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高松宮記念 血統解説❕🔥


こんばちわ!

今週は高松宮記念の血統解説をお出しさせて頂きます!

海外からの参戦もあり、個人的には楽しみな面子が揃ってくれたと感じています!
しっかりといつも通り分析をしていきたいと思います

それでは今週もよろしくお願い致します❕🔥




〜〜高松宮記念・好走血統〜〜


ダート血統
馬力要素

✅ダート血統


このコースは前傾的かつ持続的なスピードを求められる。そういった面をクリアできるのがこのダート血統。

これだけだとかなり広い意味合いになってしまいますが、中でも取り上げたいのはダート型ミスプロ系に当たるForty Niner系やGone West、北米ダート色の強い血統であるStorm Cat、Vice Regent、Danzigあたりがメインになります。

特に、ダート型ミスプロ系に関しては昨年のファストフォースや2021年1着ダノンスマッシュの父ロードカナロア(*ダート型というとやや語弊がありそうですが、Storm Catのスピードが効いたキンカメ系ですので該当とします)、2020年1着モズスーパーフレア(父Speightstown)、2019年2着セイウンコウセイ(父アドマイヤムーン)、2018年1着ファインニードル(父アドマイヤムーン)、2017年には再びセイウンコウセイとその相性の良さを見せています。

中でも、Forty Niner系はミスプロの前向きなスピードを出しつつ、急坂にも耐えられるパワーを出すTom Rolfeを内包している辺りからも相性が良い。

総じて、上記に挙げたダート型のミスプロ系やダート向き(スピード向き)なNorthern Dancer系であるStorm Catや Vice Regent、Danzigと言った辺りは適性が高く注視したい要素になりますし、近年猛威を振るっているとも言えるロードカナロア産駒などもこの面から評価を一段上げたい存在と言えるでしょう。




✅馬力要素


中京コースは直線の前半に急坂が設置されている。この坂をスムーズに超える為にはある程度スピードに乗って惰性を活かす必要があるのだが、この坂に入る前にスピードに乗ろうとするとどうしても4角のスパイラルカーブの影響を受けて外へ振られることになりやすい。逃げ馬や内でスペースを作りながら運べている一部の馬以外はほぼこの影響を受ける事になり、スピードに乗った状態で坂に入って行けるのはごく一部の馬と言って良いでしょう。

そういった意味で、スピードに乗り切れていない状態でこの急坂を超える為に見た目以上にパワーを要する事になる為、パワー・馬力のある血統を持っているかどうかも重要になる。

具体的にはRibotやTeddy、Sharpen upなど。
ただ、短距離戦である故にスピードも重要になる。それだけにスピードを阻害しない事も併せて注視しておきたい。




〜〜高松宮記念・出走馬血統解説〜〜


*ここでは血統評価をA〜Dで評価していきたいと思います。たまにSが出てきます。笑
基準は下記の通り。


①好走血統に沿っているか。
②そのレースで求められる能力に沿っているか。
③その馬が前走より血統的に条件が良くなるか。
④素質を感じる血統背景であるか

の以上4点。加えて、そこからその他条件がついて回り、それが良い方に出そうか、悪い方に出そうか、その辺りを±を付けて評価していきたいと思います。



✅ナムラクレア

血統評価:B∔


京都牝馬S2着から臨みます。

父はディープ後継の中でもDanehillや牝系由来のスピードに富んだミッキーアイル、母父がStorm Catという配合。母方を辿るとMachiavellianの全妹であるCoup de Geineに当たる良血牝系出身で、🇫🇷凱旋門賞馬バゴや欧州G1馬Maxiosを輩出した牝系出身という良血馬です。
牝系のイメージ通り、また、母父がStorm Catという事もあり融通性の利いた並びになっている一定程度のタフさも持ち合わせる血統構成。その上で、父らしい前傾的なスピードに富んだ配合と言えるでしょう

