映画に振り回され、それを甘んじて受け入れた結果

日本では知りませんが、今チェンナイではミッションインポッシブルの最新作がやっている。

海外で上映された映画が日本では何か月後かに上映されることがある。

なぜでしょう?

ヒットするタイミング(夏休みとか)を見計らっているのか、海外で売れれば日本でも上映するという段階を踏んでいるのか詳しいことは分かりません。

とりあえず私はミッションインポッシブルが見たかった。




ミッションインポッシブルが見たい!

まずイナックスという映画館に行った。

上映時間にチケットを買うくらいのギリギリになってしまったが、どうせCMやら国歌斉唱やらでちょうど本編から参加できてええかと思っていた。

幸いにもチケット売り場はすいていて、「ミッションインポッシブル大人1枚!」と駆け込んでいった。


インド人店員「ノットアベイラブル」

えーそんな人気なん?ど平日の昼間に満席?

聞くと満席ではないらしい。

「?」「なんで見れんの?」

席は空いているけど見れないとのこと。

「?」

見る気満々だった、せめて理由だけでも聞かせて。




インド人店員「分からない」
「は?」もう一度言おう「は?」

結局隣からおじさんが出て来てスクリーンプロブレムという。

どうやらスクリーンの調子が悪くてミッションインポッシブルに限って今日は上映できないらしい。

いろいろおかしな点があるが、スクリーンの調子が悪いなら仕方がない。

私も駄々をこねるような子供じゃない。インド人よりは物分かりもいいはず。

それでもミッションインポッシブルが見たい!

完全にミッションインポッシブルを見る気になってた。

探した。近くの映画館で待たず良い感じの時間帯に上映される映画館がないかと。

幸いにもチェンナイにはめちゃくちゃ映画館がある。

それだけあれば、いい感じの時間帯に上映する映画館が見つかる。

車で15分のところの映画館で30分後にミッションインポッシブルが始まる。

15分の余裕がある、これや。

タクシーを呼んでいく。

スムーズに乗れたはずのタクシー。なんだかんだで上映開始時間に映画館に着いた。

タクシーの中で念のため電話で確認を取った。

「ミッションインポッシブルの席開いてますか?」

「おそらく上映開始時間に着くと思いますが、大丈夫ですか?」と


インド人店員「はい!」
またも「ミッションインポッシブル大人1枚!」と駆け込んでいった。

すると


インド人店員「ノットアベイラブル」
なんで席埋まった?

埋まってない。

これさっきと同じ流れじゃね。デ・ジャヴ

聞くとオーディオプロブレムらしい。

そんなことある!?!?

ここの映画館にさっきの映画館のオーディオ関係持ってこい

それか

ここの映画館のスクリーンをさっきの映画館にもっていこ!

私にミッションインポッシブルを見せてくれ。

ミッションインポッシブルを見るミッションがインポッシブルでした。

なんてくだらないことでは終われない。

なんでもええから映画が見たい

ミッションインポッシブルはもうええ。

とりあえず映画が見たい。今日朝目覚めた時から映画館の雰囲気を味わうつもりでずっと生きてきた。

これはもう使命

映画ならなんでもいい。


私「すぐ始まる映画はどれですか?」

インド人店員「2種類のタミル語映画があります」
もうええ。なんでもええ。私に映画を!


インド人店員「どっちにします?」
どっちも知らん。なんなら片方は題名も読めん。

映画館で初めて「どっちがおすすめですか?」ってチケット売りに聞いた。

めんどくさそうに店員はじゃぁこっちでと指をさした。


私「じゃぁそれ大人一枚。」
既に始まって15分の立つ映画、まぁどうせ言葉も分からん映画、いつから見ようが一緒やろと思いつつも早歩きで指定のシアターに進んだ。

真っ暗、インドの映画館は足元ライトもない。

私は完全に以前は批判していた携帯ライトで席を探す蛍となっていた。

信じられなかったインド人に一歩ずつ着実に近づいている。

豪に入れば郷に従え

そして訳の分からんタミル映画が始まった。

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