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有馬記念 血統解説❕🔥


こんばちわ!

今週はとうとう有馬記念です!
本当に競馬を軸にしていると一年が早く感じます、、、

一年の総決算であり、今年は非常に混戦ムード
なんとか結果を残したい所です❕🔥

それでは今週もよろしくお願いします❕🔥








〜〜中山・芝2500m、コース解説〜〜



外回り3コーナー手前辺りからスタートします。スタートしてすぐ3〜4コーナーに当たる為、内枠の馬が好位を取りやすく、また、隊列も出来やすく前半はペースが落ち着きやすい傾向にあります。スタンド前の直線で急坂がありますし、消耗しないように立ち回りたい騎手心理が働く辺りも前半はレースが動きにくい要因の一つとなっている。

2週目は内回りコースを使用。向こう正面の下りに入る辺り(残り1000m前後)からラップが締まり始める傾向にある為、基本的には後傾ラップで長く脚を使う事を求められるスタミナ勝負になりやすい。また、小回りコースらしく馬群は密集して直線を迎える事がほとんどですので、追い出しやすい位置を確保しながら立ち回る器用さも求められますし、急坂を登るパワーも求められます。

総じて、トップスピードに長けているタイプよりも、小脚を長く使える器用めなパワータイプに適性が向くコースになっています。





〜〜有馬記念・好走血統〜〜



✅special持ち
✅ディープインパクトの血


✅special持ち


Nureyevの母であり、Sadler's wellsの母母に当たる名牝special。たびたび好走血統でも取り上げていましたが、タフさを求められるコースにはもってこいの血統要素です。

この有馬記念というレースでこの要素を語る上で欠かせないのが、トゥザヴィクトリーの存在です。トゥザヴィクトリー自身は2001年の有馬記念で6番人気3着に好走しています。その子供たちであるトゥザグローリーは2010年に14番人気3着、2011年9番人気3着。トゥザワールドは2014年に9番人気2着に好走と母子ともにこのレースで穴を開ける活躍を見せました。

この一族はNureyevの色が強いフェアリードールの牝系で、小回り形状のコースで機動力も活かしつつ、長く持続的に脚を使う展開に強い特徴があります。特に、トゥザヴィクトリーの子であるトゥザグローリーとトゥザワールドに関してはNureyevの3×4を持って強調されていた辺り、如何に大事な要素かというのが分かるかと思います。

Nureyevを中心にしたSpecial持ちはしっかりと評価したい所です。




✅ディープインパクトの血



意外に思われるかもしれないのが、このディープインパクトそしてその全兄であるブラックタイドの血です。

2014年のジェンティルドンナを皮切りに、キタサンブラックやサトノダイヤモンドなど。2019年に関してはサラキアが11番人気2着、フィエールマンが3着とディープ産駒の2.3着と好走。馬場改修後から好成績を収めています。
昨年には前述したキタサンブラック産駒のイクイノックスが圧勝しています。(まぁこの馬に関してはあんまり血統云々関係なさそうですが、、、)

ただ、個人的に大事にしたいのは『なぜディープ産駒が良いのか?』という所。

ディープインパクトは母父系にLyphardを内包しいますが、ディープ産駒の傾向としてこのLyphardを強調する形になるNorthern Dancer(特にNijinsky)を母に持つと、持久力豊富なディープ産駒が生まれる傾向になります。
そのLyphardが内包するLady Juror(Fair Trial)の欧州的なタフさ・前向きさが強調されているタイプがこの有馬記念には有効だ、という事です。

ディープの血が良いよ!とは言いましたが、本当にこの舞台で強調したいのはLyphardのような欧州的なタフさ・欧州方面の前向きさが活きたタイプの血統。このタフさが活きるのには様々なタイプがあるので、注視しながら各馬の解説も進めて行きたいと思います。