不良馬場になった昨年のこのレースの2着馬。不良馬場だったとは言え、外を回すのが不利になる中京で、大外を回す形で2着まで差し込んできたのは素直に評価して良い内容かと思います。
同馬の馬場融通の広さも改めて確認できたと言えるでしょう。

2歳時から述べていますが、父らしい前向きなスピードを含んでおり、やはりベストは1200~1400mという印象です。特に前傾ラップになりやすいシチュエーションで高い適性を見せるタイプと言えるでしょう。
それだけに8着に敗れた4走前のヴィクトリアマイルや、2着に好走した前走の京都牝馬Sはシチュエーションとしてはベストではないだろうと感じます。

その前走の京都牝馬Sではレース上がりが11.6 - 11.5 - 11.4と加速ラップで推移しており、その中を後方から上がり3位の脚でタイム差無しで追い込んできており、レベルの低いレースだったとは言え、改めて地力を見せたと言える。

1200m戦に変わるのはもちろんプラスになると感じますし、依然として短距離界ではトップクラスの力の持ち主であると言える。大外枠などを引かない限りは高評価すべき1頭と感じます。




✅トウシンマカオ

血統評価:B-


オーシャンS1着から臨みます。

父はサクラバクシンオー後継のスプリンターであるビッグアーサー。母父がサンデー系の中でも揉まれ弱さを併せ持つスペシャルウィークと言う配合。母ユキノマーメイドはNijinskyの4×3持ちで持久力が活きたタイプで、半兄に先行レースを得意としているベステンダンクがいる。こちらは父がビッグアーサーに変わった事で、もう少し適性距離がマイル以下に寄った前向きなスピードを持ったタイプと言えます。
父を含めて、全体的にやや非力感のある血統をしており、下り坂でスムーズにスピードに乗っていく事でパフォーマンスを上げる血統構成です。

ここ2走は1200m重賞を連勝中。共に外枠から外を回す形で勝利しており、高い地力を示している内容と言えます。短距離界でもトップクラスの地力を有していると言って差し支えないと思います。

一方で以前から申していますが、同馬は母父が揉まれ弱さを持ち合わせるスペシャルウィークという事で、揉まれず運べた事が逆にプラスになったとも取れるのが判断の上で難しい所
昨年も述べましたが、この側面がある事で中京コースでは『揉まれず、スピードを削がれないように外を回す競馬をすると差し届きにくくなるし、コースに合うように内をロス無く回ろうとすると、馬群で競馬する事になる可能性が高くなり揉まれたりスムーズにスピードに乗りづらくなる可能性が高くなる。』という事が起こってしまい、噛み合わせが悪いと言える。

こればかりは致し方が無いように思うので、地力と鞍上の腕でどうカバーできるかがポイントになるでしょう。
同馬の地力自体は評価していますが、適性からは評価し辛い1頭です。





✅ルガル

血統評価:A


シルクロードS1着から臨みます。

父はキンカメ後継の良血馬ドゥラメンテ、母父がSadler's Wells系の中でも早熟傾向にあるNew Approachという配合。4代母がKingmamboの母でもあり、リアルスティールやラヴズオンリーユーなどを輩出している名牝Miesqueという良血馬で、そのMiesqueのクロスを持つ並びになっている。
Nureyev≒Sadler's Wellsの名牝Specialのクロスであったり、Miesqueのクロスや豊富なNorthern DancerなどからHyperionを多く補給しており、闘争心や底力と言った所が助長された血統構成になっている。
タフな展開や積極的な走りで闘争心を煽るようなレースが向いているタイプと言えるでしょう。

前走のシルクロードSでは前が離して飛ばす中を2番手で折り合い、直線では早め先頭から押し切り、後続に3馬身を付ける圧勝の内容。逃げたテイエムスパーダを含め、他の先行馬が手薄で非力だった為、付いて行けずに同馬にプレッシャーがかからない絶好の展開になった点は否めませんが、それでも短距離路線で力を見せて来たアグリを相手にこの距離で3馬身差を付けるのは素直に評価して良いと思います。

