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マンセル表色系

マンセル表色系

マンセル表色系とは

色相・明度・彩度の3属性の段階を記号と色票で表す表色系のこと。
日本では、PCCSの色相環が一般的だが、世界的にはマンセル表色系の方が有名。
マンセル表色系が開発されるまでは、色を具体的な言葉で表現するものがなかった。そのため、マンセルによる、”色相”、”明度”、”彩度”を系統的に示したことは画期的であった。

色相

色相=Hue(ヒュー)。
(R)、(Y)、(G)、(B)、(P)
の5色を原色(一次色)(R、Y、G、B、P)

この5色の中間色相である
黄赤(YR)、黄緑(YG)、青緑(BG)、青紫(PB)、赤紫(RP)を加えた10色が色相を表すための記号になる。

この10色相の間をさらに等しく感じられる10分割にすると、100色相を表すことが出来る。

色相環

まず、RGB+YP(と個人的に覚えてみる)の5色。
そして、その間、YR,YG,BG,PB,RPの5色。
そして、その間に10色が並ぶ。
例えば、Rの場合、1R,2R,3R…,10Rでその次のYR(1YR,2YR…、)という風に数字が変わる。数字は、時計回りに大きくなる。

0Rという表記はない。10RPとなる。

マンセル色相環

PCCSとマンセル表色系の記号で表される範囲は異なる。

明度

明度=Value(バリュー)、グレイスケールを基準とする。
純粋な、理想的な白を”10”、理想的な黒を”0”とする。
実際は理想的な白と黒はないため、”9.5”から”0.5”と小数点を使った表記がされる。

彩度

彩度=Chroma(クロマ)
Valueと同様、小数点を使って表される。
彩度0=無彩色。
マンセル表色系では、色相によって彩度の上限数字が異なる。
例えば、5Rの色相では、最高彩度は14、5BGの色相では、最高彩度はになる。
最高彩度が色相によってバラつきがあるため、彩度が8で、違う色相のものを見比べると、色の鮮やかさ感がそろっているように感じられない場合もある。

色の表示法

それぞれの属性の英語頭文字をとって、HV/Cと呼ばれる。

HV/C=色相・明度/彩度(明度と彩度はいずれも数値のため、/で区切る)

例えば、色相が5R、明度が8、彩度が7の場合、5R8/7と表記される。

無彩色=中性、中立を意味するNeutralの頭文字であるNと表す。無彩色では、明度の数字のみ表し、N1という表記になる。

色立体

マンセルの色立体は、色相環の順序に従って、各色相の等色相面を無彩色の中心軸の周りに集めたもの。

マンセルはこの色立体を、カラーツリー(色彩の樹)と呼んだ。

構造は白を頂点、黒をボトムに配置とした中心軸。
その中心軸を各色相の軸として、放射状に延びていく。

水平に切ると、等明度面が出現する。


等明度面

マンセル表色系に従って作られた代表的な色票集として、Munsell Book of Color(マンセル・ブック・オブ・カラー)JIS標準色票がある。

色数は、マンセル・ブック・オブ・カラーが約1,600色、JIS標準色票が2,163色。
マンセル・ブック・オブ・カラーは、「光沢版」と「無光沢版(ツヤ消し版)」の2種類があり、色を測る時に非常に便利。
JIS標準色票は「光沢版」のみ。

表色系には、顕色系と混色系がある。
顕色系=等しく感じられる感覚となるように区分した表色系のこと。
カラーオーダシステムと呼ばれることもある。

混色系=混色の原理を用いて色を表示する表色系のこと。


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