God only Knows
4年生の夏、ミスタードーナツでお勉強をしていたときに、この曲がかかっていた。
ミスドって、カフェ的なしっぽり感とファミレス的な居心地の良さを足して2で割ったような独特な雰囲気がある。
万人が気分を害しない木質ベースのあの内装。
やけに明るい店内の照明。
甘いドーナツと冷たいコーヒー。
不快な気分になることなんてぜんぜんないのだけど、どこか不自然な親しみを感じる。
4年生の夏。
単位は一通り取り終えている。
友達はひと足先に卒業している。
半年前は長い旅に出ていて、いまだにその疲れが残っている。
夜になると、きまってハシシをたいて癒しをこうている。
来年の春には社会人になって、嫌というほど働かないといけないのに、なにかの義務みたいにバイトをしている。
手が届かないってわかっている夢を追いかけている。
そんな時に流れてくる、God Only Knows。
ポップだけど、同時に、ドリーミーで浮遊感があって現実離れした距離感も感じられる。
この曲を聴くと、あの夏を思い出す。
すべてが現実に即しているように見えて、実は全然そうではなさそう、みたいな。そんな夏だったなあ。
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