その前走時にも本命を打ちましたが、『好位に付けられる上に、馬群でも競馬が可能。多少ごちゃ付いても問題無く伸びて来れる~~』としており、内で競馬出来る点は内が有利になりやすいこのコースにおいて非常にプラスになると言える。
また、未勝利時にはダート短距離の良馬場で中京コースを経験しており、前傾ラップや急坂にも対応できるパワーを兼ね備えている点は魅力的。

地力的にもここでは上位の存在と見ています。内目の枠を引きたい所ですが、血統的にも地力的にも素直に評価したい1頭に感じます






✅ママコチャ

血統評価:B∔


阪神C5着から臨みます。

父は独特なパワーを助長するVice Regentのクロフネ。母父がキングカメハメハという配合。母がブチコ、祖母がシラユキヒメなので、近親にユキチャン、ハヤヤッコ、メイケイエール、全姉にはソダシがいる良血馬。中距離ダートや短距離~マイル路線で活躍する馬が多数いる白毛一族です。
強いNorthern Dancerのクロスなどからくる前向きな気性に加えて、4代母父であるStar de Naskra(スピード型Nasrullahの一種、サウスヴィグラスの母父)の影響が強い牝系出身とあり、そういった点からもダート的な前向きな速さやパワーに恵まれている印象です。

昨年のスプリンターズSを制している。そのスプリンターズSでは道中で外に出しやや掛かり気味に外の番手に付け、そのまま押し切る内容。最終的に枠の利や鞍上の立ち回りが光った所はありましたが、掛かりながらも勝ち切った。正直レベルが低いと見ているレースだっただけに、そこまで高い評価は上げられませんが、あのメンバーの中では高い地力を見せたと言えるでしょう。
その次走の阪神Cでは終始外を追走し、ラストはやや甘くなり5着。距離延長が響いたように思いますが、差し馬が台頭した中で3番手から0.2差の5着に粘ったのは評価しても良いように思います。

距離短縮の今回はより前向きなスピードを活かせますし、きつめの気性も良い方向に行く可能性が高いと言える。条件は好転のターンと言えるでしょう。

全姉のソダシ同様にダートでもやれそうなほどにはパワーを有していると思いますし、急坂も問題無いと見ます。地力としては次点レベルのように思いますが、適性的には良い。極端に揉まれるような枠にならなければチャンスある1頭に感じます。





✅マッドクール

血統評価:C-


香港スプリント8着から臨みます。

父がNorthern Dancer系の中でも前向きなスピードと馬力を内包するDark Angel、母父が下り坂血統であるAhonooraの後継に当たるIndian Ridgeという配合。母が欧州のマイルG1で好走経験のあるMad About Youという血統馬で、祖母のIrresistible Jewelも欧州G1で好走経験がある。近親には愛セントレジャーを制したRoyal Diamondがいる、欧州での活躍馬が目立つ良血牝系出身です。
下り坂血統であるAhonooraの3×4を内包しており、惰性を活かして徐々に持続的に加速して行くようなシチュエーションに強いタイプの配合と言える。また、母の多くにもDanehill、Sadler's Wellsと並び、欧州方面の馬力や底力を多く持ち合わせる。総じて父らしい前向きなスピードを母方の重さが土台となっているパターンの血統構成と言えます。

昨年のスプリンターズSで2着に好走。ただ、前述のママコチャの所で少し触れましたが、このレースはややG1にしては低調なメンバーだった事やロスの無い立ち回りが叶った事もあり、その中での2着は過度には評価したくないのが個人的な印象。
短距離戦のメッカとも言える香港の香港スプリントでは通用しなかったのも、個人的には当然だろうと言わざるを得ない。地力的には人気上位勢の中では1枚劣る印象を持ちます。

その上で、パワーや馬力の要素はある物の、下り主体の血統をしている為、急坂でパワーを求められる中京コースは適性的には評価し辛い。
中山も急坂はありますが、勢いに乗った状態で進入出来る分カバーできたというのが個人的な見方。中京での勝利経験はありますが、あくまで条件戦での物。