〜〜有馬記念・出走馬血統解説〜〜


*ここでは血統評価をA〜Dで評価していきたいと思います。たまにSが出てきます。笑
基準は下記の通り。


①好走血統に沿っているか。
②そのレースで求められる能力に沿っているか。
③その馬が前走より血統的に条件が良くなるか。
④素質を感じる血統背景であるか。


の以上4点。加えて、そこからその他条件がついて回り、それが良い方に出そうか、悪い方に出そうか、その辺りを±を付けて評価していきたいと思います。





✅スターズオンアース

血統評価:B+


ジャパンC3着から臨みます。

父はキンカメ後継の良血馬ドゥラメンテ。母父がミスプロ系の中でも米クラシックへの適応を見せるSmart Strikeという配合。父、母父と共にミスプロ系同士の配合で同3×4を持つ。祖母が仏オークス馬のスタセリタで、近親にはオークス馬ソウルスターリングやシェーングランツがいる良血馬。母方を辿るとSchwarzgoldに当たるので、同牝系にはシュネルマイスターやサラキア、サリオス等がいるドイツのSファミリー出身です。
MonsunやDashing Bladeなど🇩🇪などの欧州方面の柔らかさと馬力が活きた血統構成で、タフで追走要素が薄い分ゆとりのある流れから加速するようなシチュエーションでパフォーマンスを上げるタイプと言えます。

前走のジャパンCはヴィクトリアマイル以来約6か月振りのレース。勝ち馬イクイノックスには離されてしまいましたが、2着リバティアイランドからは0.1差に留める3着に好走。+12キロと成長分を加味しても余裕のあるシルエットに映ったと見ていますが、状態面も7~8割程度の仕上がりだったと感じます。加えて、不利な外枠を引きましたが、同馬以外は内枠の馬が独占していた中で(有力馬が内に集まった事もあるのですが)、外枠から好位を確保して3着は好内容と言える。
改めて当代上位の地力を有している所は証明したかと思います。

中山は3歳時のフェアリーS以来。当時は内枠を活かしたロスの無い立ち回りから、直線では抜け出すのに少し苦労しましたが、前が開いてからの伸び脚は流石。抜け出すのに苦労した分、勝ち馬ライラックに交わされての2着でしたが、内容自体は悲観する事ないレースぶりだったように思います。
同馬のイメージとして、大阪杯や秋華賞等で見せたような後方からの豪脚の印象が強いかと思いますが、元々は近走のような好位での立ち回りも上手くできるタイプで、血統面も併せて機動力を兼ね備えている為、中山替わりは問題無くこなすだろうと思います。

近走は勝ち切れないレースが続いていますが、故障の影響も多少なりあるでしょう。それ以上に、様々な場面に対応して好走している点は評価すべきと感じる。
複軸向きな1頭と言えるでしょう。






✅タスティエーラ

血統評価:B


菊花賞2着から臨みます。

父はトライマイベスト系の中でもタフな血統を多く内包するサトノクラウン。母父がドイツ血統を内包するマンハッタンカフェと言う配合。カンパニーやトーセンジョーダンなどがいる晩成傾向にあるクラフティワイフの牝系出身で、やや奥手感のある配合になっています。
祖母ラインでVice Regent≒ノーザンテーストを持っていたり、母父内包のTom Rolfe、父方のMachiavellian、Miswakiなど、全体的に馬力・パワーに長けた並びになっており、タフな要素が揃っている血統構成。時計が掛かるシチュエーションや追走力を問われず長く脚を使う展開に強いタイプと言えるでしょう。

今年のダービーを勝利し、クラシックはオール連対と言う実績を持つ。とにかくレースセンスが高く立ち回りが上手い。タフな展開から瞬発力勝負までこなす等、対応力も優秀でそれを可能にする地力の高さがあると評価して良いでしょう。

その前走の菊花賞では、内をロス無く回る同馬らしいレースぶりで2着を確保。ただ、勝ち馬には離されている点を考えると過度な評価はしにくい側面もある。
やはり、ダービーを勝利しているとは言え、速い上がりを求められる後半勝負のレースでは血統面も合わせて若干分が悪い印象で、その差も出たかなと感じました。好位を確保して押し切る形に持ち込めるかがポイントになると改めて証明したように思います。

そういった意味では、枠の影響が出やすいこのコースだけに、内目の枠を引けるかがポイントになりそうです。
好枠を引いてこの馬らしいロスの少ない競馬が出来そうな際は素直に評価したいと思います。





