第2回切り博 展覧会レポート編
2020/8/8~23に大阪市内で開催される、第2回切り絵博覧会(以下、切り博2020、展示情報はページの最後に記載。)について、今般の世情により、鑑賞者のみならず遠方の出展者からも来場を断念する声を多々聞いていたため、大阪在住の出展者である私、松村大地がレポートとレビュー、そして自作解説の3記事を書くことにしました。レポートでは、展示会の紹介や展示内容について、SNSでは書ききれない詳述をたくさんの写真とともに、レビューでは、松村が特に会場で印象を受けた作品の内容についてやキュレーション的視点からの見解なども述べたいと思います。
どんな展示かを知りたい方は、気軽に読める本ページ(レポート編)、さらに作品や展示方法など専門チックな深めの考察などが気になる方はレビュー編を、松村の作品について知りたいという方は自作解説編と、興味に合わせてお読みいただければ幸いです。
それではレポート編スタート!
キプリス側
会場は、普段はホワイトキューブのギャラリーとして運営されるアトリエキプリス、廃墟的でありヴィンテージ家具や流木で装飾されたスタジオとして運営されるstudio sizma。切り絵グループSAMURAIの主催展示のときのみSAMURAI Gallery Regalia として連続的に展示が展開される。
会場に入ってのところには佳帆さんの作品が4点並ぶ。
続いて、アトリエキプリス側の1つ目の展示室。大小さまざまな作品が展開される。
色彩に富んだ作品がホワイトキューブの中に展開される。特に、入って左側には、にしじまのりこ氏の和紙で色付けされた作品が、B5程度の大きさのものから、かなり大きい作品まで7作品並び、目を引き付ける。切り絵を始める前は、貼り絵をされていたとのことで、紙を使った着彩はとても丁寧で、額の大きさは違えど全体には統一感をもたらす。
2つ目の展示室では、進行方向右側(写真上)で壁面の上下に複数の作品が複雑に展開される一方で、左側では整然と作品が並ぶ。
奥の壁には、本展に展示される作品のなかで最大の作品が鎮座する。
キプリス側の展示室を出ると、福田理代氏の作品とTAKAHIRO氏の彫紙アートと呼ばれる手法の作品が並ぶ。
物販コーナーを通り過ぎると、その先にはstudio sizma側の空間が広がる。
sizma側
6名の作品が展示されているが、斎藤氏の作品と私・松村の作品(左から3番目)には求心性が作品のテーマの一つに認められる。また右側の3名の作品は神話であったり、仏教的モティーフであったりと聖性という共通項を持った作品が並ぶ。
(詳しくは自作解説のページで)
そのちょうど裏手には、アンティークのソファーや棚に、「夜」という共通性が認められる小型の作品が立ち並ぶ。(すべて共通しているわけではないが。)また、写真左手には、海岸で拾われたシーグラスや貝殻などのコレクションが重厚な棚に飾られている。sizma側は作品だけではなく、こういった什器や装飾も魅力的だ。
ヴィンテージピアノを展示什器として使用し、それを中心に作品が多方向に展示される。この場所には繊細志向作品が多いなか、写真中央のカミヤ・ハセ氏の作品が突如空間を割くかのごとく、リズムを生んでいる。
今回、立体性が高い作品が主に3点展示されているが、写真左のいしかわゆか氏の作品、中央のHannon氏の作品だ。そして右の作品は輿石孝志氏の作品で、複雑に作図された下絵(設計図)をレーザーカッターにて制作しているそうだが、デザインの妙がこの展示空間と呼応している。
その横には、仲順れい氏の作品が展示されるが、レビュー編で特筆したい。
sizma側のを眺める。
ざっとではありますが、展示会の内容をご紹介させていただきました。ご来場が難しい方など、少しでもお楽しみいただけたら幸いです。
また、レポート編では、当たり障りなくさらっと全体を通してお伝えしましたが、レビュー編では、別視点から、そして、自作解説では、私の出展作品について詳細に書いておりますのでぜひご覧ください。
第2回切り絵博覧会
2020/8/8(土)-8/23(日)
13:00-18:00(水木休)
入場料700円(1dr付)
SAMURAI Gallery Regalia
大阪市東成区中本5-27-15-3F
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