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実例解説!個人事業主が一人で事業再構築補助金をもらうためのマニュアル その⑤ 何が経費になる?

本来は事業計画の所に書くべきでしたが今回は経費についてです。

補助金をよく知らない人が言いがちなのが「補助金で車買ったらあかんの?」「パソコンは?」「土地は?」です。

どう思いますか?

答えは✖️です。

対象になる経費を述べる前にダメなものから見ていきましょう。

1 以下の経費は、補助対象になりません。
➢ 事務所等に係る家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
➢ フランチャイズ加盟料
➢ 電話代、インターネット利用料金等の通信費(クラウドサービス利用費に含まれる付帯
経費は除く)
➢ 商品券等の金券
➢ 販売する商品の原材料費、文房具などの事務用品等の消耗品代、雑誌購読料、新聞代、団体等の会費
➢ 飲食、娯楽、接待等の費用
➢ 不動産の購入費、株式の購入費、自動車等車両(事業所内や作業所内のみで走行し、自動車登録番号がなく、公道を自走することができないものを除く)の購入費・修理費・車検費用
➢ 税務申告、決算書作成等のために税理士、公認会計士等に支払う費用及び訴訟等のための弁護士費用
➢ 収入印紙
➢ 振込等手数料(代引手数料を含む)及び両替手数料
➢ 公租公課(消費税及び地方消費税額(以下「消費税等」という)等)
➢ 各種保険料
➢ 借入金などの支払利息及び遅延損害金
➢ 事業計画書・申請書・報告書等の事務局に提出する書類作成・提出に係る費用
➢ 汎用性があり、目的外使用になり得るもの(例えば、事務用のパソコン、プリンタ、文書作成ソフトウェア、タブレット端末、スマートフォン及びデジタル複合機、家具等)の購入費
➢ 中古市場において広く流通していない中古機械設備など、その価格設定の適正性が明確でない中古品の購入費(3者以上の中古品流通事業者から型式や年式が記載された相見積もりを取得している場合等を除く)
➢ 事業に係る自社の人件費、旅費
➢ 上記のほか、公的な資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費
2 海外子会社が主たる補助事業実施主体となる場合に限り、本事業で購入した機械装置等に ついて貸与の契約を締結した上で、海外子会社に貸与することも可能です。ただし、海外海外子会社への貸与価格が市場価格から乖離している場合など、取引形態によっては移転価格税制
等の税制上の検討が必要な場合がありますので、ご注意ください。
3 補助対象経費は、補助事業実施期間内に補助事業のために支払いを行ったことを確認でき
るものに限ります(外国通貨の場合は、支払日当日の公表仲値で円換算)。支払いは、銀行
振込の実績で確認を行います(手形払等で実績を確認できないものは対象外)。
4 採択後、交付申請手続きの際には、本事業における契約(発注)先(海外企業からの調達 を行う場合も含む)の選定にあたって、経済性の観点から、可能な範囲において相見積りを 取り、相見積りの中で最低価格を提示した者を選定(一般の競争等)してください。また、 単価50万円(税抜き)以上の物件等については原則として同一条件による相見積りを取るこ とが必要です。相見積りを取っていない場合又は最低価格を提示した者を選定していない場合には、その選定理由を明らかにした理由書と価格の妥当性を示す書類を整備してください。 市場価格とかい離している場合は認められません。したがって、申請の準備段階にて予め複 数者から見積書を取得いただくと、採択後、速やかに補助事業を開始いただけます。
5 補助金交付申請額の算定段階において、消費税等は補助対象経費から除外して算定してく ださい。
6 事業計画に対して過度な経費が見込まれているとき、価格の妥当性について十分な根拠が 示されない経費があるとき、その他本事業の目的や事業計画に対して不適当と考えられる経 費が見込まれているときは、交付決定の手続きに際して、事務局から補助対象経費の見直し を求めます。
7 中堅企業等に対する交付決定は、今国会に提出されている「産業競争力強化法等の一部を 改正する等の法律案」が可決され、施行された日以降となります。
8 補助事業により建設した施設等の財産に対し、抵当権などの担保権を設定する場合は、設 定前に、事前に事務局の承認を受けることが必要です。補助事業遂行のための必要な資金調 達をする場合に限り、担保権実行時に国庫納付をすることを条件に認められます。なお、補 助事業により整備した施設等の財産に対して根抵当権の設定を行うことは認められません。

うーん、長い!