✅ジャスティンパレス

血統評価:A


天皇賞・秋2着から臨みます。

父はディープインパクト。母父がNureyev系のRoyal Anthemという配合で、母パレスルーマーはTheatricalやRed Ransomなどのダート的なパワー要素を多く持ち、半兄には🇺🇸三冠レースのベルモントSを勝ったPalace Maliceや長距離重賞で活躍しているアイアンバローズがいる血統馬。
ディープ×🇺🇸血統の王道的配合で仕上がりの速さ・パワー・前向きなスピードが助長されたタイプですが、奥にRobertoやDamascusなどを抱え少し重いテイストが混じっている持久力も併せ持った血統構成。
極端な瞬発力勝負以外は対応できるようなバランスの取れた血統構成と言えます。

前走の天皇賞・秋は勝ち馬のイクイノックスから0.4離された2着。とは言え、同馬も従来のレコードタイムを切る走破タイムを記録している。勝ち馬はともかく、基本的には前に厳しい後方組には向いた展開だったとも言えますが、それを差し引いても十分評価できる内容だったとは思います。
前走時にも述べていますが、本来は先行力や立ち回りの上手さもある機動力を有しているタイプだけに、前走のような極端な後方からの競馬でも力を見せたのは競馬ぶりに幅が出た意味でも個人的には好意的に捉えたい。

昨年も本命を打っていますが、より立ち回りの上手さを活かしやすいこのコースへ替わるのは個人的にはプラスに感じる。昨年同様に間隔を空けて臨んでいる点も好感が持てる。

昨年は後方勢に展開が向いた事もあり、好位の内を立ち回った同馬には苦しい展開になってしまい敗戦。今年もメンバー的にそうなる可能性も高そうですが、近走で見せている後方から運んでもしっかりと脚を伸ばせるようになってきた面が活きれば、チャンス十分だろうと感じます。





✅ソールオリエンス

血統評価:B-


菊花賞3着から臨みます。

父がディープインパクトの全兄ブラックタイドの後継に当たるキタサンブラック。母父がSadler's Wells系の中でも柔らかさや欧州方面の前向きさを持ち合わせるMotivatorという配合。母はスキアなので、半弟(3/4同血)にヴァンドギャルド、フォティノースらがいる血統馬です。
アウトブリードベースで更にやや重そうな字面が並んでいる配合ですが、欧州方面の前向きさがあるMotivator~Rainbow Questという並びやDanehill、Green Dancerと言った、基礎スピードのあるNorthern Dancer系を内包し重すぎない仕上がりになっている好バランスの血統構成に感じます。

今年の皐月賞馬で、その後のクラシックも2着・3着と好走し世代上位の力を証明。前走の菊花賞では、終始外を回る競馬になりロスの大きい競馬に。(とはいえ同馬の加速の仕方や枠の並びを考えればあの形になるのは致し方が無いだろうと感じます。)そういった中で3着を確保したのは評価すべきだろうと感じます。

同じ中山内回りで行われる皐月賞を制していますが、タフな馬場や前が潰れる展開もあり、同馬の大味目な加速の仕方がハマった所が大きい。このコースで本来求められるような機動力などが活きた訳では無いため、実際にそういった能力を求められるシチュエーションになった際は評価しづらい印象です。
かといって同馬が競馬しやすいように外を回す形では、頭一つ抜けたような地力が必要になる分、難しいだろうなとも感じます。
昨年のような後方勢に有利になる展開、スムーズに外を回す事が実現できるなどややハードルの高さを感じます。

展開面などを精査しつつ、過度には評価しにくい所です。





✅ドウデュース

血統評価:A-


ジャパンC4着から臨みます。

父は晩成傾向にあるトニービン内包のハーツクライ。母父がSeatlle Slewの後継Vindicationという配合。母はアメリカの短距離G1を好走したダストアンドダイヤモンズという血統馬です。母方を辿ると凱旋門賞馬ダンシングブレーヴを輩出したOlmecの牝系出身で、曽祖母は父がLyphardの分、そのダンシングブレーヴに近い血統と言えます。
ただ、母父系等を含めたダート方面の血統を取り込んでおり、ダンシングブレーヴ等の柔らかさ一辺倒では無く、少しパワーに振れたタイプ。それが父ハーツクライには良い方向に出る可能性があるかと思います。総じて追走力を含んだ、比較的早期から動けるタイプの溜めて良さが出るハーツクライ産駒と感じます。

