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後で効く 冷酒と 彫刻家の独り言

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彫刻家大黒貴之のオピニオンや独り言をまとめています
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#今を生きる

現代アートの作家として生きていく人、やめていく人

彫刻家の大黒貴之です。 日本にはたくさんの芸術・美術大学、或いは芸術学部があります。 そこから毎年数多くの学生が卒業していきます。 学生時代にこんな話を聞いたことがあります。 「作家(アーティスト)になる志を持って学校を卒業した学生たちは、 5年後、100人中10人になり、それからまた5年後には半分になる」 つまり、22歳で大学を卒業したとして、32歳になるときには、95%の卒業生が作品をつくることをやめているというのです。 経済的、もしくは環境的にやめざるを得な

人の心理は古今ほどんど変わっていない?できる限り、今、自分がすべきことをしよう!

彫刻家の大黒貴之です。 「今日の一針明日の十針!」 一緒に仕事場の改装工事を手伝ってくれている近所のおじさんが言います。 「今日やってしまえば、一針で済むほどのことだけどいつかまたやろうと後回しにしてしまうと十針も縫わないといけなくなって、余計に手間がかかってしまう」 例えば、家の瓦に小さなヒビが入っていてそこから雨が漏れてきています。 少しくらいの雨漏りだからまぁいいやまたいつか今度直そうと思っているとそれが一年経ち、二年経ちそして気が付くと梅雨の長引く雨で柱が腐

【苦境の考え方】冬の時期はエネルギーを増やしている時「ふゆ」「ふゆる」「ふえる」

彫刻家の大黒貴之です 長い人生、順風満帆に人生を謳歌し続けることは極めて難しいものだと思います。歴史や時代にも、波があるように人生にもまた波があるのでしょう。誰もが山あり谷ありの経験を積んでこられているものだと思います。 「苦しい時期は1000日以上は続かない」と誰から聞いたことを憶えています。また、冬の語源は、「ふゆる」。そして、「ふゆる」は、「ふえる(増える)」から成った言葉だと聞いたこともあります。 なかなか前に進むことができない冬の時期は次の春に向けて開花するた

【時間の有限】死の後、その人の生きた証が初めて現れるのではないだろうか

彫刻家の大黒貴之です。 30歳の時に父が他界し、それから「死」について考えることが多くなりました。 祖母が死んだ時、彼女の白骨を観て人のはかなさを知りました。 親父が死んだ時、初めて「死」について真剣に考え始める自分がいました。 「死」について考えることは「生」について考えることと同義なのかもしれません。 人生も中盤に差し掛かると知人の訃報を知ったり、病でその人と接することができる時間が差し迫っていることを感じることが増えてきました。 そのようなことを通じて、自分