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正しくB級を貫いたチャンピオンRED版『お姉チャンバラ紅』を今からでも読め!

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2月に間に合わなかったので最後まで無料で読める記事になっております……!

SIMPLEシリーズから生まれて好評を博してシリーズ化し、昨年2019年12月に15周年記念作品として、イイ感じのリメイク版も発売された『お姉チャンバラ』!
テンガロンハットと水着ビキニの主人公が、日本刀でひたすらゾンビを斬りまくるこの作品。実はマンガにもなっていたことをご存じだろうか?!
2008年12月から2009年8月まで、チャンピオンREDで連載されていたのだ。

なんとなく『お姉チャンバラ』を連載するならチャンピオンREDだよなーって感じする。当時、このためだけにチャンピオンREDを購読して『フランケン・ふらん』とかにハマったのが懐かしいぜ……。

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構成・絵コンテは怒涛のエログロカードバトル漫画『カオシックルーン』を手掛けた山本賢治!
そして漫画を担当した服部三枝は本作が初の単行本となるぞ。
SIMPLEシリーズから生まれた作品のコミカライズが初単行本とは、輝かしい実績になったな!……と思ったがこの本を出してからの消息が分からない!今どうしてらっしゃるんでしょうか!?

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単行本裏には「お姉ちゃんがチャンバラ三昧!」と1作目のキャッチコピーが躍る。まだ『シグルイ』連載してたころかー。

ストーリーは主人公の彩が妹である咲を探す旅の途中で、様々な戦いに巻き込まれていくというもの。
原作の主要キャラはアンナを覗いて登場するものの、基本設定を軽くなぞる程度で世界観や登場キャラはほぼオリジナルだ。

ゲーム本編のシナリオがフワッとしたシリアス展開だったのに対し、マンガ版はハチャメチャなB級ノリを貫いており、割とベツモノと言えばベツモノ。しかし、頭の悪いB級マンガとしてブレない姿勢が読んでいて楽しい内容になっていた。

「クラスターゾンビ爆弾」で近隣の街を脅す悪の女王。
マフィアが仕切りサイボーグが平然と出場する非合法の駆け試合。
外堀にゾンビが蠢く異様な民間刑務所「死霊監獄島(ゾンビウォード)」。
ゾンビの大量発生により政府から見捨てられ隔離された「死霊中華街(チャイニーズ・ゴースト・ストリート)」と、大変ワクワクする舞台の数々で彩が大暴れだ!

寡黙に窮地を脱する彩の姿もなかなかカッコ良く、日本刀を取り上げられて鉄パイプ1本で果敢に戦う姿などはコミカライズならでは。
刑務所にぶち込まれてるのにテンガロンハットを被ったままなのと、そこに一切突っ込みが入らないところも好き。

オリジナルキャラもキュートなバニーガールの受付嬢や、チャイナ服のロリっ子、カンフーでゾンビを蹴散らすじいさんなどいい味出してる。

特に終盤に登場するボスキャラであるギロチン三人衆のガザ美ちゃんが最高。下半身が巨大なカマキリになっているメイドで「〇〇デス」「〇〇DEATH』を語尾につけて喋る。逃げる時に「アディオスアミーゴケンチャナヨ!」という謎の捨てゼリフが印象的で、後にPSP『お姉チャンバラSP』でさりげなく拾われたりもした。

ストーリーは咲の行動の謎や、やっと会えた咲が記憶喪失になっているところが中心なのだが、最終回で「ふざけてんのか!」って言いたくなる強引なたたみ方をしてきて脱力。しかしこれもまた本作らしい流れだし、「それが言いたいだけだろ」感全開のラストカットもやっぱり好き。

ゲーム本編とは一味違うテイストで『B級ノリ』をまとめあげた快作。全5話で単行本1巻という短さながら楽しいコミカライズだった。特にゲームと関連があるというわけではないので単独の作品として読めると思う。電子書籍化とかもされてないのでブックオフで探してみてくれ!

しかし『お姉チャンバラ』、マンガ化にめっちゃ向いてると思うんだけどこれっきりなんだよね……。またトライしてもらいたい!

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