感謝の話

大好きだったロックンロールスターが遠くへいってしまった。
いや、大好きどころではない。
僕を救ってくれた恩人。

中学まではわりと楽しいだけの人生だったんだけど、高校に入って初めて「あ、俺人見知りかも。ヤバい、友達できない。」と独りぼっちになった。
とはいえ、いじめられているわけではないので学校にはちゃんと通った。
でも、話すやつも遊ぶやつもいないし、そんなに楽しくはなかった。
お弁当の時間も一人で食べるのが恥ずかしいから、自転車で高校のまわりを走ったりしていた。
そんなモノクロの日々にやってきた文化祭の季節。
文化祭の準備をサボる勇気も不良性もなく、ただ黙って参加していた。
うちのクラスが何をやったか忘れたけど、準備の合間に同級生が音楽をかけていた。
その音楽があまりにもかっこよすぎて、気になって気になって…。
勇気を出してどこから声出しとんねんみたいな声で「それ、誰の曲?」って聞いた。
「これ?THEE MICHELLE GUN ELEPHANTってバンドだよ。音楽好きなの?貸そうか?」と会話が始まった。
僕のモノクロだった日々がカラフルに変わった瞬間だった。
たった一枚のCDで、僕の人生を変えてくれた。
これは一生感謝するできごと。

その後、芸人になってラジオ番組のレギュラーをやらせてもらうことになって、そこへThe Birthdayの皆さんがゲストでやってきた。
自分の人生を変えてくれた人に会える。
数日前からドキドキしていた。
だけど、この番組を一緒にやっていたグランジ遠山のミッシェルやBirthdayへの熱量を知っていたので、遠慮したわけではないけど僕は立場的にクールを装った。
(というか、Birthdayの皆さんが来てくれたのは遠山の異常なまでの愛によるところだと思ってる。遠山にも本当に感謝しています。)
当日は仲のいい友達が憧れの先輩に告る場に立ち会うみたいな感じで、なんとも言えないくすぐったさがあった。
お会いしたご本人は本当にカッコよくて優しくて、存在自体が奇跡みたいな人だった。
ちなみに、ご本人はトークが苦手だからという理由で缶ビールを飲みながら生放送に参加していた。
完全に影響された僕は、その日から同じ缶ビールを買うようになった。

その後も一度、生放送に来てくれて生演奏をしてくれた。
その時はさすがにビールは飲んでなく、なんとも言えない緊張感があった。
生演奏前のトークパートで、僕と遠山とテーブルを挟んでBirthdayの4人。
2人vs4人の変な緊張感。
トークの序盤に緊張感を打破したくて「これ、バイトの面接だったら地獄ですね」と渾身のボケを繰り出した。
4人ともニヤっと笑ってくれて救われた。
スタッフさんに「あの緊張感でよくボケられたね」と褒められた。
違うんです。
たしかにめちゃくちゃ緊張感はあったけど、ボケてよさそうな空気を4人が出してくれていたからです。

ありがとうございました!
高校生の僕からも、本当に本当にありがとうございました!

サポートはとても嬉しいですが、お笑いで返すことしかできませんのであしからず。