清志郎さんの話

この文章を書いている5月2日は忌野清志郎さんの命日。
2009年に亡くなって、もう15年も経つのか…。
忌野清志郎という人を初めて認識したのは、小学生か中学生のときかな。
地元荻窪のCDショップで流れていた曲が気になって、家に帰っても口ずさんでいて。
母親に「そんなに気に入ったなら買ってきたら?」とお小遣いをもらってCDを買いに行った記憶。
ただ、曲のタイトルが分からなくて店員さんに「こんな曲です」って歌ってみせた少し恥ずかしい思い出も。
手に入れたCDを家で聴いたら、やっぱり凄くよくて大好きになった。
その後、ずっと追いかけたわけではなく、僕はお笑いの方にのめり込んでいったので、好きなアーティストの一人みたいな距離感だった。
そして、芸人になってまたいろんな音楽に触れる機会が増えて、あらためて忌野清志郎というアーティストを深掘りしていった。
清志郎さんの人となりにも興味を抱きつつ、作ってきた音楽や、発してきた言葉など、いろんな刺激を受けた。
フォークグループみたいな感じでデビューした清志郎さんが、ある時期からメイクを施してド派手な見た目になったことにならって、僕もそんな感じで過去の芸風や自分自身の嫌いな性格などと決別してやろうかと考えたこともある。

清志郎さんの訃報が届いた時、僕はグランジ大とかと後輩の家で飲んでいた。
すぐに行きつけのロックバーに連絡して「今から行っていいですか?」と聞いた。
夜中だったので「今日はもう閉めたよ」と。
その数日後にあらためてロックバーに行き、いろんな曲をかけてもらった。
ちなみに、このロックバーのマスターに『空がまた暗くなる』という曲を教えてもらって、このお店に行くと帰るときにかけてもらうようになった。
♪大人だろ 勇気を出せよ♪
の歌い出しに心を鷲掴みにされた。
よかったら聴いてみてください。

今日の朝に起きてXを開くと、命日だからかいろんな清志郎さん関連のツイート(ポストか?)を目にした。
その中に、清志郎さんがライブ中に発した言葉があった。
要約すると…
この国やこの世界の現状を憂いながら、どんどん悪くなっていく政治や世界情勢などに疑問をぶつけ、このままでは最悪の状況になるぞ!ということをしっかりと伝え、最後に「愛しあってるかい?」と…。
朝から泣いてしまいました。
おかしいことはおかしいと意思表示をしながらも、「愛しあってるかい?」という着地の優しさに泣きました。

普段、あまり思想や政治的な発信はしないようにしています。
予期せぬ面倒くさい絡まれ方をしそうなので(笑)
が、大人なので勇気を出して…。
やっぱり、戦争はしたくないです。
こういう話になったときに「過去の戦争でご先祖様が命をかけて守ってくれたこの国を守るのが、現代を生きる国民の務めだろ」みたいなことを言う人がいます。
ごもっともです。
でも、僕はそれと同じレベルで「過去の戦争でご先祖様が命をかけて『もう二度と戦争はしないでくれ』と教えてくれた」と思っています。
どちらが正しいとかではなく、僕はそう考えています。
そして、考え方の違う人とも愛しあっていきたいです。
それだけです。

サポートはとても嬉しいですが、お笑いで返すことしかできませんのであしからず。