夢冒険 ストーリー0005


2頭の馬に乗った3人は、エルミタージュの西を目指していた。

道のりは遠い。

もう6時間は走っただろうか。

途中、馬を休ませるために小休止した時のこと。

真一は歳が近いと思われる少年に話しかけた。

「えと・・・ダルクだっけ・・・?」

「なんだよ、気安いなぁ・・・」ダルクは面倒くさそうに

答えた。あんまり友好的ではないようだ。

「なんで、俺が創造主だって分かったんだ?」

ダルクは少し考えて答えた。目がクリっとして髪は赤色。

一見、魔法使いには見えない。

「・・・俺の予知能力ってやつだ。俺のこの能力は正確で

外れたことがない」

「なるほどね。ちなみにさっき言ってたレベル1って何?」

「何って、そのまんまだよ。お前の強さ。

攻撃力、守備力、体力、すばやさ、魔力これらをまとめて数値化

したのがレベル。お前はそれの1。一番低いってわけだよ」

そして続けた。

「これはサーチという魔法で、俺だけが使える魔法だ。

だから俺だけしか分からない強さの指標の1つだ」

「まるでRPGだな。つまり俺は冒険者の卵で、経験値を積むたびに

レベルが上がってどんどん強くなるわけだ」

「RPG?なんだそれ?? レベルを上げるって簡単に言うけどな、

厳しい就業や訓練を積まないとレベルは上がらない。ちょっとやそっとの努力じゃ

レベルは上がらないんだぜ!?」

ダルクが次に何かを言おうとしたとき、木の向こうからギルの声がした。

「おい! そろそろ出発するぞ!」

「はい!」

ダルクは返事をするとすぐに支度にかかる。それに真一も続いた。

「いよいよRPGになってきたな・・・俺はこの世界の救世主となるか・・・」

レミアを救いに行かなければいけない状況で、不謹慎にも真一はワクワク

した。

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