秋の2走は主戦の豊さんが負傷したこともあり、戸崎Jへの乗り替わりで2戦。以前に申した事もありますが、イメージ以上に癖馬な側面がある同馬だけに、この乗り替わりはかなり響いただろうなと思います。これは戸崎Jが悪いとかそういう事ではないと思います。豊さん以外は誰が乗っても同じだと思います。

同馬の最大のポイントは、今まで過度に揉まれたような経験がない。というか豊さんが、その辺りはかなり丁寧な立ち回りを心掛けていたように思います。
そういった意味で、今回小回り気味で勝負所で馬群も密集しやすいこのコースで、その辺りをカバーしつつ上位進出できる位置で競馬できるかと言うのが非常にポイントになるだろうと思います。

過度な内枠を避けて、外をスムーズに進出できるかどうか。その過程でポジションを大きく落とさずに立ち回れるかどうか、この辺りを実現できるかどうかを精査したい所です。
適性や地力自体は問題無いと見ています。





✅スルーセブンシーズ

血統評価:A+


凱旋門賞4着から臨みます。

父はステイゴールドの後継であるドリームジャーニー。母父は独特なパワーを助長するVice Regent系のクロフネという配合。母の奥にはSeattle Slewとダート色が並ぶ。曽祖母のOver Allは🇺🇸ダ1400mG1であるスピナウェイSなどを勝っている🇺🇸牝系出身の血統馬です。
同父×母父の配合ではザイツィンガーやジョブックコメンなどがいるように、小回りの中盤以降で長く脚を使うレースがフィットする。加えて母方のナスキロ(Full Tigress)やNashuaやSeattle Slewなどの追走力の豊富さや下り要素からも個人的に合うと見るのは中山コースや阪神・京都の内回り。器用さと持続力が活きるコースが合う血統構成と言えます。

前走の凱旋門賞では直線で少し詰まるロスがありながらも、脚を伸ばして4着を確保。例年よりも乾いた日本馬にとっては走りやすい馬場だった事もあるとは思いますが、そういった中でも世界の強豪を相手に大健闘だったかなと思います。
元々、凱旋門賞のロンシャン競馬場のような直線の長いコースではトップスピードで劣る可能性もある所を懸念として挙げましたが、そういった中でも上位に来れたのはやはり同馬の地力に取る所が大きいだろうと思います。昨年の宝塚記念もそうですが、フロックではない地力強化が見込めていると見て良いでしょう。血統的にも父ステイゴールド系だけにこの晩期での地力強化は納得できる。

前述もしていますが、今春には中山の内回りコースで連勝を上げているように、追走力や持続力、器用さが活かせるシチュエーションはピッタリと言える。コース適性は申し分ないと見ます。

後はロスの少ない競馬を実現できる枠に入れるかどうかだと思います。過度な人気になりそうな雰囲気もありますが、ここは評価しておきたい一頭です。





✅タイトルホルダー

血統評価:A+


ジャパンC5着から臨みます。

父はキンカメ後継の良血馬ドゥラメンテ。母父にはSadler's wellsの中でも前向きさの強いMotivatorという配合。母のメーヴェは丹頂Sを勝つなど芝の中長距離をメインに活躍した欧州血統馬で、姉には軽量馬としても人気を博し、長距離レースを制しているメロディーレーンがいる血統。牝系を辿ると、大種牡馬サンデーサイレンスにも繋がるRoyal Chargerや大系統になってるNasrullah、更にはFair Trialなどに繋がるLady Josephineという名門牝系出身です。
母方にSadler's wellsやMill Reefと言った欧州的な耐久性に優れた血統を持ち併せ、父系との配合の中でも持続力や機動力に長けやすいテンプレ的な配合。Hyperionや重い下り坂血統であるKlaironを持つことで、文字通り長距離やスタミナ・持久力勝負に向いたタイプの血統構成と言えます。

