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新書『大梵音』第三号の発売

この度、『大梵音』第三号「即身成仏義・声字実相義・四種曼荼羅義の空海大師御作説ー「承和二年正月廿三日付太政官符」の益信師偽作説ならびに『御遺告』の観賢師偽作説ー」を発刊しました。

従来、偽作とみさなれてきた「承和二年正月廿二日付太政官符」が真作であり、逆に真作とみなされてきた「承和二年正月廿三日付太政官符」が偽作であることが判明し、それによって様々な問題を解決することができました。主な成果は、下記のごとくです。

①「承和二年正月廿三日付太政官符」の偽作者が益信であること。

②『御遺告』の偽作者が観賢であること。

③「承和二年正月廿二日付太政官符」が真作であることによって、『即身成仏義』・『声字実相義』・『四種曼荼羅義』が空海大師の真作であること。本論によって、依然として残る上記三書の偽作説・懐疑説を退けることができたと考えます。

④『御遺告』の偽作時期。

⑤「承和二年正月廿三日付太政官符」の偽作時期。

⑥『異本即身義』・『異本四種曼荼羅義』の成書時期。


先ずは電子書籍から発売しました。紙の本(POD)は追って販売します。

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<目次>

はじめに―――4
一、 年分度試に関する二つの太政官符―――4
一・一、 金剛峯寺官符―――5
一・二、 東寺官符―――9
一・三、 「金剛峯寺官符」と「東寺官符」に関する先行研究 ―――11
二、  年分度試と三業度人に関係する符牒 ―――13
二・一、 弘仁十四年十月十日付太政官符―――14
二・二、 承和元年十二月廿四日付太政官符―――15
二・三、 『続日本後紀』承和二年二月三十日項 ―――17
二・四、 承和二年八月廿日付太政官符 ―――18
二・五、 仁寿三年四月十七日付太政官符―――19
二・六、 元慶六年五月十四日付太政官符―――22
二・七、 仁和元年六月二十二日付玄蕃寮牒―――25
二・八、 寛平七年の神護寺年分度者の回復―――27
二・九、 寛平九年六月廿六日付官符―――28
二・十、 延喜七年七月四日付太政官符―――33
三、 「東寺官符」の益信師偽作説―――37
三・一、 『続日本後紀』の「戊辰」(二十二日) ―――37
三・二、 「東寺官符」の偽造工作―――38
三・三、 安然師『諸阿闍梨総録』に引く『即身義』・『四種曼荼羅義』・『声字義』 ―――44
三・四、 「東寺官符」の三業と「寛平法皇の制」の三業―――45
三・五、 金剛峯寺における「東寺官符」三業度人の導入時期―――48
三・六、 『御遺告』第十六条と「東寺官符」―――55
三・七、 東寺による金剛峯寺・神護寺の支配の正当化―――59
四、 『三十帖策子』の帰属を巡って ―――62
四・一、 観賢師『三十帖策子勘文』―――62
四・二、 真雅師から真然師への「請収」―――66
四・三、 宗叡師と真然師による応酬―――69
四・四、 金剛峯寺の座主と東寺の長者―――72
四・五、 無空師の座主放棄と高野山からの下山―――73
四・六、 峯禅師の座主就任と観賢師の思惑―――77
四・七、 無空師の遷化と観賢師の金剛峯寺座主への就任―――78
五、  『御遺告』の観賢師偽作説―――81
五・一、  益信師の長者と「東寺官符」の偽作時期―――81
五・二、  観賢師の長者―――88
五・三、 『御遺告』の内容分類と偽作意図―――90
五・三・一、 東寺長者が全真言宗の筆頭であると偽る条―――90
五・三・二、 東寺長者を真雅師の弟子に限定しようとする条 ―――91
五・三・三、 弟子の条件を限定しようとする条 ―――94
五・三・四、 先に出家した者・僧綱となった者が選ばれるべきとする条―――96
五・三・五、 他寺を東寺長者の支配下に置こうとする条―――97
五・三・六、 東寺に二十四口の真言僧を置くべきとする条―――98
五・三・七、 後七日御修法の供僧を東寺が牛耳る思惑の条―――98
五・三・八、 青龍寺恵果和尚に由来すると偽証する条―――99
五・三・九、 精進峯仏隆寺に関連する条―――100
五・三・十、 その他(東寺における禁則)―――101
五・三・十一、 東寺長者の始まり―――101
五・四、 『御遺告』の偽作者―――103
五・五、 『御遺告』の偽作時期―――104
六、 空海大師の時代の著作に引用される『即身義』・『四種曼荼羅義』・『声字義』―――106
六・一、 空海大師の著作に見られる「即身成仏頌」―――106
六・一・一、  『大日経開題』―――106
六・一・二、 「為亡弟子智泉達嚫文」―――107
六・二、 真済師『高雄口訣』に見られる『即身義』・『四種曼荼羅義』・『声字義』関連の文―――107
六・二・一、 『高雄口訣・第六十項』―――107
六・二・二、 『高雄口訣・第五十六項』―――108
六・二・三、 『高雄口訣・第三十三項』―――109
六・三、 安然師『真言宗教時義』に引用される『即身義』・『四種曼荼羅義』・『声字義』―――109
六・三・一、 『教時義』所引の正本『即身義』―――110
六・三・二、 『教時義』所引の『四種曼荼羅義』―――111
六・三・三、 『教時義』所引の『声字義』―――113
七、 金剛峯寺の年分度試と異本群―――115
七・一、 六種『異本即身義』―――115
七・二、 二種『異本四種曼荼羅義』―――117
七・三、 年分度試の学習ノートとしての『異本即身義』・『異本四種曼荼羅義』―――119
七・四、 『異本即身義』・『異本四種曼荼羅義』群の制作時期について―――120
八、 空海大師治定の二十巻本『大日経疏』―――121
結語―――123

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