わざわざ中京替わりで評価する必要は無いと判断し、評価は控えめです。







✅ビクターザウィナー

血統評価:B∔


香港のセンテナリースプリント1着から臨みます。

父はSadler's Wells系の中でもGone WestやDanzigなどの前向きなスピード要素を内包するToronado、母父がDanzig系のCape Crossと言う配合。母方はDomino血脈やTeddyが効いた米ルーツの牝系出身です。
父のToronadoは英マイルG1を2勝している馬で、重い印象の強いSadler's Wells系の中でもスピード要素が強く、Mixed Marriageの牝系クロスからも底力のある種牡馬と言えます。その上で、Sadler's Wells≒Nureyevからよりその底力や馬力の面を助長しており、タフさのある並びの血統構成と言えます。
一方で母方の豊富なDomino血脈やDanzigのスピード源などを取り込んでおり、速力もしっかりとしているタイプと言えます。

前走のセンテナリースプリントでは逃げ切り勝ち。伏兵だった立場だった事もあり、楽なペースで先手を取れたのが大きな勝因だったように思います。とは言え、この距離で2馬身差ほどの差を付けている点は素直に評価しても良いと思います。時計も水準レベルでした。
また3走前の香港スプリントでは4着に敗れていますが、残り100m付近まで先頭をキープしており僅差の敗戦。短距離王国とも言える香港の中でも、一線級と争うほどの地力を有していると言える。地力や格の面ではこのメンバーでも上位に当たると考えています。

基本的には先手を取って競馬をするのが同馬の形なので、ハナを取れるかどうか、スムーズに先行できるかどうかがポイントになるだろうと思います。
その上で、血統的には淡泊なスピードのイメージが強い香港馬の中でも、その淡泊さは薄いタイプだけに、馬群などでも競馬できる素養があると言える。
そういった意味では、内で競馬できる所がプラスになる中京コースも悪くは無いのではないかと感じます。

外枠ならある程度スムーズに先行して競馬できる可能性が高まり、内ならロス無い競馬が期待できるとなれば、どちらにしても評価できると見る。地力的にも十分足りると思いますし、高評価としておきたい1頭です。





✅ウインマーベル

血統評価:B


阪急杯1着から臨みます。

父はForty Niner系の中でも馬力要素を多く含むアイルハヴアナザー。母父がIn Realityを内包するサンデー系のフジキセキという血統。母は牝馬限定のOPクラスで活躍していたコスモマーベラスで、半姉には短距離重賞で好走歴があるウインジェルベーラがいる血統馬です。
Bimelech×Black Helen≒Big Eventによって、La Troienneの馬力やDomino血脈のスピードが強調されているタイプで、アウトブリードベースのタフさも持ちつつ高速馬場や急坂コースも苦にしない極端な瞬発力勝負以外は対応できる万能なタイプの血統構成です。

ここ2走は阪神1400mの重賞を連勝。2走とも内枠を引いた事で同馬にとって有利な形で運べた所が大きいとは言え、そういった中でもしっかりと勝ち切るだけの力は見せれたと言えるでしょう。

今回は距離短縮ローテですが、一昨年の時計の速かったスプリンターズSで2着の実績があり、スピードが不足している感は無いだけに対応は出来るだろうと感じます。

昨年の高松宮記念では10着と敗戦していますが、結果として大外枠と馬場が響いたように思います。
今回もロスの無い競馬が出来るかどうかが一つポイントになると思います。

ロスの無い競馬が叶えば、血統的な適性も悪くないと思いますし地力もこのメンバーの中でも上位と言えるだけにチャンスは十分の印象。枠が最大のポイントになるか。




✅ビッグシーザー

血統評価:C-


オーシャンS2着から臨みます。

父は下り坂血統でもあるサクラバクシンオーの後継であるビッグアーサー。母父がStorm Cat系のTale of Ekatiという配合。母はダート中距離で3勝しているアンナペレンナという血統で、母方を辿ると米G1馬のMshawishなどが一族にいる血統馬です。
母方でStorm Catやミスプロをクロスしており、その他Nasrullahを巻き込んだ血統を多く内包しており、父系含めてNasrullahを13本持つ並びになっている。(数え間違えていたらごめんなさい、、、とにかく多いです(笑))父系らしいスピードや追走力が強化された血統構成ですが、随所に馬力要素もあり、タフな馬場にも対応できるパワーも補完されているタイプに感じます。