前走のジャパンCは、大逃げするパンサラッサから離れての2番手を追走。形としてはほぼ理想の形でしたが、追走ペースとしてはスローよりの平均ペース。結果的に速い上がりを求められるような展開になってしまい、同馬には分が悪い展開になってしまった。
賛否はあると思いますが、もう少し締まった流れで同馬の持続力を活かせるペースメイクが出来た方が、より高いパフォーマンスが発揮できただろうなとは感じています。

昨年、一昨年と連続で出走してきており、特に一昨年の内容が秀逸。不利な外枠から強引目に先行し、タフな流れを追走して0.5差の5着に粘る内容。以降の成績を見ても明白ですが、高い地力と持続力を活かせる展開やコースでの適性を示したレースとなった。
そういったレースをしやすい中山コースの適性はもう言わずもがなと言っても良い。

スタミナや持続力を活かせる展開に持ち込めるか、良いペースメイクが出来るかが最大のポイントになると思います。





✅ハーパー

血統評価:B-


エリザベス女王杯3着から臨みます。

父がハーツクライ。母父はA.P.Indy系のJump Startという配合。母はアルゼンチンの2歳G1馬セレスタという良血馬で、半姉にはJBCレディスクラシックを制したヴァレーデラルナがいる。
産駒が晩成傾向にあるハーツクライ産駒ですが、母父Jump StartがBusandaを内包していたり、母の奥に相性の良いNijinskyを内包していたりと、父が持つスピード源をしっかりと刺激したような形になっており、早期からもスピードを発揮できるような血統構成になっている。基本的には軽めのスピードを発揮しやすいコース・馬場でパフォーマンスを上げるタイプと言えるでしょう。
父系の違いはありますが、(サンデー×トニービン)×(Roberto+ストロベリーロード×ミスプロ+Nijinsky(≒The Minstrel))と言う並びはリバティアイランド風味を感じるのも頭に入れておきたい。

前走のエリザベス女王杯では好位の内をロス無く回り3着を確保。枠の有利を最大限に生かしたレース振りだったと思います。悪く言えば恵まれた所がある内容でしたが、それを実現できる安定感や立ち回りの上手さは評価して良いポイントかと思います。

血統面も対応力があるバランスの良い血統をしている分、様々なコースに対応出来、コース替わりなども苦にしないタイプではあると思います。そういったロスの少ない競馬を実現できればそれが活きるコースではあるので、コース適性は十分だろうと感じます。

ただ、地力面で言うとやはり見劣りは否めない。そういった意味で良くも悪くも地力通りの走りをさせてくる傾向にある鞍上がどう出るか。申し訳ないが個人的にはマイナスに捉えざるを得ないと見ている。

内目の枠を引ければ上昇を考えたいが、現状では過度な評価をしない方向です。





✅ライラック

血統評価:A-


エリザベス女王杯4着から臨みます。

父がステイゴールド後継のオルフェーヴル。母父がキングカメハメハという配合。母がヴィーヴァブーケなので半兄(3/4同血)には札幌2歳Sを勝っているブラックホールがおり、辿るとスカーレット一族にもあたる名牝系出身の血統馬です。
同父×母父からは日経新春杯を勝っているショウリュウイクゾや先日の中山金杯でも4着に好走したタガノディアマンテ、フローラS2着のホウオウピースフルなどがいる相性の良い配合。キンカメが持つNureyevのSpecialが活きる配合で(オルフェーヴルが持つLt.Stevensの母がSpecialの近親)豊富な持久力を持っている血統構成と言えます。ノーザンテーストの5×4×4も持っており欧州方面の前向きも併せ持っているタイプで、長く脚を使って持久力や闘争心を発揮できるのが強みと言えます

前走のエリザベス女王は中団後方辺りから運び、直線ではやや詰まってしまい捌ききれずに4着という内容。個人的に本命を打っていた事もあるのですが、ポジションを取り切れなかった事や、道中で内に入れられそうな所を入れず、馬場傾向などを無視して後方からの競馬に徹した中での物で、正直内容不足は否めない内容。少なくとも、申し訳ないが馬が悪い訳では無いと判断をしています。
その上で、同馬にピッタリだったシチュエーションであったという点も否めず、その前走に比べれば今回は条件が悪くなっていると判断せざるを得ないと感じています。

