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自分を買ってくること

物買ってくる 自分買ってくる



民藝運動の中心人物の一人であり、
陶芸家の河井寛次郎の言葉です。


ミニマリストとか断捨離だとか、
物を捨てる、手放すことがある種のクールな行為であるように見えたり、「本質」的な行為かのように言われることもある昨今。


たしかに、
無駄を削ぎ落とすことで生産性が高まったり、
物が溢れる現代で空間的な余白が生まれることは精神的なゆとりに繋がったりすることはある、と思う。

掃除や整理整頓は気持ちよく暮らすためにはやっぱり必要だし。


だけども、一方で
削ぎ落とせば落とすほど、シンプルという名の元で均質化した、
量産型なスタイルに収束する場合が多いのも事実なようにも感じます。

(断捨離やミニマリズムは、人間が持つ複雑性や不完全性への抵抗もあるのかも知れない)


個人的な考えだけども、
僕はやっぱり、その人のどうしようもない興味の矛先や偏愛や心のあり様が出た空間のほうが、「家」という本質のように思える。


自分を見つめ直すための「捨てる」
があると同時に
「買う」ことで見える自分もあるのだと気づかせてくれた言葉です。


物買ってくる
自分買ってくる



※トップの写真は最近手に入れた弥生土器
https://www.instagram.com/daichikoma2



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