前走のオーシャンSでは基本的にこれまで先行して極力揉まれないように運んで押し切る形を取ってきた中で、中団で控えて窮屈になるシーンもありながらラストは伸びてきており、これまでとは違う形で力を見せたのは評価できるポイント言えるでしょう。
2.3走前の走りからも、重賞勝ち負けクラスの地力を有していると言えるでしょう。

その上で、前走で坂を上ってきてからはやや甘くなっていた所も見て取れた辺り、やはりビッグアーサー産駒らしく、下り坂に強いタイプと言えるでしょう。そういった意味では中京の急坂に対しての適性は高く無いと感じてしまいます。

地力的には、ここでは次点レベルの存在と見ていますが、適性面からここでは評価できない。下り主体のコースで評価して行きたいと思います。





✅ディヴィーナ

血統評価:D∔


香港マイル11着から臨みます。

父はRoberto系のモーリス。母父がディープインパクトと言う配合。母は牝馬三冠競争で全て2着、ヴィクトリアマイルを連覇等したヴィルシーナという良血馬。近親にはシュヴァルグランやヴィブロスがいる”大魔神一族”。辿るとRahyやシングスピールを輩出したBallade牝系出身の良血馬です。
父系のグラスワンダーと牝系のGlorious songは同牝系に当たり、相性が良い配合の一つ。スクリーンヒーロー×Devil`s Bag等とも共通する形で、前向きなスピードとその持続力、対急坂的なパワーが良さになる。特に同馬は父母ラインや母父ラインからスタミナ要素を多く取り込み、耐久性も備わったタイプになっている。

ここまでマイル~中距離での活躍が目立つ1頭で、1200m戦は初となる。シンプルに血統的な観点で言うと短距離に向いたようなスピードはあまり無いので、そこまで評価できないと言える。
ただ、同馬の気性的な所で言うと、この牝系らしく前向きさが強い面を見せている為、短縮がハマる可能性はあると言える。一発で対応できるかどうかは微妙な所ですが、追々どこかでハマる可能性はあると思います。

極端に人気が無いなら一変に賭ける価値もありますが、現状の中穴的な位置ならわざわざ買わなくても、、、と個人的には感じます。今回は評価しにくい所





✅ウインカーネリアン

血統評価:C


東京新聞杯2着から臨みます。

父がRoberto系のスクリーンヒーロー。母父がミスプロ系のマイネルラヴという配合。Roberto×ミスプロのNashuaクロスを持つ配合で持続力に長けたタイプ。
また、Tom Foolのクロス(モデルフール≒Buckpasser)を持ち、素軽さも合わさったタイプ。母の奥にはSharpen UpやHyperion、Mill Reefなどの耐久要素を持ち合わせていることから馬力を求められる馬場での高速持続戦というシチュエーションが最も合うタイプの血統構成です。

前走の東京新聞杯では1年ぶりの連対となりましたが、やはり内目の枠を引けたのが大きい。かなり恵まれた結果だったと言えるでしょう。マイル路線でも一線級からはやや劣る程度の地力と判断せざるを得ないと思います。

ここまでマイルを中心に走ってきており、1200m戦は今回が初。距離短縮は良くも悪くも無いというのが個人的な見解。対応自体はできる素養がありますが、慣れが必要だろうなと思います。
そういった意味でここでは評価しにくい。

