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【コラム】 銅ってどんな金属?

古代から使われてきた

銅は、ほぼ純粋な銅の形で産出することがあり、鉱石からの取り出しが比較的簡単なため、古代から人間に利用されてきました。
5500年ほど前からは、石器に代わり、銅にスズを溶かし込んだ青銅(ブロンズ)を使う文明が世界各地で始まりました。
日本では、「あかがね」と呼ばれ、弥生時代に作られた銅鏡や銅鐸、銅矛などが残っています。

加工しやすい

銅は簡単に薄く長く延ばすことができ、加工しやすいため、硬貨や楽器、銅像などに使われています。
硬貨では、10円玉は青銅で、五円玉は黄銅、50円玉と百円玉は白銅、五百円玉はニッケル黄銅でできています。
楽器では、青銅はベルやシンバル、銅と亜鉛の合金である真鍮はトランペットなどの金管楽器に使われています。
銅像では、アメリカの自由の女神や上野の西郷隆盛像、牛久大仏などは、青銅製です。

耐食性がある

銅は、空気中の酸素に触れると「緑青」という緑色の化合物を作ります。この緑青が保護皮膜となり、腐食の進行を防ぐため、屋根に使われることがあります。

熱を伝えやすく殺菌作用がある

銅は、銀の次に熱をよく伝え、殺菌作用があります。そのため、鍋やフライパンなど、調理器具に使われたり、医療現場などで活躍したりしています。ウイルス感染を抑制する抗菌作用もあります。

電気を通しやすい

そして、何よりも大切な性質は、「電気を通しやすい」ということです。そのため、電線に利用されたり、電気製品に使われています。例えば、携帯電話に使われる金属の半分以上は、銅です。

リサイクルしやすい

銅や銅合金は資源価値が高いため、積極的にリサイクルされています。電線などの銅線はもちろん、電子機器に使われている銅も、廃棄された電子機器を集めて、そこから取り出されます。

文=宗形 憲樹

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