夏に映える気になるあの娘

前にもお伝えしたと思うが、僕はホラー映画が好きで小さい頃からよく観ていた。
洋ホラーも邦ホラーも両方観る。

皆さんもよくご存じの「リング」という作品が
約二十年前に公開された。
呪いのビデオというものがありそれを見たものは7日以内に死んでしまう。
その呪いを解くには、ダビングしたテープを他の人に見せなければならない。
という話で、テレビの中からずるりと這い出るシーンがとても印象的だ。

その衝撃シーンとだめ押しのギョロ目で邦ホラーを代表する存在になった貞子はなんと海を渡り
ハリウッドにまで進出するほどに。

そうして確固たる地位を築いた貞子ではあるが、数年前から少し様子が変わってきた。

映画のプロモーションの度にゴリゴリ表に出るようになって、ムック本の表紙プラス東京の下町をあっちこっち散歩するグラビアの掲載。プロ野球での始球式(投げた後マウンドに失神する そこそこある球速)など、自身の映画のヒットの為にゆるキャラみたいな働き方をするようになった。

SNSも活発で、そこでの彼女はとても丁寧で饒舌で嫌みが全くない人格者なのだ。
人柄が良すぎて愛くるしい。
TikTokも使いこなす柔軟さも持ち合わせている。

そんな貞子がまたスクリーンに戻ってくる。
タイトルもそのまま「貞子」
来週の公開に先駆けて、今日はこんなイベントをやっていた。



もうアイドル。T-シャツを買うと先着100名限定でチェキが撮れると。
約束されたポップな心霊写真ってことか。
たぶん通常なら池田エライザさん側の内容のような気もするが
なんせ本人がめちゃくちゃ働きものの怨霊だから飲み込まざるを得ない。

時間を確認すると、イベント15:00~17:00と書いてある。ん?この間に買うのか?
先着って書いてあるし、この開始時間に合わせて販売されるのかな...。

一応12:00くらいについた僕は土曜の原宿を時間までうろうろすることにした。
T-シャツ代を下ろしにATMへ向かう。横断歩道を渡ってすぐなのにうごめく人人人で時間がかかってしまったし、少し酔ってしまった。

こりゃあダメだ。一応お店に行って念の為確認しに行こうと竹下通りのWEGOさんへ。
お店に到着したが、若者の多さに少し戸惑ってしまった。そうここのお店は10代~20代前半くらいの方が御用達の場所だ。

30を越えた人間が一人で突入するのはとても勇気がいることなのだ。
だったらレンタル店の奥の暖簾をくぐるほうが実に容易い。

そんな暖簾越えの勇気を胸にエイヤと入店。
地下にひらけたおしゃれな空間をヒントがないか探していると、あ!……13日の金曜日のT-シャツ!
わー、いいな。買おうかな。
違う。いけないけない。
んーやっぱりあの時間にならないと……
!!!!???入り口にある!!?!?!
既にT-シャツは販売してた。
入り口に各種綺麗にハンガーへ掛けられている。


若者の空気に圧倒されて視界が極端に狭くなっていたようだ。

そうか、既に売られていたか。いや普通に考えればそうだよなぁ。当たり前か。
先着100名。もう開始の1時間半前。
目の前のT-シャツだけ買っておわりかぁと眺めていたら店員さんが声をかけてくださった。

「サイズお決まりでしたらレジで言っていただければ新しいの出しますのでー!」
「あ、あの、このイベントって」
「はい!この商品を買っていただいたらこの後あるイベントに参加できる券をお配りしておりますー!まだぜんぜん余裕あるので大丈夫ですよー

え?余裕であるの?貞子さんとチェキだよ?珍しくない?なんで?
ということでレジまで行きT-シャツを購入。
無事参加券も手に入れて、時間まですぐ隣のロッテリアさんで待機。



券の番号を確認すると、序盤も序盤。
指定された時間に再び店舗へ戻ると参加するであろう方々がチラホラ。
白のワンピースで衣装合わせてる方がいらっしゃったりと、アイドルの現場と雰囲気がさほど変わらない状況に不思議な感覚を覚えた。

これから一緒に撮るのは呪い殺すのが得意な霊なのに
みんな今か今かとワクワクしている。
僕もその中の一人。

整列が始まった。階段沿いに並んでその時を待つ。

10分15分くらい経っただろうか、いよいよ貞子さんが撮影ブースに入ってきた。

見切れる貞子さんにささやかな歓声が沸く。
こんなウェルカムな怨霊もそうそう居ないだろ。

そして待望の撮影タイムが始まった。一人づつ呼ばれる。

徐々に近づいていく順番。
撮影を終えた方の顔が一様にホクホクしている。
何故だ。しつこいが怨霊だぞ。
むしろ怖い-ってなってもいいようなものをそんな顔をしている人は誰一人としていなかった。

これは一体どういうことなのか。
そんなことを考えていたらついに僕の番が回ってきた。

鞄を預かってもらいブースに入る。いた。
目の前に貞子さん。華奢。
怒り肩に指先まで力の入ったデフォルトな姿が目の前で見れるなんて。


付き添いの方が促してくれて椅子に着席する。
今回の映画のポスタービジュアルがエライザさんの背後から貞子さんが襲いかかっている構図なのでそれに倣ったチェキになる仕様だ。

買ったT-シャツを胸の前に広げて撮ってもらう。

チェキが出て来る間に今回のフライヤーと
「呪」の一文字がプリントされたステッカーをいただく。
その間に「映画楽しみにしてます」と伝えると手を広げて震えて大きくリアクションを取ってくれた貞子さん。
えっ、めちゃくちゃかわいいじゃんよ。

出てきたチェキを貞子さんから手渡しされ、握手(手がちゃんと冷たかった)をし、最後に両手を向けて呪いもかけて送り出してくれて、ファンサービス良すぎて余計に好きになった。

そうか、こうして自分の存在を忘れられなくしてるのか。まんまと呪われた。
なんて恐ろしいんだ貞子さん。
来週24日公開「貞子」初日にちゃんと観に行きますね。T-シャツを着て。

すこしでもいいなと思ったらサポートよろしくお願いします!今後のインプット、自身のレベルアップを経て、皆様に楽しい時間を提供させていただければと思います。