「初めて」のでんぱ組inc
先日ライブナタリーさん主催のライブ「uP!!! SPECIAL BANQUET」を観てきた。
僕がここ数年大好きで応援しているアイドルグループでんぱ組.incと、ハロー!プロジェクト所属のこぶしファクトリーさんの対バンライブだ。
ずっとファンだったので、でんぱ組.inc目当てで行ったのだが、ライブ前半を勤めたこぶしファクトリーさんのステージがとんでもなかった。
はじめから、全力熱血のダンスパフォーマンス。一人一人の力強い歌声に圧倒されてしまった。
初めてのハロプロに興奮の嵐が胸の中に渦巻いた。
詳しい後輩に今度教えてもらおう。
そして後半はお目当てのでんぱ組.inc。
だけど、「初めてのでんぱ組.inc。」
数年好きだと言っているのにも関わらず、初めてとはどういう事かというと。
もちろん住んでいる所や、学業や、仕事、他にも様々な理由で数年ファンではあるが一度もライブにいった事のない方も中にはいらっしゃるだろう。
僕は、はじっこではあるが一応東京在住で、仕事も今は時間が確保できてできて仕方ないくらいだから、ライブには過去にも何度もいったことがある。
それにも関わらず「あえて」初めてというのには理由がある。
夢眠ねむさんの卒業だ。
元号が変わり、新しい時代がやって来る間近の日本を揺るがすBIGテンペストなこのニュースは虚脱感、喪失感、高熱、節々の痛み、咳を生み出し、ファンの8割は仕事、学校を休んだと言われている。
ただのインフルエンザ。
意味わかんない嘘はここらへんでおしまいにしといて、ご多分に漏れず僕も、この知らせが来たときは・・・・・うわーーーーーーっ!っと言葉にならない感情を放出せずにはいられなかった。
ひとつ「推し」という文化がある。
ここでいうと,「でんぱ組.incというグループはもちろん大好きだけど、中でもメンバーの夢眠ねむさんに傾倒しています」という感じで、一人を特に応援していることを「推し」という。
細かい説明は近くの賢人に聞いていただければ。
だから、僕の場合は「でんぱ組.incの夢眠ねむ推し」ということになる。
その「推し」の一挙手一投足を特に観たくてライブに行っていた僕は、卒業というハッピーであるはずのターニングポイントを目の当たりにして、何となくスッとした気持ちになっていた。
別に冷めた訳ではなく、自分の心の中の大部分を占めていたものが、シュワーっとなくなり、積載量が減ったような感じだ。埋まっているからこそ、感情は高ぶるし、興奮する。
なんなら時にはデレデレもする。
だけど、そのエネルギー源がなくなり、縁側で日向ぼっこ状態だった僕は、初めて「推し」のいないでんぱ組.incのステージを観ることにした。
とても細かい話になれば、1月7日の武道館「夢眠ねむ卒業公演~新たなる旅立ち~」にて、公演の一番最後にプレ御披露目の形で一曲だけ見せてくれてはいたが、数曲構成を組み立ててちゃんとステージを魅せる新生でんぱ組.incは初めてだ。
言い方が難しいが、とても贅沢にステージを観れた。
以前は推しを常に追っかけてライブを観ていたから、じゃあなにが今回よかったって話になったとしても、「ねむきゅん(夢眠ねむさんの愛称)の~がよかった」で終わっていたものの、その作業がなくなったので、俯瞰で全体を観ることができた。
パッと見てまず思ったのが、メンバーの身長差が少なくなった分まとまったビジュアルになったこと。あくまで、ステージの見た目の話だ。
一人頭ひとつ抜けていたねむきゅんは横並びになると、だいぶ目立っていた。
だけど、元来でんぱ組.incというのはバラバラな個人を尊重するスタンスの元で成り立っている面もあるから、そのごちゃごちゃが良さだったりもした。
それが今回、まとまったグループのビジュアルを見受けて、また新しい、そしてこれから続けていったらそれもまた馴染むであろう「でんぱ組.incの代謝の活発さやワクワクする姿」がそこにはあった。