内枠でも立ち回れる点はこの中京コースにおいては評価できる点なので、内を引いてロスの無い競馬が見込める際は一考の可能性アリですが、基本的には評価しない。





✅メイケイエール

血統評価:B∔


京都牝馬S10着から臨みます。

父はディープ後継の中でもDanzig的なスピードを内包するミッキーアイル。母父が欧州指向なDanzig系のハービンジャーという配合。母がシロインジャーなので、祖母にユキチャン、近親にはハヤヤッコ、ソダシといったパワーを要する中距離ダートや芝のマイル前後などで活躍する馬が多数いる白毛一族出身です。
前述したパワーもそうですが、メイケイエール自身を見ていても分かるような前向きな気性に加えて、4代母父であるStar de Naskra(スピード型Nasrullahの一種、サウスヴィグラスの母父)の影響が強い牝系であり、そういった点からもダート的な速さやパワー、前向きさに恵まれている印象です。また強いNorthern Dancerのクロスが基礎スピードや強い前向きさを助長しているとも言えるかと思います。

3歳秋から短距離戦線にスイッチし、G1でも力を見せており、高い地力を有している1頭。
ただ、ご存じの通り気性面に大きな課題があり、近年はまだマシになった物の、依然として自身に向いた形で運べないとやや脆い所があるタイプ。どうしても走ってみないと分からない所がある1頭と考えられるでしょう。

とは言え、一昨年の香港スプリントでは5着とレベルの高い走りを見せており、地力の打点は非常に魅力と言える。
近2走は海外挑戦&ダート替わり、休み明けの余裕残しの状態で海外帰りでベストではない1400m戦、などと合わない所はあった。距離短縮&一絞りの見込める今回は条件としては非常に良いと言える。

過去には同コースの中京1200mで行われたセントウルSでレコード勝ちをしており、スピードを求められる展開になれば適性的にも問題は無いと言える。
加えて今回がラストランになるだけに、いままで消極的だった逃げを打って同馬のスピードを活かし切る可能性も十分あると見る。

現状の10番人気前後の想定人気なら積極的に買っていきたい1頭です。





✅ソーダズリング

血統評価:C


京都牝馬S1着から臨みます。

父がトニービンを内包するサンデー系のハーツクライ。母父がRoberto系の中でも大箱向きの軽さを兼ね備えるシンボリクリスエスという配合。母は桜花賞3着の実績があるソーマジックなので、半兄姉にはマジックキャッスルやソーヴァリアントがいる。更に牝系を辿るとジェンティルドンナやロジャーバローズ等を輩出したBeau Dearlingの牝系出身という良血馬です。
基本的にはスピードに乗りやすいシチュエーションや大箱コースでの持続戦向きの一族出身で、いわゆる主流コースに強いタイプです。また、特に母方でHyperionの底力やFair Trialの欧州的な前向きさを多く持っており、格上げ戦などにも強いタイプの血統構成と言えます。

前走の京都牝馬Sは外から差し込んで来て勝ち切る内容。レース上がりが11.6 - 11.5 - 11.4と加速ラップで推移しており、その中を中団外から差し切り勝ち。
ただ、差し馬が台頭した展開だった事や、外をスムーズに進出出来た事などが同馬の追走力を活かせた点で血統的にも非常にマッチしていたと言える。
斤量を多く背負っていた2着のナムラクレアとの差を考慮しても、かなり恵まれた勝利だったと言えるでしょう。

地力的にはここでは1~2段劣る存在と評価せざるを得ないと思いますし、短距離も気性的にはともかく血統的にはそこまで合う印象も無い。前走のような下り主体の追走力を活かすシチュエーションが合っている事からも中京コースはそこまで合わないと見る。

ここでは評価し辛い1頭です。






✅ロータスランド

血統評価:C


京都牝馬S6着から臨みます。

父はRoberto系のPoint of Entry。母父がStorm Cat系のスピード馬であるScat Daddyという配合。母方はEight Thirtyのスピードを主に取り込んだ米ルーツの牝系出身です。
父のPoint of EntryはHis Majestyの3×4も内包しており、パワーや耐久性に向いた種牡馬と言えます。また、Robertoの3×4とミスプロクロスを持ちNashua色の強さが目立つ並びの血統構成。母父であるScat Daddyなどダート血統も抱えており、スピードの持続力、パワー・耐久性に富んだ血統構成です。