とは言え、中山コースも悪くない。過去には不良馬場の日経賞で、一頭だけ後方から好上がりを使って上位に食い込んだり、フェアリーSでは捲りを決めて、スターズオンアーズらを差し切り勝利。中山でも高いパフォーマンスを見せており、小回り気味のコースでもしっかりと脚を伸ばして来れる点は評価できる。

展開面のハマり待ちな所はあると思いますが、適性面は評価出来ますし、近況の地力強化も好意的に捉えたい前走程の評価はできないが、枠や展開次第で一票入れておきたい






✅シャフリヤール

血統評価:C-


BCターフ3着から臨みます。

父はディープインパクト。母は🇺🇸のダート短距離G1を制しているドバイマジェスティで全兄に皐月賞・大阪杯を制しているアルアインがいる血統馬です。
母父はA.P.Indy系で、ニックス配合でもあるStorm Catとの配合と同様のSomethingroyalの牝系クロスを持つ好配合。加えてミスプロを内包するなどでNashua的な追走力を補給しつつ、Ribotから来る急坂に対応できるパワーを持つ配合です。総じて早い追走が求められる急坂コースが得意な印象ですが、同馬は全兄のアルアインに比べどちらかと言うと父の色が強いタイプ。より主流コースでの適性に向いたタイプと言えるでしょう。

香港での出走を予定していましたが頓挫もあり帰国。その前がアメリカでのBCターフなので、状態面も一つポイントになるかと思います。

そのBCターフではロスの無い立ち回りから直線でも卒なく抜け出してきて3着を確保。コンパクトでタイトなコーナーでスピードに乗り切れなかった事もあるとは思いますが、そういった中でもスムーズに立ち回れて加速して来れた所を考えると、シンプルに上位の馬が強かったと感じます。

昨年のジャパンC2着の実績もありますが、どうしても地力の低下(というか元々世代レベルが低いという言い方も出来るかも、、、)が否めない。早期から活躍できるようにしたディープ産駒の晩期という事もありますが、このメンバーの中ではどうしても見劣りする存在になってしまった印象。

また前走のBCターフのような走りが出来るならそこまで問題にしないかもしれませんが、やはり中山内回りのような持続力やパワーを求められるコースは合わない印象です。
同馬がアルアインのようなタイプなのだったら評価したい所もありますが、同馬の走りぶりからはあまり評価できない所。

好枠を引いて、過度に人気を落とすようなら一票入れてもいいかもしれませんが、基本は評価しない方向です。




✅ディープボンド

血統評価:B∔


ジャパンC10着から臨みます。

父がディープインパクト後継のキズナ。母父がLyphard系の中でも欧州方面の柔らかさを持つキングヘイローと言う配合。祖母が短距離を中心に3勝を挙げたモガミポイントなので、一族には名スプリンターのローレルゲレイロや中距離重賞を制しているノースブリッジ等もいる血統馬です。
キズナ産駒の母方にサンデーを通さないHalo持ちは同産駒の好相性配合でクリスタルブラックやアブレイズ、ヤシャマルなどがおり、父らしいパワーや持久力も助長しつつ比較的休み明けからも走れるキズナの父ディープインパクトらしい所がでてくる配合。母父のキングヘイローからAlzao≒ダンシングブレーヴ等も発生し、Sir Ivorの柔らかさやLyphardの欧州的なタフさ・前向きさが刺激された血統構成です。

前走のジャパンカップは中団前目を追走。パンサラッサの大逃げはありましたが、後続はスローよりの平均ペースになり、速い上がりを求められる展開になり、同馬には不向きな展開になってしまった。個人的にはもう少し積極的な立ち回りをしても面白かったかなとは感じています。

一昨年の有馬記念では、内をロス無く立ち回り、勝負所で長く持続的に脚を使って2着を確保するなど、適性面は問題無い印象。ほぼパブリックイメージにもなっていますが、ズブさがあるタイプだけに、如何に積極的に走って持続力を活かせるかという所だろうと思います。

そういった意味では先週の朝日杯でいろんな意味で話題をかっさらったマーカンドJに変わるのは個人的にはプラスに出るのではないかと思います。マーカンドJのような強い追いが出来る騎手に変わるのは個人的には好意的に捉えたい。
また初めてブリンカーを付けてくる事も、この手の馬にはよりプラスになるだろうと思います。