ダラダラ長く書いてありますが、ざっくり言うと、

仕事以外に使えるのはダメ

ってことです。

あくまでざっくりですので、「例えばラーメン屋やるとして、補助金で買ったヤカンで休憩時間にお茶沸かしたらあかんの?」みたいなのはもちろんOKなのでその辺はケースバイケース。公募要領をよく読んで自分の計画のうち、何が経費になるか考えてみてください。

次はOKなもの。


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これも長いですね!

私は公募要領を読むのが割と好きなので苦になりませんが、普通の人にはわかりにくいですよね。

私の事例で確認していきましょう。

私のお店のお客さんに、旦那さんが飲食店を経営されている主婦の方がいらっしゃいます。おそらく資産家のようで、

「私の持ってる土地に事業再構築補助金で賃貸マンション建てようとおもってんねん!」

っとおっしゃられました。

さて、この事例はどうでしょうか?

これはおそらく✖️です。

公募要領には明確にダメとは書いてありませんが、

➢ 上記のほか、公的な資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費

と、あります。

賃貸マンションは雇用に結びつかない上、資産性の高いものとされているので補助金の対象にはならないと思います。

なので、それはダメだと思いますよとお伝えしたら、

「えー!私の友達、事業再構築補助金で持ってる土地に富裕層向けの宿泊施設建てるって言うてたで!」

と食い下がってきました。

さてこの事例はどうでしょうか。

これはおそらくOKです。土地はNGですが建物はOK、宿泊施設は商業施設なのでOKなのです。

そうお伝えすると、

「ってことは、私の土地にウィークリーマンションとか民泊にするって名目でマンション建てて、何年か経ったら普通に賃貸マンションにするのはOKってこと?」

とおっしゃられました。

このケースはどうなのでしょうか?

道義的には✖️ですが、補助金的にはありっぽいですね。おそらくこんなことをされているお金持ちはたくさんいると思います。富めるものはますます富むっていうやつですね。「補助金やるのめんどくさいしやめとくわ」って人はこういう人達から知らないうちに搾取されてるのです。怖いですね。

さて、再び事例をあげていきます。

私の友人にリラクゼーションを経営している人物がいます。彼が「事業再構築補助金でたこ焼き屋やるわ」と言ってきました。リラクゼーション店がたこ焼き屋なので事業再構築指針的にはOKなので、事業計画書をうまく書けば採択される可能性はあります。なので、ちょっと手伝ってあげようと思いました。そこで彼が一言、「テナント料も補助金出るんやんな?」

さてこれはどうでしょうか。

答えは✖️です。

家賃、保証金、敷金礼金、仲介手数料は経費と認められません。一方で、たこ焼き屋さんの内装工事や什器、看板などの外観工事、チラシやホームページなどの宣伝広告費、たこ焼きの焼き方を習うための技術導入費などは経費と認められます。

結局「たこ焼き屋やるのに一番金かかんのテナント料やのに、それがでーへんならやめとくわ」ということになりました。

ではリラクゼーション店の一部を改装してたこ焼き屋にするのはどうでしょうか。

このプランが採択された場合ほとんどの経費が補助金の対象になると思われます。

では、リラクゼーションの店の前に屋台のようなたこ焼き店を出店したらどうでしょうか。この場合、たこ焼き屋さんをやる経費は補助金で出るのでしょうか?

答えはおそらく✖️です。

というのも、そもそも「お店の前で屋台のたこ焼き屋」というプランはおそらく採択されないからです。事業再構築補助金を申請するためには「思い切った」投資が必要なのです。この「思い切る」の定義は、少なくとも店舗の改装くらいはしろよ、ということだと私は思います。つまり経費の中に建物費を入れるのは必須です。店舗をされてる方が店舗を改装することなく什器や宣伝広告費だけで事業再構築補助金に応募しても申請要件を満たさず予選落ちでしょう。

申請要件が鬼キツい事業再構築補助金ですが、このように経費に対する縛りも鬼キツいのです。

緊急事態宣言枠で応募があったのは5,181社、そのうち申請要件を満たしたのは4,326社であったそうです。800社近くは申請要件を満たしてなかったわけです。この中の何社かは経費に関する考え方が間違っていたのかもしれませんね。事業計画を考える時は何が経費になり、何がならないかも同時に考えていきましょう。

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