昨年、一昨年もこのレースに出走してきており、一昨年に関しては2着に好走している。近走は1400m戦をメインに上がりを重点にした競馬をしている事からも、加齢による筋肉の硬化(特にそれが顕著な傾向にあるRoberto産駒と言う点も含め)によるスピードの低下もある印象。
そういった意味で、1200mへの短縮はここ2年ほどプラスにはならないだろうなと感じてしまいます。

ただ、ここ2年がそうだったように、時計の掛かる馬場になれば同馬の血統的なパワーや1400m以上での経験や実績が活きる可能性もあると言える。
差しが効く展開タフな馬場になれば一考としたい。




✅シャンパンカラー

血統評価:B∔


フェブラリーS16着から臨みます。

父はキンカメ後継のドゥラメンテ。母父がDanzig系の中でもより前向きなスピードと持続力を助長した欧州の短距離G1馬Reckless Abandonという配合。同牝系にはワンカラット~ワントゥワン、ジュエラーなどがいる血統馬です。
父父・母父父・母母父で前向きなスピードを助長する相性の良いミスプロ×Nijinskyを持っており、更には母方でStorm Cat≒Chapel of Dreamsを持つなど、欧州要素の強い父と牝系の配合ですが随所にスピード指向な前向きさが感じられる血統構成になっている。
基本的にはスピードを出しやすいシチュエーションで評価できるタイプで、将来的には短距離に矛先を向けても面白そうな一頭に感じます。

前走のフェブラリーSは16着と最下位に敗戦。ただ、半年以上の休み明け∔初ダートと苦しいシチュエーションだった。
加えて、スタートでは後手を踏んでしまい、強引に巻き返して好位の内を確保。直線では全体的に内の隊列が窮屈になった所に巻き込まれた事もあっての敗戦なので、敗因は明確と言える。

今回が初の1200m戦になりますが、前述もしているように短距離でやれる素養があると見ているだけに、現状考えうる中で最も同馬に合ったシチュエーションである可能性が高いと見ている。個人的には今回評価を上げたい1頭です。
特に前走で前半から脚を使う経験や、東京ダートマイルで33.9というかなり強い前傾ラップを先行して追いかける経験が出来たのは今回に活きるだろうと思います。

人気もしない想定ですし、一票入れる価値は十分あるだろうと思います。





✅マテンロウオリオン

血統評価:C


オーシャンS8着から臨みます。

父がサンデー系の中でも粘り強さを持つダイワメジャー。母父はキングカメハメハという配合。祖母がオークス馬レディパステルという血統馬で、現代の主流血統馬同士の配合としては珍しくアウトブリートベースの配合となっている。
母の奥に欧州方面の前向きさを持っており、基礎体力のありそうな並びも含めて、溜めを作って早めに仕掛けていくような積極的な競馬がフィットするタイプの血統構成と言えます。

前走のオーシャンSは初の1200m戦。道中は後方からになり追走出来ていませんでしたが、ラストは上がり3位の脚を使って追い上げてきている内容。
気性面を考慮しての1200mへの短縮だったかと思いますが、ひとまず経験できた点はプラスに捉えておきたいと思います。

その上で、前走のような形で運ぶならどうしてもハマり待ちの面が大きくなってしまう面がネックになるか。
個人的にはタフ目な馬場になってくれた方が、血統背景やマイルを経験していた所や脚質とも合致するか。時計が掛かる馬場になっての前進に期待か。





✅シュヴァルツカイザー

血統評価:C


オーシャンS13着から臨みます。

父がNorthern Dancer系の中でも前向きなスピードと馬力を内包するDark Angel、母父がRed God系で英国の名牝Highclere牝系出身のNashwanという配合。同一族には(母と同父のNashwan産駒)米芝マイルG1を制しているWandestaがいる血統馬です。
母方のRed God、Mill Reefと言った並びや下り坂血統の重い系統であるKlaironのクロスを中心に全体的に重い並びの血統になっており、時計の掛かる芝などのシチュエーションに強い血統構成と言える。

