよく耳にするようになった。オックスフォード大学では近い将来に現在ある仕事の90%は置き換えられると公表した。また、野村総合研究所もこの先15年で今ある仕事の49%がなくなるというレポートを発表している。これから訪れるそんな社会において、AIと共生していくために人間である私たちが活躍するために今後どうしていくべきかについて考察する。

2. AI技術の発達により生じる仕事の変化
 AIという言葉は研究者によって千差万別の解釈をしており、厳密な定義はないが、大まかに言うと「人工的に人間の知能を模倣するための概念及び技術」である。AIは大量のデータの中から規則性や関連性を見つけ出し、学習していく。その為、「計算」と「統計」を得意としており、データに基づいた単純作業やデータの処理、データを照らし合わせて共通点を見つける仕事は得意な領域である。一方、AIは多様な領域を含んだ複雑な問題を解決するのが苦手であり、創造性が必要な仕事は苦手な領域である。この章では将来、そんなAIに代替される仕事と代替されにくい仕事、新しく生まれると考えられる仕事について紹介する。図1に野村総合研究所とオックスフォード大学の共同研究レポートによる「将来AIやロボットによって代替可能性が高い職業」を示す。図1より、計算や計測の仕事や、単純なデスクワークや資料整理、文字入力といった定型業務では人よりもAIの方が正確かつ作業効率を上げることができると考えられている。図2に「将来AIやロボットによる代替可能性が低い職業」を示す。図2より、お客様にサービスを提供・提案することや全く新しいことを想像する作業、教育に関係する仕事は考える領域がより複雑であることから人間が行う方が効率的であり、代替可能性が低いと考えられている。また、図3にアメリカのITサービス会社「コグニザント」が出版した本「What to do when machines do everything」に示された「AIが普及することによって、新たに生まれる職業」を示す。図3に示すように、AIの発達によってビジネスチャンスはさらに広がり、新しい仕事が出現することが期待されている。

3. 活躍するために必要な事
上記したように、AIと人間の脳は性質が似ている点もあれば、異なる点も存在する。そのため、今後の社会ではそれぞれの強みを活かした働き方をしていくことが重要である。そんな状況において、今後の社会で人間である自分が活躍するためには問題解決の指針を立てる能力が重要であると考える。問題解決するには事象について多面的に物事を捉え、要素やタスクに分割することで「全体像を描くこと」と全体像の中で問題点や効率化可能な点を探し出し「課題を設定すること」、それを改善する「策を打ち出すこと」が必要である。これらの能力を身につけるためには読書や様々な方々とコミュニケーションをとることによって広く深い知識を身につけるとともに、様々な問題に対し、自分の持っている知識を十分に活用して仮説や検証を繰り返すことが重要である。広く深い知識を身につけることによって物事を様々な視点から切り取ることが出来るようになり、全体像をより広く深く描く力が身につく。また、仮説や検証の繰り返しにより問題の本質がどこに存在するかを見極める力やそれを解決するための方法を考え出す力を養うことができ、課題設定能力や策を打ち出す能力が向上する。つまり、AI時代に人間である自分が活躍するために日々の生活の中でたくさんの情報をインプットするとともに、アウトプットする機会を増やすことによって人間の強みである創造力を高め、人間にしかできないサービスを提供できるビジネスパーソンになることこそ最も重要である。

AIに代替されにくい仕事

AIによって新たに生まれる仕事


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