コース替わり、鞍上の手替わり、馬具など、プラスになる点は多く条件好転のターン。前目からの積極的な立ち回りをして欲しい所ですが、それを実現できれば十分チャンスある存在に感じます。





✅プラダリア

血統評価:B


京都大賞典1着から臨みます。

父がディープインパクト。母父は独特なパワーを助長するVice Regent系のクロフネで奥にはミスプロ系の中でも前向きなスピードがあるForty Ninerという並びの配合。
同父×母父ではレイパパレやステファノスやアドマイヤロブソンなどがいるように、ダート的なパワーと前向きなスピードを持ちつつ馬場融通の広さを見せるタイプが多い。アウトブリードベースでしっかりとスタミナ面の下地もあるバランスの取れた血統構成です。

前走の京都大賞典では好位の内をロス無く立ち回り、直線では2着のボッケリーニに弾かれるようなシーンもありましたが、そういった中でもラストまで粘り押し切る内容。
馬場もタフだった苦しい中でしっかりと伸びてきており、ロスの無い立ち回りが出来た点など、恵まれた側面もありますが、タフなシチュエーションでもしっかり伸びて来た所など、基礎体力や精神面も含めて評価して良いでしょう。

中山は初ですが、パワーやスタミナ面はしっかりとある血統背景だけに、急坂への対応や持続力を求められるシチュエーションなど、適性は及第点にありそうな印象です。
その上で、地力で劣る面は否めない分、ロスの少ない競馬をしてどこまでという所でしょうか。





✅ヒートオンビート

血統評価:B-


アルゼンチン共和国杯3着から臨みます。

父はKingmambo系のキングカメハメハ。母父がディープインパクトという配合。母が桜花賞馬のマルセリーナという血統馬です。
Northern Dancer系の中でもSex Appealの基礎スピードと、Mill Reefのしなやかさが効いているラストタイクーンの4×3を持つ血統構成。更に隠れてSpecial≒Thatchを持ち、馬力・持続力と言った所を助長。総じてキンカメ系の中でも、欧州方面のタフさや柔らかさからくる溜めた上での上がり性能に長けたタイプと言えます。

前走のアルゼンチン共和国杯では、直線で囲まれるシーンがあり追い出すまでに時間を要してしまいましたが、そういった中で脚を伸ばして3着(同着)という内容。抜けてからの脚色は目立っており、改めて同馬の溜めた際の上がり性能を証明できたかなと思います

血統背景に目を向けると、好走血統でも挙げたspecialの持続力なども活きたタイプで評価できる所ではありますが、どちらかと言うとMill Reefなどの柔らかさが活きたタイプに感じます。
そういった意味では小回りコースも対応できる物の良さが出来らないかなと言う印象。

地力や格的にもここでは見劣りする印象で、上積みも見込みにくい。ここは評価しにくいと感じます。






✅ホウオウエミーズ

血統評価:C-


福島記念1着から臨みます。

父はキンカメ後継の中でもスピードに富んだロードカナロア。母父はサンデー系の中でもBold Ruler色が強く出やすいアグネスタキオンという配合。母はエミーズスマイルなので、近親にはダートの一線級で活躍しているクラウンプライドがいる血統馬です。
母の奥にはダンシングブレーヴやトニービンなど溜めて長く脚を使う事で良さが出る血統を内包。総じて溜めて速めに動き出して長く脚を使う事がベストな血統構成と言えます。

前走の福島記念では、中団後方を追走し勝負所で捲るように進出し、そのまま差し切る内容。長く脚を使ってこれている点などは評価できる点ですが、後方から運んだ馬達が上位を占めている事もあり、展開もハマったような一戦だったと言えます。
欧州要素を求められたレースだったことも同馬にはフィットしただろうなと思います。

追走力が活かされた血統背景という事もあり、小回りコースへの適性は及第点にあると思いますが、このメンバーではどうしても地力的に見劣りするか。
前走のように展開面がハマってどこまで