2走前のカーバンクルSでは内から先行した2頭が残る中、外中団辺りから追走し差し切る内容。このレースは評価できる内容のレースだったと感じます。
ただ、重賞レベルでは1枚足りない所を見るに、やはり地力としてはこのメンバーの中でも劣る印象を持ちます。また、血統的にも上積みを見せるほどの適性は見受けない。ここでは評価は出来ないと見てしまいます。






✅テイエムスパーダ

血統評価:C-


シルクロードS14着から臨みます。

父はサンデーを通さないHalo系のタイキシャトルの後継に当たるレッドスパーダ、母父がCaro系の中でもタフさを併せ持つアドマイヤコジーンという配合。母は短距離で3勝を挙げたトシザコーンで、母方を辿ると交流重賞を制したファーストアローがいるという血統馬です。
祖母のラインでミスプロ×Nijinskyの前向きなスピードが助長されるクロスを内包しており、それを父方のNijinskyによって助長されたような血統構成になっている。しなやかさも併せ持っていますが、やや淡泊さを感じるタイプと言えます。

3走前のセントウルSではハナへ行きそのまま逃げ切り勝ち。一昨年にはCBC賞で日本レコードを記録した経験もある同馬ですが、当時と同じように高速馬場での逃げ切りとあり、基本的には速い時計が出るシチュエーションに強いタイプと言えるでしょう。

スタートがそこまで安定していない中で、基本的には先手を強引に取りに行くタイプだけに、展開を作る可能性が高い意味でも軽くは扱えないが、展開や馬場に相当恵まれないと難しい所がある面は否めない。

評価はし辛い1頭です。





✅モズメイメイ

血統評価:D-


京都牝馬S12着から臨みます。

父はディープインパクト後継の中でもIn Realityのスピードを内包するリアルインパクト。母父がSadler's Wells系のFrankelという配合。祖母のIn LingerieはアメリカのダートG1を制している良血馬で、半妹(3/4同血)にはレッドファンタジアがいる。その子にはディープインパクト産駒でレッドベルジュール、レッドベルオーブなどがおり、これらとは約7/16同血となる。
基本的には軽めのスピードを発揮できる、速い馬場や大箱コースの高速持続戦向きのタイプではありますが、母父Frankelや父がリアルインパクトである事により、スピードに加えややパワー向きな要素も備わったタイプの血統構成と言えます。

3歳春の葵Sではここで人気するルガルを抑えて勝利を上げましたが、チートレベルのスタートを切りそのまま押し切る内容で、レース内容的にはやや薄い。恵まれた内容だったかと感じます。
以降は二桁着順が続き見せ場が全く無いように、地力面で劣ると言わざるを得ない。

展開を作る可能性はありますが評価は出来ない1頭です。




~~まとめ~~



✅現状の印


◎ルガル
〇ビクターザウィナー
▲ナムラクレア
☆シャンパンカラー
△ママコチャ
△ウインマーベル
△メイケイエール

◎はルガルとします。

前述もしているように、内で競馬できる点や急坂などに対応できるパワーを兼ね備えている点は非常に魅力的。地力的にも、1・2位を争うレベルに位置していると考えています。

土日で降雨の予報もあり、時計の掛かる馬場になる可能性も高いが、そういったシチュエーションに対応できる下地があるのも心強いと言える。
極端な外枠を引かない限りは素直に本命へ評価して良いだろうと感じています。

〇ビクターザウィナーも枠次第では本命の可能性がある。短距離のメッカでもある香港で上位の力を持っており、能力はこのメンバーでも上位と見る。また、スタートが上手く先行性能が安定している為、内でも外でも競馬出来そうな点は評価できるポイント。
枠や馬場次第ではこちらの本命もあるか。

注意したいのは短距離替わりで一変ありそうな血統背景の☆シャンパンカラー。



本日は以上になります!
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