俯瞰で見れたからこそ、ライブを見ながらも誠に勝手で生意気で無礼なのは百も承知ではあるけど、新メンバーとして加入した「根本凪さん」「鹿目凛さん」について考えることもしていた。
このお二人は2017年の年末に電撃加入したお二人で、当初大阪城ホールで見た時、不安とプレッシャーの中「早く一員になれるようにしたい」というあいさつをあり得ない人数の前でしてくれた。
けなげ過ぎるお二人だ。
そこから丸々一年たって、その二人がねむきゅんから引き継いだものはなんだったんだろうと思った。
武道館公演で、ねむきゅんは凪さんに自分のカラーであるミントグリーンを継いでほしいと伝えた。
ねむきゅんに憧れて追いかけ続けて、同じグループに加入し、いよいよ色を継承するにまでいたった。
凪さんは夢眠ねむという「伝統」を引き継いだように思える。
いわば正当継承。
ただのコピーじゃなく、凪さんが自分なりのミントグリーンをどうやってファンの脳みそに染めていくのかが楽しみで仕方ない。
先代よりも20センチ低い身体に大きな野望を詰め込んでこれからも進んでいく姿をとても楽しみにしている。あと、低い声好き。
そして鹿目凛さんだ。彼女はいったいねむさんから何を受け継いだのだろうか。
もともと、未鈴さんにあこがれている彼女にねむさんが餞別として渡したものってなんなのだろう。
ライブを観ながら考え、今こうして書いている時にも過去の棚から引っ張り出して、部品から推測をしてみた。
あらかじめ、そしてあえて言わせてもらうと完全に勝手な1ファンの推測に過ぎないということだけお伝えする。
ぶりっこ担当として、ステージの上で披露されるチャーミングな仕草で、見てる人の心をあっさりと奪っていく怪盗スキル爆高な彼女だが、他にも目を引く部分があった、それは、「ユーモアさ」だ。
曲と曲の間にMCを挟むのだが、ぺろりん(鹿目凛さんの愛称)のちょっと控えめな雰囲気から発せられる言葉に会場が盛り上がるのをちょくちょく感じた。
たぶん、頭の回転が早いんだと思う。
そしてそれに気づいたねむさんは、「遊び」の部分をぺろりんに伝えたのではないのだろうかと至極勝手に思っている。
歌割りにもそれは思っていて、覚えている範囲ではあるが、今回のライブで歌われていた、ちゅるりちゅりらの「策を練って策を練って石橋バキバキクラッシュ」の部分なんかがちょっとぺろりんなりの遊びを模索しているように聞こえていて、それってとても真面目にでんぱ組.incのライブが楽しく思ってくれるのには、どうしたらいいかを考えているからなのかなと感じた。
正当継承とユーモア継承。この二つを感じながら二人を観ていた。
そして、その二人を大きな愛で包み込む4人の先輩たち。
センターで顔を真っ赤にして、全体を引っ張っていく古川未鈴さん。
ほわほわしっかりスイートな歌声のみんなのお姉ちゃん相沢梨紗さん。
発信し続けた夢が叶い、諦めなければ引き寄せられることを証明してくれた成瀬瑛美さん。
マラソン挑戦や富士登山など、細い身体のどこにそんなど根性パワーがあるんだよと感動レベルの驚きを毎回くれる藤咲彩音さん。
「推し」という存在がいなくなっても、なにも悲しくなることなんてない。
むしろ、「こんな素敵な6人を一気に見れる幸せがこれからも続くんだ」って思ったら、さらにでんぱ組.incに対する気持ちは強くなった。
今回「初めて」6人のステージを観てまた大好きになった。
新たな感動と驚きと笑顔をありがとう。
これからもとても楽しみにしています。
追記:ねむさんの本屋さんができたらそこで本買い倒そうと思う。主にホラーとかイヤミスだけど・・・。
すこしでもいいなと思ったらサポートよろしくお願いします!今後のインプット、自身のレベルアップを経て、皆様に楽しい時間を提供させていただければと思います。