自然。矢印の向く方向。大切なヒト。③#18禁

土曜日。

『うぉーーーーーすっげぇーーーーー!!!』
『すごぉーーーーーい!!!!!』

『2人ともさっきから緊張しすぎだよー!笑』

『いやクミ・・・キミも最初はスゴかったよ?笑』

『えっ・・・そんなことないもんっ!』


5日前の月曜日。

ンライッ
あ、ヨースケさんからだ。
噂をすれば。

【今日またこないだのとこ泊まるけど。
クミも来る?】

え。ちょ。
・・・あヤバい。思い出しちゃた。

『どしたのクミなんかえっちな顔なってるけど。笑』

ヤバいヤバいヤバい。

『例の、ヨースケさん?』

『う、うん。』
ヤバい。

『そっかぁ。
いつかあたしも招待してくださいって伝えといてよ。』

あっ。なるほどねー。
ケイくんも誘って。
おもしろそう。
あとはヨースケさん次第。

とりあえず返信。
スススッ・・・スッ
【いく!】


夜。

『ねぇ・・・ヨースケさぁん・・・』

・・・あえて言わないけど・・・
あんなことや、こんなことした。
またひとつ、忘れられない記憶が増えた。
こうやって積み重なっていくんだろうけど、
その途中でわたしは
きっとその記憶の積み重なりでオカしくなると思う。
そのくらいヨースケさんは、すごい。
すごすぎてその間は、昼間のこととか忘れてた。笑

『ん?どーしたの?
・・・またしたいの?』

ゾクゾクゾクッ!
『あんっ・・・!
したい・・・。
・・・あっ、そーじゃなくて!』

・・・ヨースケさんは、スゴい。

『リリってね、トモダチがいるんだけど。』

『あぁ。
いつもクミのそばにいてくれるトモダチね?』

そしてスルドい。

『うん。
リリにね、わたしたちのこと話したのね。』

『えっ、話しちゃったの!?』

『うん・・・ダメだった?』

『いやいーけど・・・』

『リリもしあわせなことあったみたいでね、
それ話されて「クミは?」って聞かれたら
話さないわけにはいかないじゃん?
お見通しだったみたいだし。』

『うん。だろーなぁ・・・
クミわかりやすいし。』

『そんなことないもんっ!
・・・で、まぁ色々話しすぎちゃったんだけど。』

『まぁそーだろうなぁ・・・』

『「エロすぎて話入ってこんわ」って言われたけど。笑』

『だろーなぁ・・・。笑』

『さっきから「だろーなー」ばっかなんだけどっ!!!』

『あゴメン。笑
でもそんな大切なコだったらクミはいつか
俺にそのコ会わせたいって思うでしょ?
・・・会いづらいなぁって。笑』

『・・・そっかぁ・・・。』

『ん?』

『うん・・・。
・・・あのね、リリも会いたいってゆってた。
その、リリの彼氏になったコがケイくんってゆう
わたしたちと同じ部活の2コ下の後輩なんだけどね?
そのコも一緒にいつかここに来れたらいーなぁって。
もちろんヨースケさんにも会わせたいし、
この気持ちい自然いっぱいの空間も見したげたいなぁって思ってたの。
・・・でも・・・』

『うんいーよ。』

『へぇ?』

『今度の土曜、この部屋キャンセル入ったんだ。
もしその日でよかったら、招待するよ?』

『へ?いーのぉ!?』

『うん。
クミのその嬉しそうな顔、好きだよ。』

『もぉ・・・なんかズルいぃ・・・』

『・・・なにが?笑』


そして今日。
もともとリリにもケイくんにも予定はない。
喜ぶだろーなぁって思ってたら、
予想以上に喜んでる。笑
大切なヒトたちの喜ぶ顔はうれしいなぁ。
と思ったら、わたしが初めて来た日の方がすごかったって。
そんなことないもん。


『案内するねー!
この一番奥だけど、
2人とも歩けるぅ?』

『バカにしないでよねー!』


『すっげ・・・広ぉ・・・』

『ケイくん。どう?
感動した?』

『あ、ヨースケさん!
はいもう!すげー気持ちいです!
こんな中で生活できたら幸せだろーなぁ・・・』

『僕もね、大学んとき同級生に連れられて
初めてこーゆーとこ来たとき
まったくおんなじこと思ったよ。
で、
じゃあっつって、作っちゃったって話。笑』

『「作っちゃった」て・・・
何者なんすかヨースケさん・・・。』

『・・・・・。
ケイくん?
キミは僕みたいな人間に会っても物怖じしない。
頭も良さそうだからわかってると思うけど・・・』

『へ?
僕そんな頭良くないですよー!笑
ヨースケさんは雰囲気やらかいから話しやすいだけです。』

『そっか・・・。
じゃあキミもだいぶやらかい雰囲気持ってるね。』

『そですか?
だったら嬉しいです。笑』

『うん。笑
・・・なんかさ、
キミは僕の若いときに似たとこがある。
だからさ、
リリちゃんとのことももちろんだけど、
今のうちから色々経験しとくといいよ。
勉強は好きそうじゃないから・・・
音楽でもいい。バイトでもいい。
美味しいもん食べるでもいい。
単純に、読書でも映画鑑賞でもいい。
こーゆうとこ足運ぶのでもいい。
やったことは全部身になるからさ。
経験は宝だよ。』

『へぇ・・・
なんかそんなこと言われたの初めてです。』

『そ?』

『はい。
みんな「勉強しろ」ばっかで。笑』

『勉強も大事だよ?
大学行っとけばその分
社会出る前の経験も増えるからね。』

『・・・なんか、来てよかったです。
こんなキレイなとこも初めて見れたし
ヨースケさんにも会えた。』

『僕はそんな大した人間じゃないよ。笑』

『いや、大した人間です。笑』


なんかヨースケさんとケイくんが
仲良く話してる。
嬉しいなぁ・・・
こんなキレイなトコで、
輪が広がってく感じ。
ヨースケさんのおかげだぁ・・・

『・・・ありがとねクミ。』

『わたしぃ!??』

『は?どしたのクミ。笑
・・・こんな広くてキレイなとこ、はじめて。
だし、
ケイくんすごい楽しそう。』

『うん。だね。笑』

『ごめんね?』

『ん?なにが?』

『あたし、ちょっとヨースケさんのこと疑ってた。
めっちゃいいひとじゃぁん・・・』

『でしょ?えへへぇ。』

『・・・しあわせになれるといーね。』

『うん。・・・ゔんっ・・・』

『えちょっとなんで泣いてんの!』

『じあわぜぇ〜・・・』

『・・・もぉー!笑』


『はいっ!ここだよー!!!』

『いやここクミのすみかじゃないから・・・』
『うわすっご!!!キレーーー!!!』

(・・・まいっか。笑)

『おじゃましまぁー・・・うわすっご!
いいんですかこんなとこ!!!』

『あぁうん。もちろんだよ。』

『ねーねーこっち来てー!』

『え何?』

パタパタパタパタ・・・

『うわすっご大理石じゃーーーーーんっ!!!』

(・・・・・。笑)

続く→

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