✅ウインマリリン

血統評価:B


BCF&Mターフ4着から臨みます。

父がRoberto系の中でも軽さを持ち合わせるスクリーンヒーロー。母父にはミスプロ系の中でも前向きな速さが目立つFusaichi Pegasusという配合。Roberto×ミスプロのNashuaの追走力が補完されているタイプで、更にそこにBold RulerなどのNasrullahを多く含んだ追走力増し増し血統。父単体で見れば広いコースの方が適性としては向きやすいのは確かですが、母方で機動力等の父に無い要素もカバーしている安定タイプとも言われる血統構成と言える。比較的色んなコースや馬場をこなす適性がある血統と感じます。

前走はアメリカのBCF&Mターフで海外帰り。その前走では終始内を立ち回り、直線では馬群を割って伸びてきて4着に入っており、間を突いてくる際の加速力などは流石の一面見せたように感じました。
今年に入ってからは、あまり得意ではない瞬発力勝負になったドバイシーマクラシックや、タフな内枠で力を発揮しきれなかった札幌記念、反対に不利な外枠に入ってしまったオールカマーと、馬場や展開などが噛み合わず不運な所もあった。力を出し切れなかったレースがほとんど言って良いでしょう。

そういった中で、前走のように力を出せれば高いパフォーマンスを出せる面は証明したと言って良い。小回りでタイトなコースでしっかりと鋭く伸びて来れた点も今回に繋がってくるだろうに評価して良いと見ています。

同馬の特徴的にもやはり内枠は欲しい所。内枠から同馬のタフさや闘争心を煽るような走りが出来ればチャンスはあるだろうと思います。地力は十分戦えるレベルにあると思います





✅アイアンバローズ

血統評価:C‐


ステイヤーズS1着から臨みます。

父がステイゴールド後継のオルフェーヴル。母父にはNureyev系のRoyal Anthemを持ち、父方と合わせてThong(Specialの母)≒Lt.Stevensを持った、馬力や持続力が強化されたタイプの配合馬。母は🇺🇸のパレスルーマーで、半兄には🇺🇸ベルモントSなどを勝ったPalace Maliceや半弟にはホープフルS2着や重賞2勝の実績があるジャスティンパレス等がいる血統馬です。
母の奥にもRobertoやTeddyを持ち、馬力・パワーと言った所がさらに強化されたタイプで、父のイメージと併せても持久力の豊富な血統構成と言えます。

前走のステイヤーズSでは先手を取り、そのまま押し切って逃げ切り勝ち。ペースも楽に走れるペースを作る事が出来ており、かなり恵まれていたと感じます。距離延長ローテだった所も、オルフェーヴル産駒と言う点も含めて非常に向いたと感じます。

血統的には悪くないと思いますが、距離短縮になる点や、今回は先手を取りたい馬が他にいる事など、前走ほど条件が良くないのは否めない

ここでの上積みは見込めないと感じます。








~~まとめ~~




✅現状の印



◎スルーセブンシーズ
〇ジャスティンパレス
▲スターズオンアース
☆ディープボンド
△タイトルホルダー
△ドウデュース
△タスティエーラ
△ウインマリリン


現状の本命は◎スルーセブンシーズ。

解説での述べていますが、中山内回りに対しての適性、近況の充実度などを評価しての本命とします。
同馬だけでは無いですが、やはり枠は重要になる。そういった中でも、同馬は馬群でも立ち回り可能ですし、馬群を割ったり接触なども苦にしない、また、外から捲るように動いても良さが出る。勝負所の立ち回りに自由度の高さがあるのは、他の馬と比べてもアドバンテージに出ると見る。枠も比較的選ばずにレース出来ると思います。

次点で、同様に立ち回りの上手さがある〇ジャスティンパレス。安定した上がり性能を評価したい▲スターズオンアース辺りは本命の可能性もありつつ評価をしたい。
☆ディープボンドも条件好転からしっかり評価したい一頭。

血統評価最上位タイの△タイトルホルダーですが、先行できるか、また、同馬にとってベストなペースメイクが出来るかどうか、この辺りは枠の並びの影響が大きくなると見ているだけに、現段階ではこの評価に留めた。
ただ、前述の条件が叶いそうならば評価は上げたい。本命の可能性はある一頭としておきます。




本日は以上になります❕

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