「意志の音楽」~オットー・クレンペラー
オットー・クレンペラーは、ドイツ出身の指揮者・作曲家で、20世紀を代表する音楽家の一人です。彼はマーラーの推薦を受けて指揮者としてのキャリアを始め、ベルリンやロサンジェルスなどで活躍しました。ナチスの迫害を逃れてアメリカに亡命した後、第二次世界大戦後にヨーロッパに帰還し、フィルハーモニア管弦楽団と多くの名演を残しました。彼は古典派から20世紀の音楽まで幅広いレパートリーを持ち、遅く厳格なテンポにより楽曲の形式感・構築性を強調するスタイルで知られています。
クレンペラーの音楽は、「意志の音楽」という言葉がぴったりだと思います。
「意志の音楽」とは、音楽に自分の信念や精神を込めることです。
クレンペラーはそのような音楽を作り出すために、自分自身との闘いを続けました。
彼は自分の音楽観に対して絶対的な自信を持っていましたが、それは決して独善的なものではありませんでした。
彼は音楽の本質を追求するために、常に真剣で厳格で、聴く者に深い感銘を与える演奏をしました。
ベートーヴェンの交響曲第7番を聴けば、そのことがよくわかります。
冒頭の和音からして、この音楽は人間の生き方や精神を問うものであることが感じられます。
クレンペラーはこの曲を、力強く、荘厳に、そして情熱的に演奏します。
彼の演奏からは、人間の意志の力と美しさが伝わってきます。
クレンペラーの音楽は、「意志の音楽」と他の種類の音楽と何が違うのでしょうか。
私は、それは次のような点にあると思います。
「意志の音楽」は、表面的な美しさや感動ではなく、深い洞察や理解を求めます。
「意志の音楽」は、流行や時代に左右されない普遍的な価値を持ちます。
「意志の音楽」は、聴く者に自分自身と向き合うことを促します。
クレンペラーの音楽は、「意志の音楽」です。
私たちはその音楽から何を学ぶべきか、考えてみる必要があります。
例えば、自分の信念に貫録を持つことや、物事の本質を見抜くことや、情熱的に生きることなどです。
クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団の映像記録が残されています 。最晩年のクレンペラーの「意志の音楽」が充分に感じられる秀演です。
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