フレッツ光を申し込む際の問題提起

引っ越し先の物件でどのような回線が引かれているのか気になる人も多いと思うが、管理会社との契約前に調べてみようとすると以下の理由で非常に難儀する。

・大抵の管理会社は知識不足で内見(物件を見学すること)の前に問い合わせても「NTTに聞け」と言われるか、見当違いの回答が大半
・NTTは問い合わせると物件があるエリアがフレッツ光の対象エリアかどうかまでは教えてくれるが、該当の物件に「何の回線が引かれているか」「工事可能か」「MDFなどの空きはあるか」は本契約前提の申し込みをしないと教えてくれない

前者はまあ仕方ないというか、知識がない人たちなので半ば諦めている。賃貸物件のアピールポイントにはよく「高速ネット対応」「インターネット専用回線」「ブロードバンド」などの言葉が躍るが、これらはVDSLとCATVとフレッツ光1/10Gタイプのどれなのかは管理会社のさじ加減次第なので何一つ信用できない。上限100MbpsのVDSLで「高速ネット対応」と謳う物件はいくらでもある。見分ける方法のうち一番確実なのは、屋内に光コンセントがあるかどうかだろう。あったら、その時点で1G以上だからだ(実際の速度はまた別ですよ)。ただメールや電話で管理会社に「光コンセントある?」と聞いてもまともな回答が得られるかは少々疑問である。確実な手段は自分自身で物件まで足を運ぶしかないだろう。たまに物件紹介の写真に写りこんでいるラッキーなパターンもなくはない。ちな「NTTに聞け」と言ってきた管理会社には「じゃあいいわ」と全部断りを入れますが、極めて稀に「以前の居住者が使ってた~がそのまま残ってるので~が使えるんじゃないかな」みたいな回答をくれるナイスな会社もあります。そういう会社を利用したい。

まあそれはともかく問題なのは後者の専門家。以下は先日起こった実際のやりとりを簡易的に書き起こしたもので、窓=窓口の方で管=管理会社の方。

私「引っ越しする予定で~県~市のマンション〇×だ」
窓「調べたがそのエリアはフレッツ光のエリア内なので申し込みは可能だ」
私「そのマンション〇×には光コンセントがないので新設したい。管理会社の許可は得てる」
窓「新設可能かは申し込みしないと教えられない」
私「いや申し込む必要かどうかは回答次第なんだけど。マンションによっては工事不可もあるじゃないか」
窓「社外秘なので教えられない」
私「じゃあ申し込むわ」
窓「調べたらケーブル通せる配管ないから新設はできない」
私「やっぱりそのパターンかよ。念のため管理会社に聞いてみる」

管「いや、配管あるよ」
私「どっちだよ。再度NTTに聞いてみる」

窓「ウチのデータベースにはできないって書いてある」
私「その情報いつの?」
窓「社外秘」
私「管理会社はできるって言ってるけど」
窓「できません」
私「それ間違ってる可能性はないの?」
窓「あなたの選択肢はこのままVDSLを申し込むかキャンセルするかのどちらかだ」
私「いやそうじゃなくて、管理会社とNTTの言ってること違うって指摘なんだけど」
窓「申し込むかキャンセルか選べ」
私「だから」
窓「選べ」

以上の不毛なやり取りが続いた後、結局物件ごとNTTへの申し込みもキャンセルした。もちろん不満たらたらなので書き起こしは悪意たっぷりに書いたが、実際窓口からは「申し込む前に工事可能かは教えられない」「VDSLを申し込むかキャンセルするかしか案内できない」と言われたのは事実(共に原文ママ)。

余談。私はNTTのデータベースに登録されている情報はあまり信用していない。以前、工事当日に「MDF空いてないからムリ」と断られたことが複数回あるからだ。事前に空きはあると言ってたのに。この話も前述の窓口の方に伝えたが一切その話を無視して「選べ」の1点張りだった。まあ客の言うことと自社の情報どっちを信用するかって言われたらね。

さて。今回提起したい問題は繰り返すが「本契約前提で申し込まないと工事可能かどうか教えてくれない」ということ。ネット回線を重要視する私のような人は工事の可不可で物件を諦めることさえあるだろうに、申し込みには物件の住所や部屋番号の他に現在使用中のフレッツ光の停止日や工事日、機材の届け先などを伝える必要があるという。

じゃあ「ひとまず申し込んでみればいいじゃん」という方もいるかとは思う。私も正直思わなくもない。実際「教えてくれないなら申し込むフリして情報を聞き出してやろう。何なら管理会社との契約前にNTTに「引っ越し先でフレッツ光を使いたい。引っ越し日はここ、マンション名はこれね」と、申し込んでしまえばもっと楽。ダメなら別の物件にすればいい」というやり方がおそらく最適解だろうが、NTTはこれでいいんだろうか。調べた限り、クーリングオフとは別に電気通信事業法上は申し込んだ後の8日以内ならキャンセルできるそうだが。ただこのやり方も管理会社の審査に落ちたらそこまでだが。

申し込む前に情報を教えてくれないのはデータベースが会社の資産だからではあるだろうが、それをふまえたうえでもやはりこう思わざるを得ない。「教えてくれないなら申し込むフリして情報を聞き出してやろう」が最適解でNTTはいいのだろうか。

とここまで書いてしばらく放置していたが、あれから合計4回(3回は自分自身で、1回は管理会社経由)NTTに問い合わせたが、自分で問い合わせた3回は内容の差異はあれ3回とも申し込むまで何の回線が敷かれていて工事は可能か教えてくれなかったが、管理会社経由の1回だけ設置済の回線が何なのかだけ教えてもらえた。この対応の差は何?

余談だが管理会社で割と若い年齢の方や勉強熱心の方は「光コンセントついてますか?」で通じた。営業メールばかり熱心でこちらからの問い合わせはとんと返してこない人ほど「NTTに聞け」ばかりだった。


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